日曜の夜から憂うつ…「サザエさん症候群」ですか?
- 作成:2021/11/28
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、月曜の朝から学校に行きたくないとお悩みの方からのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
今日(月曜日)目が覚めたら、起きなくてはいけない時刻で、学校だなぁと思ったら、急に怖くなって涙が出てきました。結局、学校には行ったのですが、不安な気持ちで過ごしました。
日曜日に学校に行きたくなかったりすることを「サザエさん症候群」っていうんですよね? それでしょうか…。ほぼ毎日学校がいやで、勉強もしたくなくて、どうしていいか分からないです。毎晩、明日学校か…とか、全然勉強していないなとか思うと、嫌だな、しなきゃいけないのにやらないなんて…って考えて泣いてしまいます。でも、朝から泣いてしまったのは今日がはじめてです。(10代・女性)
【医師の回答】今は無理してまで学校に行かなくてもいい
ご相談ありがとうございます。
おっしゃる通り「サザエさん症候群」は、仕事や学校から離れていた土日の終わりが近づき、気が重くなってしまう現象のことです。これは正式な病名などではなく、マスコミなどで使われるうちに定着したものです。
一方で、ご相談者様の状況は、日曜に限らず毎晩辛くて泣いてしまい、それがいよいよ月曜日の朝にも初めて泣いてしまったというものですね。
とてもつらい気持ちだったのだと思います。あらためて勇気をもって相談してくださりありがとうございます。
毎晩泣いてしまったり、やらなきゃと思っていることができなかったりする時は、心のバランスが崩れてしまっているときです。
「学校に行かなきゃ」とか「勉強しなきゃ」という気持ちも強いと思います。しかし一番大事なのは、心のバランスや体の健康です。まずは自分を大事にしてあげましょう。
学校は絶対に行かなければいけないものではありません。学校に行かなかったり勉強をしなかったりしても、あなたがかけがえのない存在であることに変わりはありません。
今は無理をしてまで学校に行かなくてもよいです。まずは心のバランスを取り戻し、安心した生活を送れるようにしましょう。
名前や学校名を言わずに相談できる場所がある
心のバランスを取り戻すためには、相談をして誰かの力を借りるのがよいでしょう。
相談することは決して恥ずかしいことではなく、とても大事で勇気ある行動です。
話すだけでも気持ちが変わるかもしれませんし、必ず突破口は見つかります。
この気持ちはご家族などには話せていますか?
もし何か理由があって話せないとしたら無理はしないで大丈夫。
無料で相談可能な信頼できる相談先を、いくつかご紹介します。チャットなどで気軽に相談できるところもあります。
【相談先】
●チャイルドライン
18歳までが利用可能で、電話やチャットで相談が可能です(相談料無料)。
専門のボランティアが相談を受けてくれます。
(運営機関:特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター)
●東京メンタルへルス・スクエア
全年齢を対象に、カウンセラーが無料や低価格でのカウンセリングやセミナー等を実施しています。
(運営機関:特定非営利活動法人東京メンタルヘルス・スクエア)
●あなたのいばしょ
24時間365日チャットでの相談が可能です(相談料無料)。
(運営機関:特定非営利活動法人あなたのいばしょ)
●BONDプロジェクト
10代20代の女性を対象に相談、支援を行っています。
電話、LINEなどでの相談が可能です(相談料無料)。
(運営機関:特定非営利活動法人BONDプロジェクト)
●全国各地の教育委員会が設置している相談窓口
お住いの地域の相談窓口です。地域によって様々な相談のやり方があります。
●文部科学省
子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち)
相談窓口等をまとめたサイトです。
これ以外にも、メンタルクリニックや病院などを受診することもよいですが、少しハードルが高いかもしれませんし、どこに行ってもいいかもわからないと思います。
受診するかどうかも含めて、相談先に聞いてみるとよいでしょう。
万が一、相談した先と合わなくても自分が悪いとか思わずに「合わなかったな」程度に考えてください。相談先はいろいろあるのですから。
また、話したくないことは話さなくて大丈夫ですし、あなたの許可なく秘密が漏れることはありません。名前や学校名なども言わなくて大丈夫です。もちろん家族にも秘密にすることもできます。
上記以外にも、学校のスクールカウンセラー等も相談先になります。
まずは相談しやすそうなところを見つけてみるとよいでしょう。
簡単にまとめておきます。
- いまは辛いと思うことを無理しないでよいです。
- 相談するのは恥ずかしいことではなく、大事で勇気ある行動です。
- 相談先は沢山あります。1か所合わなくても諦めなくて大丈夫。
決して自分を傷つけるようなことはしないで、元気を取り戻されることを心から願っています。
弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。
note: https://note.com/music_takahiro
Twitter: https://twitter.com/djbboytt
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