十二指腸潰瘍の症状、チェック項目 頻繁な痛み?出血で下痢に?嘔吐にも要注意?

  • 作成:2016/01/08

十二指腸潰瘍では、空腹時の腹痛や出血が起きるのが特徴となっています。痛みや出血がどのような意味を持つのか、自覚症状を通じてセルフチェックする方法を、医師監修の記事でわかりやすく解説します。

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十二指腸潰瘍の症状はどのようなもの?

十二指腸潰瘍の症状は腹痛など 出血や嘔吐の可能性も

十二指腸潰瘍(かいよう)とは、小腸の上部、胃の下部にある「十二指腸」という消化器官の一部が胃酸の影響で、表面が削られてへこんでしまう病気です。 十二指腸は、普段、胃酸を中和する膵液(すいえき)などが分泌されることで、胃酸から守られています。しかし、何らかの理由でこのバランスが崩れると十二指腸の粘膜が胃酸で傷つき、十二指腸潰瘍になってしまいます。

十二指腸潰瘍になると、十二指腸が、直接胃酸のダメージを受けるため、強い腹痛などが症状として現れ、症状が進行すると出血や嘔吐に繋がります。十二指腸潰瘍は、胃潰瘍と原因や症状が似ていますが、十二指腸は、胃と違って壁が薄い器官なので、痛みが現れて出血するまでの時間が短く、胃潰瘍よりも早く悪化して穴が空いてしまうため非常に危険です。

痛みは十二指腸に食べ物や水分が少なくて胃酸が濃い空腹時に起こりやすく、食事や水分で胃酸が薄まると、症状が緩和する傾向にあります。そのため、朝や夜に腹痛がしても日中は痛みが和らぐ事が多く、「痛みがおさまったから大丈夫」と思って病院に行かないというケースもありえますので、気をつけましょう。

頻繁な痛み、黒い便に要注意

十二指腸潰瘍の症状で最も代表的なのは痛みです。腹痛というのは健康な人でも何らかの理由で起こるものなので、軽視しがちな症状ですが、十二指腸潰瘍になると頻繁に腹痛が訪れます。特に、「空腹時」に痛むと言うのは頭に入れておいてよいポイントです。食あたりであれば食べた後に痛くなりますが、何も食べてないのに痛みが続く場合には十二指腸潰瘍の可能性があると思って良いでしょう。

次に注意したいのが、出血です。十二指腸潰瘍が進行すると出血しますが、出血した血は口から吐き出す形で出てくるか、血便として出てきます。血の色は胃酸の影響を受けて赤黒く、最初は血液だと気づかないかもしれません。

特に、血便となって出てくる場合には痔などと違い真っ黒なので、「便の調子が悪いだけ」と思う可能性もあります。腹痛に黒い便が合わされば、十二指腸潰瘍や胃潰瘍を疑って下さい。

下痢症状は出ない場合もあるが、出血のサインの場合も

十二指腸潰瘍や胃潰瘍の症状で下痢が必ず出るということはありません。特に、腹痛と下痢は食あたりや感染症で起こりやすい症状で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に関係があるとは限りません。

しかし、出血で血液が大量に混ざると消化が悪くなりますし、痛みやストレスで大腸の調子が悪くなることもあります。十二指腸潰瘍を原因とする下痢が起きる場合には出血を併発している可能性が高いです。赤黒い下痢が出てきたら十二指腸潰瘍から出血している可能性があります。

また、十二指腸潰瘍が進行しているのに痛みがでないこともまれにあります。その場合には血液の混じった下痢などが十二指腸潰瘍のサインになるはずです。

セルフチェックできる項目はある?

十二指腸潰瘍のセルフチェックとしては、「痛み」「出血」「食欲不振」に焦点を当てます。まず、空腹時に痛みがあれば胃潰瘍か十二指腸潰瘍の可能性があります。また、吐血や血便がある場合は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が進行している可能性が考えられますので、痛みが無くても病院で診断を受けて下さい。

症状が進行していない段階では、痛みや出血が乏しく気づかないこともありますが、胃酸過多や十二指腸の変形で食べ物が通りにくくなって胸焼けがしたり、気分が悪くなったり、吐き気がしたりすることがあり、症状が食欲不振に繋がります。食欲不振だけで十二指腸潰瘍とは限りませんが、合わせて痛みがあるようであれば十二指腸潰瘍のリスクを疑っても良いでしょう。



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痛み・出血・食欲不振という3つの兆候が、セルフチェック、自ら十二指腸潰瘍に気づくことのできる項目と言えるでしょう。

十二指腸潰瘍の症状などについてご紹介しました。もしかして十二指腸潰瘍かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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