妊娠糖尿病の治療 「食事療法」「管理入院」とは?運動はできない?ストレスは治療に影響?
- 作成:2016/01/14
妊娠糖尿病と診断された場合、胎児への影響を考えて、激しい運動は推奨されません。治療は、食事療法とインスリンを使った療法になります。血糖値が異常に高い場合は入院する可能性があります。運動や治療、出産後の考え方について、医師の監修記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
激しい運動は勧められない
妊娠していない場合の糖尿病の治療法は、食事療法、運動療法、薬剤による血糖降下療法になります。しかし、妊娠糖尿病の場合には、ウォーキングやストレッチなどは良いですが、胎児に影響が出る恐れがあるため激しい運動は推奨されません。また内服する血糖降下薬は胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
インスリン療法とは?食事療法とは?
したがって、妊娠糖尿病に対する基本的な治療方針は、食事療法とインスリン療法になります。
妊娠糖尿病の場合の食事療法は、グルコースのもとになる食事を制限することで、血糖値が上昇するのを抑えるものです。胎児の成長のための十分な栄養は維持しながら、間食や食事の摂取方法などを調整し、栄養不足にならないように気を付けます。
インスリン療法はインスリンを外から追加することで量を増やし、上がりすぎてしまった血糖値を元に戻そうとするものです。インスリンは胎児への悪影響を避けため、食事療法でも血糖コントロールが十分にできない場合に、インスリンの皮下注射を実施することとなります。
治療中は、太りすぎ、痩せすぎに注意
妊娠糖尿病の治療は、最初から自分で行うのは難しいため、病院にいる管理栄養士の指導のもと進めることが多いです。血糖値が高いと胎児に異常が起きるだけでなく、早産、流産の原因にもなるため厳格にコントロールしなくてはいけません。妊娠糖尿病の食事療法は、血糖を十分にコントロールし、元気な赤ちゃんを産むためにバランスのよい食事の摂取を心がけることを目標にします。体重に関しては、妊娠週数が増加するとともに体重が増えることは当たり前なので、太り過ぎ、痩せすぎにならないように管理をしていきます。
食事療法の具体的な内容ですが、1日に必要なエネルギー量を妊娠週数ごとに計算し3回に分けて摂取するようにします。野菜を多めにとり、脂身や糖分をとりすぎないように心がけます。また間食はなるべく避け、どうしても摂りたい時には果物などをとるようにします。
ストレスは妊娠糖尿病の治療に影響する?
ストレスには血糖値を上昇させる効果があります。治療でどんなに血糖値の上昇を抑えても、血糖値を上昇させるストレスが加われば、治療効果は影響を受けることになります。
入院することも 管理入院とは
妊娠糖尿病は、ブドウ糖負荷試験といってブドウ糖が含まれる甘い飲み物を飲んで1時間後、2時間後の血糖値がどのように変化するか、また飲む前の空腹時血糖値も併せて診断します。数値が異常に高い場合には、「管理入院」といって入院しながら血糖値を正常にコントロールする治療が行われます。
入院期間は2泊3日程度から1週間以上まで検査結果や妊娠週数などによって様々です。入院中は妊娠糖尿病用にカロリーを制限された食事が出るため、血糖値は正常になります。またインスリン療法が必要と判断された場合には、インスリンの皮下注射を自分でできるようにするための練習も行います。
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妊娠糖尿病の治療や入院可能性についてご紹介しました。もしかして妊娠糖尿病かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構です。
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