「目がよく乾く」薬剤師が余分な成分が入っていない目薬を勧めるワケ
- 作成:2022/01/20
空気が乾燥し、暖房器具も1日中使われているこの時期、目の乾きを感じる方は多いと思います。特に、パソコンなどに向かって一生懸命に仕事をしていると、まばたきの回数も減るため、その症状はより酷くなっていく恐れもあります。こうした眼の乾き、実は軽いものであればドラッグストアなどで購入できる目薬などでケアできることもあります。
この記事の目安時間は3分です

まずは、余計な成分の入っていないシンプルな目薬を
ドラッグストアなどの目薬コーナーを覗くと、山のように目薬の種類があって困惑してしまうと思います。よくわからないので、とりあえず値段の高いもの、パッケージがキラキラしていて効きそうなもの、有効成分がたくさん入っているもの・・・そんな選び方をしてしまいそうにもなりますが、眼の乾きを感じているのであれば、まずは余計な成分の入っていないシンプルな「人工涙液」の目薬をお勧めします。
「人工涙液」とは、ヒトの涙の成分に近い性質を持つ液体の目薬のことで、いわば「涙を補充する」方法で眼の乾きを解消する目薬です。含まれている成分はいわゆる“塩”だけですが、これだけでもそれなりに効果は期待できる上に、ほぼ副作用のリスクなく使える1)こと、たくさん薬の入った目薬よりも圧倒的に値段が安いのが特徴です。
「人工涙液」に含まれる成分
- 塩化カリウム
- 塩化ナトリウム
最近は、粘度を高めることでより効果を高めた2)「人工涙液」も発売されています。ただの「人工涙液」に比べると値段はやや高めですが、効果に満足できない場合など、目の症状に合わせて使い分けるのが良いでしょう。
また、職場に加湿器を置くだけでも、目の乾燥や不快感を大きく改善できる3)ことが報告されています。こうした方法は、特に副作用なく取り入れられる対策です。またこの時期、部屋の湿度を高めることは目の乾燥だけでなく、鼻や喉の粘膜を守ること・・・つまり感染症対策としても有効ですので、ぜひ選択肢として検討してみてください。
いろいろな成分が入っている目薬は、なぜオススメでないのか
いろいろな成分が入っていて高価な目薬は、名前もパッケージもきらびやかで、確かになんとなく効きそうに感じます。しかし、たとえば「目の充血を一時的に解消する成分」や「目の痒みを抑える成分」などの成分は、これらの症状がある場合には役立ちますが、“眼の乾き”を解消するのには基本的に必要ありません。
どんな薬にも必ず副作用があるため、たくさん成分の入った目薬はそれだけ副作用のリスクも高い、ということになります。高いお金を払って、自分にとって必要のない成分まで入った目薬を買って、得られるのは副作用のリスクだけ・・・といったことにならないよう、自分に必要な成分だけが入った商品を選ぶことをお勧めします。
また、「メントール」などの清涼剤が入った目薬は、使った際に爽快感が得られるため、目薬で眼の乾きを解消するのと合わせて気分転換やリフレッシュ、眠気覚ましを期待したい場合には便利ですが、特にこうした目的がないのであれば、清涼剤の入っていない目薬を選んだ方が、刺激も少なく扱いやすいと思います。
「ドライアイ」は、侮ることなく眼科で相談を
眼の乾きの症状も重くなってくると、「ドライアイ」と診断されることがあります。この「ドライアイ」は、ただの眼の乾きだと侮られがちですが、実は眠りの質が悪化したり4)、自動車運転の際に標識を見落としたりとっさの判断が鈍ったり5)、仕事の労働生産性が低下したり6)と、様々な場面に悪影響を及ぼします。
市販の目薬でケアできるのは、あくまで“眼の乾きを感じる”程度のものです。病院で使われる目薬には、市販の目薬よりも効果の高いドライアイの治療薬がいろいろと揃っているので、症状が長引く、生活に大きな支障をきたすほどの症状がある、といった場合には、眼科を受診して相談するようにしてください。
1) Cochrane Database Syst Rev. 2016 Feb 23;2:CD009729.
2) Curr Med Res Opin . 2007 Nov;23(11):2629-36.
3) Acta Ophthalmol. 2013 Dec;91(8):756-62.
4) Clin Ophthalmol. 2016 Jun 1;10:1015-21.
5) Am J Ophthalmol. 2013 Jul;156(1):184-189.e3.
6) Am J Ophthalmol. 2014 Feb;157(2):294-300.
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