胃酸過多症の原因と症状 下痢や口臭が起きる?ストレスも一因?
- 作成:2016/05/02
胃酸過多症は、文字通り「胃酸が出すぎている」状態で、食事やストレスが原因になることもあります。下痢や口臭も含めて、どのような症状が出るのかを交えて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
「胃酸過多症」とはどんな病気?
胃酸は食べものを消化するため、胃の中で分泌されています。胃酸はとても強い酸性ですが、胃の壁は粘膜で保護されており、通常、胃酸が分泌されても胃の壁は影響を受けません。しかし、何かしらの影響で胃粘膜が防ぎきれないほどの胃酸が分泌されたり、胃粘膜に傷がついていたりすると、胃酸が胃の壁を傷つけて、様々な症状が出ます。
胃酸は通常、食事をした時に消化のために分泌されます。その場合、胃酸は食べ物と混ざって適度な濃度となるため問題はありません。しかし、胃の中に食べ物がないのに分泌された時も、胃を守る力よりも胃酸の力が勝る状態となり、多様な症状が出ます。
さらに、出すぎた胃酸は胃以外の部分にも影響を与えます。食べ物は胃の次に十二指腸に流れ込みますが、胃酸が十分薄まっていないと十二指腸の壁に炎症や潰瘍をきたすこともあります。また、逆流やゲップなどで胃酸が食道側に流れ込むと食道の壁にもダメージを与え、逆流性食道炎となります。
胃酸過多症の原因は?
胃酸過多の原因は胃酸を分泌するホルモンの異常や食事、ストレスなどがあります。胃酸の分泌に関連している代表的なホルモンは「ガストリン」というものです。ガストリンは胃の出口付近から分泌されるホルモン、でガストリンが増えると胃酸だけでなく消化酵素も分泌され、消化を促します。またピロリ菌に感染している場合、ピロリ菌が生み出するアルカリ性のアンモニアに対抗してガストリンが多く分泌されることもあります。
また、ピロリ菌による胃炎で胃酸分泌が抑えられていた場合、ピロリ菌除去を行うと胃酸が一時的に増加して胃酸過多の症状が表れることがあります。こちらは一時的なものです。
胃酸過多症と食事、ストレスの関係
食事で胃酸増加に関連しやすいのはいわゆる刺激物です。コーヒーやアルコール、香辛料などは胃酸の分泌を増加させます。また油の多い食べ物は胃の中にとどまる時間が長いため胃酸が過剰に出る可能性があります。
ストレスで胃酸過多になる理由は、自律神経の乱れです。ストレスがかかると自律神経のうち「交感神経」という神経が活発になり、次いでバランスをとるために「副交感神経」が活発になります。すると副交感神経によってコントロールされている胃酸が過剰に分泌されてしまいます。
多様な胃酸過多症の症状 口臭がする場合も
胃酸過多の症状は多彩です。胃の症状としては胃痛・胃もたれが代表的な症状となります。また胃酸が上へ逆流した場合は、逆流性食道炎の症状である胸やけ・のどの痛み・ゲップ・吐き気などがあります。胃酸が口まで逆流した時は、口の中が酸っぱい感じがしたり、胃の空気が吐き出されることにより口臭がひどくなることもあります。
胃が原因の痛みについてはみぞおち、上腹部、おへその上のあたりに痛みが出ることが多いですが、十二指腸の場合はお腹の上半分のやや右側に症状が出ることが多いです。場合によってはお腹ではなくて背中側が痛くなることもあります。
胃酸過多症で下痢になる場合も
胃酸過多になると便にも影響が出ることがあります。下痢は胃酸過多による胃炎で食べ物が十分消化されないために起こります。さらに胃炎がひどかったり、潰瘍ができていて出血をしている場合、便に血液と胃酸が混じり黒い便が見られることもあります。黒い便は出血が継続している可能性もあり、入院治療を要する場合もあるため、きづいたらすぐに病院を受診しましょう。
胃酸過多症の原因や症状についてご紹介しました。胃酸が多く出ているように感じて、不安な方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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