これ「コロナうつ」?メンタルクリニック受診が必要な兆候は
- 作成:2021/09/11
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、長期にわたるコロナ禍で気分が沈む女性からのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
長引くコロナ禍で気分が重い状態が続いているのですが、精神科を受診するほどのものなのかどうかが分かりません。医師の方から見て「こんな症状・兆候があれば精神科を受診すべき」という目安はありますか?
受診の目安は「くう、ねる、あそぶ、考える」の変化
ご相談ありがとうございます。重い気分が続いていてお辛いことかと思います。
精神科の受診というと、なんとなくハードルが高く感じて「どんな症状があったら行けばいいんだろう?」「こんなことで相談していいのかな」と思われる方はたくさんいらっしゃるかもしれません。そこで今回は自分でもよくわかる受診の目安をお伝えします。
ストレスを原因とするメンタル不調の場合、症状は多岐にわたります。そんななかでも、確実に受診をおすすめするわかりやすい状態・症状は下記のようなものです。
上記の4項目のうち、どれか一つでも2週間以上変化が持続する場合は受診をおすすめします。
「くう、ねる、あそぶ、考える」が2週間、と覚えてください。いずれも比較的自分で変化に気づきやすく、メンタル不調の初期から現れやすい症状です。
人間だれしも落ち込んだり、自分を責めてしまうときはありますが、それが2週間以上強く続いたり、上記4つのうちどれかに変化が出て持続しているときはメンタル不調の始まりのことが少なくありません。
また普段何気なくできていること、例えば自炊、入浴、片付けなどができなくなっている時も要注意。上記4つに変化がないかチェックしてみてください。
ちなみに厚生労働省からは下記のような自己チェックリストが出ています。
この自己チェックで6点以上のかたも受診をおすすめします。
いかがでしたか?
最後になりますが、上記症状や持続期間やチェックリストにこだわらず、「死にたい、いなくなりたい、消えたい」などの気持ちが強い場合や、症状が辛くて我慢できないときは遠慮せず受診をしてください。例えば「急に息苦しくなる」とか「仕事に行くと涙が出てしまう」などです。
「こんなことで相談に来ないで」なんていう精神科医はいませんし、あなたが心配に思われている時点でそれは改善すべき点です。受診することは恥ずかしいことでもなんでもなく、一緒に改善していくための第一歩と思ってくだされば幸いです。
弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。
note: https://note.com/music_takahiro
Twitter: https://twitter.com/djbboytt
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