十二指腸潰瘍の原因と再発リスク ストレス、ピロリ菌以外に薬や食事でも?再発の理由も解説
- 作成:2016/01/08
十二指腸潰瘍はストレスやピロリ菌についてかかる可能性のある病気です。さらに、特定の薬も胃潰瘍の原因となることがあります。十二指腸潰瘍のについて、再発可能性も含めて原因を、医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
十二指腸潰瘍の原因 ストレスでも?
普段は消化のために役立つ胃酸と、胃酸を中和する膵液(すいえき)のバランスが崩れ、胃酸で十二指腸が傷ついた時などに十二指腸潰瘍を発症します。逆に胃酸と膵液のバランスを取ることで十二指腸潰瘍は防げるのですが、胃酸や膵液の分泌は自律神経によって行われているため、自分の意思でコントロールすることができません。
さらに、自律神経の働きは生活リズムが乱れたり、強いストレスに晒されたりした時に乱れてしまいます。つまり、ストレスによって自律神経の働きが乱れると、胃酸と膵液のバランスが悪くなり、胃酸が過剰になって十二指腸潰瘍になることがあります。
治療を進めようにも、ストレスという原因が取り除かれないかぎり十二指腸潰瘍は治らず、胃酸を抑える薬を飲み続けることになります。ストレスが原因の十二指腸潰瘍を完治させるにはストレスのない環境に身を置くことが大切になってきます。
十二指腸潰瘍とピロリ菌の関係
十二指腸潰瘍の原因として、ピロリ菌もよく知られています。ピロリ菌は胃酸を中和する能力があり、胃酸の中に生息する事ができます。そのため、胃や十二指腸に取り付いて粘膜にダメージを与え、胃潰瘍や十二指腸潰瘍につながることがあります。ピロリ菌がいると必ず胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるわけではありませんが、可能性が大きく高まるので注意が必要でしょう。
ピロリ菌が原因の十二指腸潰瘍が発見された場合、胃酸を抑えるだけではなく抗菌剤を服用してピロリ菌を除菌する治療も行います。薬を飲むだけでピロリ菌の除去はできるため、比較的容易に治療が可能です。ピロリ菌を除去できれば再発の可能性も減ることとなります。
また、ピロリ菌は、十二指腸潰瘍以外にも、消化器官の癌(がん)など引き起こすなど、様々な病気の原因になるため、十二指腸潰瘍などにかかっていなくてもピロリ菌の検査をして除去するのは、一つの考え方です。何の病気も患っていない状態での除菌治療は、保険適応外となりますが、将来的に病気になる可能性を考えれば、病気になっていない状態での除菌も1つの選択肢でしょう。
薬、食事が原因の場合も
十二指腸潰瘍はストレスやピロリ菌以外にも様々な原因で発症します。脂っこいものやタンパク質が中心の食生活で胃酸過多の状態になると、増えすぎた胃酸で胃や十二指腸がダメージを受けますし、一部の薬剤が胃や十二指腸を保護する機能を弱めてしまうことも知られています。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こす可能性のある薬剤は決して特殊な薬剤ではなく、風邪薬にも使われるような薬も含まれます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こす恐れのある薬剤としては、熱を下げる「解熱薬」、痛みを止める「鎮痛薬」、炎症を抑える「抗炎症薬」、血の流れを良くする「抗血栓薬」などがあります。数回飲んだだけでは起こりませんが、継続的に飲み続けると危険な場合があります。
解熱薬を飲み続けることはあまりありませんが、怪我した時の痛み止めや感染症へ対応するための「抗炎症薬」、心筋梗塞や脳梗塞を予防する「抗血栓薬」は長期間飲み続けることがあるので注意が必要でしょう。薬を長い間服用する場合は、薬剤師の説明をよく聞く必要があります。市販されている薬の場合は、必ず注意書きを読んで服用するようにしましょう。
再発の可能性がある十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は原因によって再発する恐れがあります。ピロリ菌や薬剤が原因であれば、ピロリ菌を除去したり、薬剤の使用を止めれば再発はしません。しかし、ストレス性や食生活が原因の十二指腸潰瘍は再発するリスクが高いです。薬を飲んで一時的に治しても、強いストレスの中で生活し続け、食生活も改善しなければ、再発につながることがあるでしょう。
逆に、ストレスを避け食生活を改善すれば、薬を飲まなくても軽度の十二指腸潰瘍は自然に治ることがあります。大切なことは十二指腸潰瘍の原因を理解し、その原因を無くすことと言えます。
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十二指腸潰瘍の原因や再発の可能性についてご紹介しました。もしかして十二指腸潰瘍かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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