仕事にも影響大!花粉症が仕事に与える影響
- 作成:2024/03/13
花粉症を理由に、仕事を休む人はあまりいないかもしれません。しかし、くしゃみや鼻水といったつらい症状が続き、仕事に集中できないという方も多いのではないでしょうか?今回は、ご自身や周囲の同僚の仕事に与える影響を抑えるという観点から、ポイントを整理します。
この記事の目安時間は3分です
無視できない「花粉症によるパフォーマンスの低下」
近年、花粉症が仕事に影響を与え、労働生産性の低下などプレゼンティーズム*を引き起こすことが問題になっています。実際、花粉症に悩むビジネスマン1,032人を対象にアンケートを行った結果、実に9割以上が、「花粉症は仕事のパフォーマンス、すなわち労働生産性にマイナスの影響を与える」と回答しました。特に、年度区切りで業務が集中したり、新しいメンバーも入ったりと何かと忙しいこの時期、スギ花粉の影響は思っているより大きいかもしれません。
この記事をご覧の方も、次のような状況に思い当たりがある方もいるのではないでしょうか。
- 外出先から戻った他の社員が、花粉がついたジャケットを着たまま社内をウロウロし、その人が横を通るとくしゃみが出る
- 換気のためと、昼休みにオフィスの窓を全開にされ、その後涙が止まらない
- クライアント先でプレゼン中にくしゃみが止まらず恥ずかしい思いをした
- 目がかゆくてしょうがないのに仕事の時はメイクをしていて解消できずにイライラ
- 運転中に眠さ、だるさで頭がボー、判断力低下で思わず急ブレーキ!(ヒヤリ)
*WHO(世界保健機関)によって提唱された健康問題に起因したパフォーマンスの損失を表す指標です。プレゼンティーズムとは、欠勤にはいたっておらず勤怠管理上は表に出てこないが、健康問題が理由で生産性が低下 している状態のことを表します。
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意外と多い花粉症
花粉症にかかる人は年々増えています。最近の全国調査では、約4割が花粉症と報告されており、東京都内では約2人に1人が花粉症と言われています。気付いていないだけで、同じ職場のあの人も、実は花粉症なのかもしれません。
花粉症の人のために、周囲の人ができること
花粉症ではない方が花粉症に困っている人のためにできることを挙げてみました。
1. 室内へ花粉を持ち込まない
外から帰ったときは、全身に花粉が付着している状態です。上着や頭などをよくはらってから室内に入り、コートや上着は花粉症の人から離れた場所に置くようにします。また、タバコの煙でくしゃみ、鼻水の発作が出るなど花粉症の症状が悪化してしまうことがあるため、喫煙者の方は配慮が必要です。
2. いきなり窓を開けない
感染症対策として換気は重要ですが、いきなり、窓を開け放つのではなく、周囲の人に一声かけてから、窓を短時間、全開ではなく細めの隙間で開けるなどの工夫をしましょう。
3. 心ない言葉は口にしない
「花粉症なんて気合いで治る」「怠けている」「コロナじゃないの?」などと言ってしまったことはありませんか?周囲の誤解や知識不足で、花粉症の人が傷ついたり、肩身が狭い思いをしたりしているケースがたくさんあります。同じ職場で働く仲間だからこそ、花粉症の症状は人それぞれで、当事者はつらい思いをしているのだということを理解してあげましょう。
4. 理解を示す
同僚に対して、いつも出ているパフォーマンスが出てないなと感じるときは、本人が困っている可能性もあります。「症状で困ってない?」「つらい時は言ってね」「病院行った方がいい時があれば、この会議は出ておくから行ってきていいよ」など、本人がSOSを出しやすい声がけをすることや、あたたかく見守ることも職場の皆さんでできることのひとつです。
花粉症のあなたができること
職務や職場環境は個々人で違ってきますが、仕事への影響は、皆さん少なからずありますよね。最初に挙げた例の中にもあるように、「周囲の行動」によって仕事中に症状が出てしまったことはありませんか。
「花粉症なので、社内換気の窓開けは全開ではなく少しに、そして短時間にしてもらえませんか?」
「会社に戻ったら、入室前に服や髪の毛を払ってもらえると嬉しいのですが...」と、伝えてみませんか?
または、「窓を開けたり、服についた花粉を吸ったりするだけでもくしゃみが出てしまって...」と、状況や症状を共有するなど、普段から体調について相談しやすい雰囲気づくりを積み重ねておくこともおすすめです。
チームメンバーとの連携という観点では、「最近症状が辛く、病院に行かせてください」「本日こういった薬を飲んでいるので、午前中は集中力が下がるかもしれません」などとご自身の状況をチームへ伝えることで、周りも配慮しやすくなるのではないでしょうか。
花粉症ではない人にとって、何が花粉症の人にとって困ることなのかは、なかなか分かりにくいことです。勇気を出して声にしてみることも、皆さんの花粉症マネジメントの一環です。周りの花粉症仲間に相談するのも一つの手。働きやすい環境づくりのきっかけをつくってみましょう。
監修:秋葉原駅クリニック 日本アレルギー学会専門医、医学博士 佐々木 欧 医師
出典:荻野 敏 他:診療と新薬 47(8):751, 2010
鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-2020年版(改訂第9版).第2章 疫学.pp.9-11,(株)ライフサイエンス,2020
健康経営オフィスレポート.2 健康経営オフィスの考え方.p.7,経済産業省.
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