ストレスによる過食や拒食、眠気にどう対応したらいい?
- 作成:2022/03/17
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、ストレスによる過食や拒食、眠気にお悩みの方からのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
職場の部署が変わりました。環境もだいぶ変わり、職場の人の中には嫌がらせをしてくる人もいます。そのせいか、朝と昼は全く食べられず、夜22時頃に夕食をとるのですが、とにかく吐く位まで食べてしまいます。また、アイスが好きで毎日3つ食べてしまいます。
日中はもの凄い眠気に襲われて、接客中なのに目が閉じてしまいます。夕方18時から21時まで専門学校に行っているのですが、やっぱり眠気がきて困っています。休みの日も、眠くて勉強ができません。
3食きっちり食べたいですが、胃も痛く食べられず…糖質の取りすぎで眠気が襲うと思うのですが、眠気に関しては、きっちり生活していた時からです。このような眠気や過食、拒食にはどうしたらいいでしょうか?(30代・女性)
医師の回答
睡眠時間確保のコツは「やらないことを」を決める
ご相談ありがとうございます。
日中お仕事をされながら、夜には専門学校に通ってらっしゃるのですね。大変な努力家の方だとお見受けしました。
さて、ご相談内容を私なりに整理させてください。
(1)仕事中も休日も常に眠い
(2)食欲が安定せず、夜だけたくさん食べてしまう。
(3)職場でストレスがかかっている
以上3点がご相談内容と考えました。1点ずつ解説していきます。
まず(1)の問題に関して、今の相談者様の仕事+専門学校の生活から想像するに、シンプルに睡眠時間の不足がまず考えられます。適切な睡眠時間に関しては個人差が大きいといわれていますが、30代であれば7~9時間くらいが適切といわれています。
適切な睡眠時間を探す方法としては、1~2週間ごとに30分ずつ睡眠時間を伸ばす方法が挙げられます。こうしていくことで日中の眠気が困らないラインを探していくのです。
睡眠時間の確保のためには以下のようなコツを試してください。
1.やることの優先順位をつけ、「やらなければならないこと」からやる。
2.「やった方がいいこと」は余裕のある日に回す。
3.「やらないこと」を決める。
特に重要なのは3の「やらないこと」を決めることです。たとえば週に1日は自炊ではなくお弁当やお惣菜を買う、お風呂の大掃除は週2回以上やらないなど、部分的でもいいのでやらないことを決めて時間を捻出しましょう。
中小企業もパワハラや嫌がらせへの対応が義務化される
2番目の問題は「食欲が安定せず、夜だけたくさん食べてしまう」ですが、睡眠不足になると食欲が増加することが知られています。また、仕事のストレスで日中の食欲が出ないことにより、ますます夜に食べてしまい、胃腸に負担がかかっているのかもしれません。
胃腸の調子を整えるために、例えば、夕方の専門学校の授業の前や休憩時間などに食事をとるようにして夜遅い時間の食事を控える、軽くする等がいい方法です。
胃腸の痛みもあるようですから、消化器内科等で相談してみるのもよいでしょう。
3番目の問題「職場でのストレス」が改善すれば、日中の食欲や胃腸の調子も戻るかもしれません。
職場で嫌がらせをしてくる人がいることは、上司などに相談できているでしょうか?
もしまだであれば相談してみることをおすすめします。
また、現在は大企業にはパワハラ対策が義務化されています。2022年4月以降は中小企業にも義務化されます。パワハラやそれに類する嫌がらせに対して会社は対応する必要があります。もし、会社に相談窓口などあれば相談してみるのがよいでしょう。
また嫌がらせの種類にもよりますが、適切なコミュニケーションをとることで解決に近づけることも可能です。アサーションと呼ばれるコミュニケーションの概念が参考になります。わかりやすい入門書も出版されているので、見ていただくのもいいかもしれません。
弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。
note: https://note.com/music_takahiro
Twitter: https://twitter.com/djbboytt
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