症状別!栄養ドリンクの選び方について~飲み方や注意点も~
- 作成:2022/03/18
普段から栄養ドリンクを飲んでいる方の中には、特にこだわりなく栄養ドリンクを選んでいる方も多いのではないでしょうか。栄養ドリンクと一言でいっても含まれている成分はドリンクによって様々です。 本記事では、症状別に栄養ドリンクの効果的な選び方について解説していきます。なかなか疲れが取れずに悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事の目安時間は6分です
自分に合った栄養ドリンクの選び方
仕事で疲れた日にコンビニやスーパーで栄養ドリンクを買って飲む方は多いでしょう。ただ、特に何も気にせずなんとなく選んでいる方もいるのではないでしょうか。
栄養ドリンクを適切に選ぶには、まずは症状と成分に着目しましょう。症状ごとに身体に必要な成分はそれぞれ異なります。
身体がだるいとき
疲れているときに適切な栄養を摂らなければ、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲン(ブドウ糖が結合した多糖類)が身体を動かすためのエネルギー源となります。
グリコーゲンを使い切ると、身体は体内の脂質やタンパク質を分解してエネルギーを生み出します。その間にこれらの栄養素を補給しなければ、筋肉の消失や疲れにつながります(注1)。
仕事による疲れで体がだるい時にはビタミンB1やB2 B6ニコチン酸ニコチン酸アミドタウリンといったビタミン B 群もおすすめです。
ビタミンB群は体内でエネルギーを作り出す「エネルギー代謝」に欠かせません。糖質や脂質、たんぱく質からエネルギーを生み出すにはビタミンB群のはたらきが非常に重要となります。
そのためビタミンB群が不足すると、十分なエネルギーを生成することができず疲労の原因ともなりえます(注2)。
貧血の症状が表れたとき
女性は月経や妊娠授乳期などに多くの鉄分を使用するため、どうしても体内の鉄分が不足しがちです。
鉄分が体内で不足すると全身の酸素不足につながります。そのような状態になると疲れやすくなるだけでなく、肩こりや寒気、めまいなどの症状が現れることがあります。
今では鉄分を効率的に摂取できるドリンク類も豊富であることから、上記の症状が見られる方はぜひ店舗や薬局で鉄分を補給できる栄養ドリンクを探してみましょう。
風邪をひいたとき
風邪をひくと発熱や咳、鼻水といった様々な症状が現れます。風邪の回復には休養睡眠そして栄養が必要です。
ただ風邪の場合は食欲不振に陥っている場合もあるため、ドリンク剤による栄養補給が効果的です。
風邪を引いた時はビタミンBやビタミンCなどの成分に加えて、滋養強壮に用いられる生薬(ニンジン・ショウキョウなど)を配合したものがおすすめです。
ニンジンは古くから代表的な補気薬のひとつで、消化器や気道粘膜を保護し、粘膜免疫の維持に役立つとされています。
ショウキョウは消化器官の機能を整えることで免疫力を高めます。
寝る前に飲む際は、カフェインの入っていないものを選びましょう。カフェインが入っていると脳が覚醒してしまうためです。
お酒を飲み過ぎたとき
お酒を飲み過ぎによる二日酔いには、タウリンが配合されている栄養ドリンクを選びましょう。
タウリンは大量のアルコールで傷ついた肝機能の働きを正常に整える働きが期待されています(注3)。
栄養ドリンクの注意点
ここでは栄養ドリンクを服用する際の注意点について解説していきます。
栄養ドリンクの中には医薬品に含まれるものもあるため、ジュース感覚で一気に大量に飲むと後から取り返しのつかない事態に陥ることもあります。
普段栄養ドリンクをよく飲んでいる人の中には、もしかすると危ない飲み方をしている方がいるかもしれません。普段から飲み慣れている人こそしっかり確認しましょう。
一気に、そして大量に飲まない
栄養ドリンクは商品によって甘いものや少し酸味があるものなど味の種類が豊富です。ついついジュースのような感覚で一気にたくさん飲みたくなることもあるでしょう。
しかし栄養ドリンクの大量摂取は、ドリンクの主な含有成分であるカフェインによって健康を害することがあります。カフェインを過剰摂取した場合の症状としては、中枢神経系の刺激によるめまいや心拍数の増加、血圧上昇、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等があげられます。
風邪薬と併用しない
風邪薬も栄養ドリンクも身体にとってよいもののように感じます。しかしカフェイン入りの栄養ドリンクと風邪薬の相性は良くありません。
というのも、一般的な市販の風邪薬の中には、栄養ドリンクと同じカフェインが含まれているものがあります。そのため、カフェイン入りの風邪薬とカフェイン入りの栄養ドリンクと一緒に飲んでしまうと、カフェインの量が過剰になってしまい、頭痛、不眠、頻尿、イライラなどの副作用が出る可能性があります。
また、喘息のキサンチン系の薬や、精神系のベンゾジアゼピン系の薬や選択式セロトニン再取り込み阻害薬、胃薬であるシメチジン等、カフェインとの飲み合わせが悪いものがあるため注意が必要です。医薬品と一緒に併用する場合は、薬剤師や医師に相談してから飲むようにしましょう。
カフェイン含有量を忘れずに確認する
栄養ドリンクにはカフェインが含まれているものが多くあります。ただし摂取量には注意が必要です。
カフェインを過剰に摂取すると急性中毒になってしまい、最悪命の危険に繋がります。一般的に健康な成人の1日当たりのカフェイン摂取限度量は300mg〜400mg程度とされています。
コーヒーやお茶だけでも1日の摂取量を超えることがあるため、カフェイン入りの栄養ドリンクを飲む際は必ずカフェイン含有量を確認してから飲むようにしましょう(注4)。
まとめ:疲れを根本的に解消するなら睡眠や食事で
栄養ドリンクはこれから頑張りたいとき、仕事で疲れたときに効果を発揮してくれます。実際にドリンクを選ぶ際は、成分や分類にも注目してみましょう。
しかし栄養ドリンクだけで身体の根本的な疲労を解消することは不可能です。
疲れがとれないからといって栄養ドリンクを常飲しても効果がないどころか、体調が逆に悪化してしまうこともあります。
根本的に疲労を解消するには、睡眠・食事・運動の3つの要素を改善していかなければなりません。
疲れがとれなくて悩んでいる方は、3つのうちどれか1つでも気にかけてみるようにしましょう。
【参考文献】
注1)国立循環器病研究センター.“栄養に関する基礎知識”.
注2)厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』.“ビタミンB12”.
注3)総合南東北病院.“タウリン”.
注4)厚生労働省.“食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A〜カフェインの過剰摂取に注意しましょう〜”.
ココカラクラブ“シーン別にみる栄養ドリンクの選び方と特徴”
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