十二指腸潰瘍の市販薬、自然治癒可能性、重症化リスク 病院の薬より効果弱い?
- 作成:2016/01/06
十二指腸潰瘍の一部の薬は市販されていますが、病院で処方される薬との違いがあります。また、十二指腸潰瘍は自然に治るケースもありますが、放置すうると重症化する場合もあります。十二指腸潰瘍の市販薬や自然治癒、重症化について、医師が監修した記事でわかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
十二指腸潰瘍に市販薬がある?
十二指腸潰瘍は、粘膜を攻撃するものと守るもののバランスが崩れた時に起きると考えられています。そのため十二指腸潰瘍の薬は大きく分けて、「粘膜を攻撃するものを抑える薬」と「守るものを強化する薬」があります。
病院で処方される十二指腸潰瘍のうち、攻撃を抑える薬は、胃酸を抑える薬になります。「H2ブロッカー」や「プロトンポンプ阻害剤」などは働く場所は異なりますが、どちらも最終的には胃酸が出てくるのを抑える薬です。胃酸を分泌する神経やホルモンの働きを抑えて、胃酸を減らすのが「抗コリン剤」と呼ばれる薬です。また、胃酸は強い酸ですが、アルカリ性の薬を服用して胃の中で中和する「制酸剤」という薬もあります。
粘膜を守る力を強化する薬は、胃の粘膜にはりついて防御力を上げる薬や、痛み止めによって傷が増えるのを防ぐ薬などがあります。守りを強化する薬は攻撃を抑える薬よりも効果は弱めです。
市販薬として手に入るのは「H2ブロッカー」「抗コリン剤」「制酸剤」などの胃の守りを強化する薬です。「胃薬」と表示されていることが多いですが、十二指腸に対しても同様の効果があります。ただし、同じ効果の薬であっても市販薬は病院でもらう薬(処方薬)と比べて量が少なかったり、効果が弱いものもあります。
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十二指腸潰瘍は自然治癒することがある?
十二指腸潰瘍は自然に治ることもあります。たとえば痛み止めを飲んでいて中止した場合が考えられます。他にもストレスで胃酸が増えていて十二指腸潰瘍になっていた場合、ストレスがなくなれば、自然治癒する可能性があります。
自然治癒した場合は、検査時点で無症状であっても、「十二指腸潰瘍瘢痕(傷跡)」といわれることもよくあります。いつの間にか潰瘍になって治って、傷跡だけがある場合、「潰瘍瘢痕」と言われ、健康診断などで聞く機会もあると思いますので、覚えておいてよいでしょう。
十二指腸潰瘍の重症化リスク
十二指腸潰瘍は胃酸が多い場合になりやすく、痛みがあるのに我慢しているとさらにストレスが増えて胃酸が増える悪循環となり、重症化することがあります。重症化すれば傷が大きくなるので、その後治ったとしても壁がひきつれなど、十二指腸が変形をし、場合によっては食事がつかえるなど、その後の生活に支障が出る可能性もあります。
また、傷が深くなれば十二指腸に穴があくこともあります。これを「十二指腸穿孔」といいます。穿孔を起こした場合は、程度によっては手術が必要になることもあります。
そのほかに十二指腸潰瘍にはヘリコバクターピロリ菌が関連していることが多くあります。ヘリコバクターピロリ菌に感染したままでいると、十二指腸潰瘍が薬などで治ってもまた再発しやすいため、一度でも十二指腸潰瘍を指摘された場合、あわせてヘリコバクターピロリ菌に感染していないか調べておきましょう。ヘリコバクターピロリ菌に感染していた場合は、1週間程度薬を服用して菌を消す治療をすることとなります。
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十二指腸潰瘍について市販薬や自然治癒の可能性をご紹介しました。もしかして十二指腸潰瘍かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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