腹痛に市販の解熱鎮痛剤はNG?服用前には成分の確認を
- 作成:2021/11/15
腹痛が起きた際、ついつい家にある市販の解熱鎮痛剤を服用していませんか?実は頭痛や歯痛、生理痛などに効果がある解熱鎮痛剤を服用しても腹痛は改善しません。それどころか、逆に症状が悪化したり吐き気を催したりすることもあるため薬選びには注意が必要です。 そこで本記事では、腹痛に効く薬のタイプや成分について詳しく解説していきます。薬局で薬を選ぶ際の参考にしてみてください。
この記事の目安時間は3分です
最初に知っておくべき腹痛の種類について
腹痛になってから、いざ薬を選ぶとなると種類も多くなかなか判断はできないものです。なので、腹痛の種類から効果的な薬を選ぶようにしていきましょう。
まずは代表的な腹痛である内臓痛と体性痛について解説していきます。
内臓痛とは
内臓痛は、胃や腸がけいれんを起こしたり拡張したりする際に発生する腹痛で、ぐっと押されるような痛みが特徴的です。
また、痛みの波が周期的で、同時に吐き気や嘔吐の症状が表れることもあります。
腹痛に上記のような症状がみられる際は内科的な疾患である可能性が高いため、治まらない場合はできるだけ早めに内科を受診しましょう。
体性痛
体性痛は、腹膜や腸間膜(胃腸を被っている腹膜)などの刺激によって引き起こされます。
刺すような痛みが持続的に続く点が大きな特徴です。また、体性痛の場合は吐き気や嘔吐などの症状が表れにくい傾向にあります。
例えば虫垂炎などの痛みは体性痛に分類されるため、より症状が重い場合はすぐに近くの外科や内科を受診しましょう。
腹痛時に解熱鎮痛剤は逆効果!
腹痛時は、とにかく家にある鎮痛剤や解熱剤を服用してしまう方もいるでしょう。しかし、鎮痛剤や解熱剤では腹痛を緩和することが難しいです。
「解熱鎮痛剤」は基本的に頭痛や歯痛、生理痛などの痛みを鎮めるための市販薬です。そのような解熱鎮痛剤を腹痛時に服用してしまうと、痛みが鎮めることができないだけでなく、かえって胃腸障害を起こしてしまう可能性があります。
このような事態を防ぐためには、市販薬の添付文書に記載されている「効能」の確認をしましょう。実際に確認してみると市販の解熱鎮痛剤の効果効能には、腹痛を緩和させる効能が含まれていないことがわかるでしょう。
症状別!腹痛時における薬の選び方
次は、腹痛時における薬の選び方についてです。腹痛と一言でいっても、下痢や便秘といった様々な症状があります。
今回は腹痛の改善が見込める薬のタイプや成分を、下痢・便秘・胃痛の3つの症状別に解説していきます。家に下痢や便秘に効く薬が置いてあるといざというときに安心です。薬局で見かけたらそろえておくとよいでしょう。
軟便・下痢の場合
軟便や下痢の症状が表れた場合には、早めに下痢止めを服用しましょう。ただ、下痢止めにも様々なタイプがあるため、原因と症状を手掛かりに自分に合った下痢止めを選ぶことが重要です。
下痢止めには、主に5つのタイプがあります。
便秘の場合
便秘の症状が長期化している場合、市販薬を服用することで改善することがあります。
便秘薬についても下痢止め同様、様々な種類があるため、自分の症状や原因に合わせて選ぶようにしましょう。
便秘薬には主に5つのタイプがあります。
胃痛・胃もたれの場合
過度のストレスや食べ過ぎにより必要以上に胃酸が分泌されると、胃の中の胃粘膜が破壊されて胃痛や胃もたれなどの原因になります。
上記のような症状が表れた場合、市販薬を服用することで胃痛や胃もたれが改善できるかもしれません。ここでは4つのタイプの胃薬について解説します。
腹痛時は薬の服用方法にも気を付けよう
腹痛時は胃薬や下痢止めなど、とにかく家にある薬を適当に合わせて飲んでしまいがちです。しかし、薬の飲み合わせによっては逆に症状が悪化してしまうこともあります。
例えば、胃薬と便秘薬の飲み合わせてしまうと効果が表れない可能性があります。
胃薬は胃で溶けてしまうのに対し、便秘薬は腸で溶けないと効果が薄れてしまいます。胃薬と一緒に便秘薬も胃で溶けてしまう可能性があるため、注意が必要です。
また、胃薬と下痢止めの飲み合わせによっては、吐き気や腹痛の悪化などの副作用が引き起こされる可能性があるため、服用前には必ず薬の添付文書にしっかり目を通しましょう。
薬を服用する際は、コップ一杯の水もしくはぬるま湯で飲むことをおすすめしています。ジュースやお茶、アルコールと一緒に服用してしまうと、薬が効きすぎることや副作用が出る可能性が高くなるため大変危険です。特にアルコールでの服用は絶対にやめましょう。
【まとめ】
本記事では腹痛の種類と解熱鎮痛剤を服用する際の注意点、下痢や便秘などを伴う腹痛時の薬の選び方や成分について解説しました。
症状ごとに効果のある成分が違うように、症状に合った薬が選ぶことによって早期改善につながるでしょう。また、少しでもわからないことや不安な点があれば、近くの薬局にいる薬剤師、または医療機関に相談してください。
【参考】
一般社団法人広島医師会
http://www.hiroshima.med.or.jp/pamphlet/55/1.html
医療従事者のための医療安全対策マニュアル
https://www.med.or.jp/anzen/manual/pdf/honbun.pdf
日本OCT医薬品協会
https://www.jsmi.jp/book/nomiawase.html
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