学校行事もあるのにどうしよう!小学4年生でおねしょ復活…原因は何?対応方法はあるの?
- 作成:2022/05/24
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、小学4年生の子どもが再びおねしょをするようになり、合宿などの学校行事までにはなんとかしてあげたいというお母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
現在小学4年生になる息子が、ここ1週間ほど毎日おねしょをするようになりました。
日中のオムツは5歳で外れたのですが、夜は7歳までオムツをつけていました。その後はしばらくおねしょをすることはなかったのですが、急におねしょをするようになって、何が原因なのか心配しています。来年は学校行事で合宿もありますし、その時までには改善させてあげたいと思います。考えられる原因や対応すべきことがございましたら、教えていただけますでしょうか。
医師の回答
夜尿は御家族も大変ですが、何より本人が気になりますよね。定義としては「一般的に1週間に1回以上のおねしょが続いていれば、夜尿症がある」と診断します。頻度としては5歳で15~20%、10歳で5〜10%、15歳で1〜2%、成人後も0.5%なので、意外と多いことがわかります。
夜尿症の原因は完全に解明されているわけではありません。精神的なストレスとも言われますが、その因果関係ははっきり証明されたわけではありません。また今回のように一度止まっていた夜尿が数ヶ月して再開した場合には、環境の変化やストレスの変化が引き金になっていると言われます。
夜尿の治療としては、まずは環境調整です。カフェインを含む飲み物はやめて、寝る前2〜3時間の水分摂取は避けましょう。寝る前にトイレ行ったかどうかの確認は必要ですね。それでも改善がなければ他の治療法があります。一つはおねしょアラームという訓練法です。寝る前にお子さんのパンツに小さなセンサーをつけパンツが濡れるとアラームが鳴りお子さんを起こす仕組みです。日本では、ちっちコール、ピスコールという名前で売られています。また薬の治療もあります。夜尿症は夜間寝ている間に多尿になっています。その尿量を抑えるために抗利尿ホルモン(デスモプレシン)を内服します。
夜尿症の治療は根気が必要ですが、膀胱も成長の過程で機能が発達して、貯められるおしっこの量も増えていきます。成長と共に治っていくことが多いですが、気になるようであれば信頼できる医療機関に相談してみましょう。
参考文献
日本夜尿症学会. 夜尿症診療ガイドライン2021
小児科医/新生児科医
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医
一般社団法人チャイルドリテラシー協会所属。日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載『コウノドリ』の漫画・ドラマの取材協力。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。
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