守って、払って、洗って!花粉をとことん避ける方法をご紹介

  • 作成:2025/02/20

花粉症の原因が花粉であるというのは、はっきりと分かっていることです。 そのため、花粉症の症状を少しでも抑えるためには、花粉をいかに「避けて」「持ち込まない」かということが非常に大切です。 外に出る時も、家の中で過ごす時にでもちょっとした工夫でつらさが大きく変わってくることがあります。 今日からぜひ実践してみましょう!

この記事の目安時間は6分です

守って、払って、洗って!花粉をとことん避ける方法をご紹介

顔にフィットするメガネとマスクをつける

外出する際は、顔にフィットするメガネとマスクをすることで、花粉を吸い込む量を減らすことができます。
マスクをつける際には鼻と口を覆い、鼻や頬の部分に隙間ができないよう調整しましょう。
ある実験では、通常のマスクでも花粉を70%程度、花粉症用のマスクではおよそ84%の花粉を減少させる効果があったそうです。
メガネも、通常のメガネを使用した場合、目に入る花粉の量は40%減って、防御カバーのついた花粉症用のメガネでは65%減少するという結果だったそうです。

結果からも分かるように、一番は花粉症用のメガネとマスクを付けることが望ましいですが、通常のメガネとマスクでも何も身に着けないよりは効果があります。
ただ、症状が酷い方は花粉症用のマスクや眼鏡を使うことをおすすめします。

いろいろな製品がありますが、マスクは布よりも不織布の方が目が細かく花粉を通しにくいです。
コンタクトレンズは装着することによる刺激が花粉症の目の症状を悪化させる可能性があります。
目のかゆみなどの症状が強い人はメガネで過ごすことをおすすめします。

インナーマスクを活用しましょう

また、マスクの内側に丸めた化粧用コットンとガーゼをあてるなど「インナーマスク」をするだけで効果が上がるとも言われています。
「 花粉症環境保健マニュアル2022」(環境省)によると、インナーマスクをすることで99%の花粉をカットできる可能性があるそうです。

【インナーマスクの作成方法】
①ガーゼを縦横10cm程度に切り、2枚用意する
②化粧用のコットンを丸めて1枚のガーゼでくるむ
③市販の不織布のマスクにもう1枚のガーゼを4つ折りにしてあてる
④鼻の下にガーゼでくるんだコットン(インナーマスク)を置く
⑤③のガーゼをあてたマスクを装着する
⑥息が苦しい場合はコットンの厚さを半分にする

花粉が付きやすいウールの衣類は避けましょう

花粉が肌についてしまうと刺激になって皮膚炎になってしまう可能性があります。
花粉症シーズンは、肌の露出を減らすように意識しましょう。
また、服の素材によっても花粉の付きやすさが変わってきます。
一般的にウール製の衣服は木綿やポリエステルなどに比べて花粉が約6~10倍付着しやすいといわれています。
花粉症のシーズン中はウール素材の衣類を身に着けるのを避けることをおすすめします。
ウール素材以外の 帽子やマフラー、スカーフで頭髪や首元を守るとより安心です。

帰宅後は洗って、払って花粉を除去しましょう

外から帰宅した後は、衣類や持ち物、体に付いた花粉を払いましょう。
玄関前で服や帽子などの小物、カバンについた花粉を手で上から下に払い落すことを習慣にしたいですね。
さらにしっかり花粉を取りたい時は、粘着テープを使うといいでしょう。

花粉を払ったあとは、帰宅後すぐに洗面台で手洗いをしてください。花粉のついた手で無意識に目をこすると、かゆくなることがあるためです。
そのほか、花粉症の悪化を防ぐために、下記の対策も取り入れてみてはいかがでしょうか。
体に花粉がついたままにしないことが大切です。

  • 手洗い・うがいに加えて、丁寧に顔も洗う(もしくはシャワーを浴びる)
  • 生理食塩水(食塩を0.9%の濃度に溶かした蒸留水)を体温程度に温めて鼻うがいをする
  • 市販の人工涙液で目を洗う
  • 目元専用シャンプーや目元ふき取りシートでまつ毛の周りをきれいに洗う

シーズン中の暮らし

窓を開けて部屋を換気する時は、レースのカーテンをすることで花粉が入ってくる量を4分の1程度に減らすことができます。
床やカーテンの洗濯や掃除をいつも以上に意識して行いましょう。
24時間換気システムが設置されている場合は、花粉症に対応した通気口フィルターを使ってみるのもおすすめです。

他にも...

  • 空気の入れ替えで窓を開ける時は窓を開ける幅を狭くし、短時間で済ませる
  • 服などについて家の中に持ち込まれた花粉を除くため、掃除をこまめにする
  • 洗濯物は外に干さず、室内干しや乾燥機で乾かす
  • 布団乾燥機や空気清浄機を使う
  • 加湿器を使い、室内での花粉の飛散を防ぐ。同時に鼻やのどの乾燥も防ぐ

花粉症対策製品を選ぶ時の心強い判断材料、『JAPOC認証マーク』

良い花粉症対策製品を選ぶ際は「JAPOC認証マーク」を判断材料にするのも一つの方法です。
JAPOC認証マークは、「花粉問題対策事業者協議会」が定めた基準をクリアした製品につけられています。優れた花粉対策性能があり、かつ使い勝手が良い製品を認証するマークです。

マスクは「花粉の通過が少ないこと」と「息苦しくなりにくいこと」、空気清浄機は「花粉除去性能が高いこと」と「騒音が大きくないこと」など、製品ごとにそれぞれ認証基準が設けられています。
空気清浄機・マスク・メガネ・網戸・衣服・換気扇の 6ジャンルを認証しており(2025年2月時点)、花粉症対策製品を選ぶ時の心強い味方になってくれるでしょう。

今日から実践!職場でできる対策

花粉症の症状がひどいと、仕事に集中できず生産性が大きく下がってしまいます。
思うように仕事が進まない、ぼんやりして忘れ物が増えてしまったなどということをできるだけ防ぐためにも、今日から対策を始めていきましょう!

  • 通勤時はメガネ、マスクで目や鼻を守りつつ、可能なら帽子をかぶったり髪を束ねたりして、花粉が顔や髪の毛につくのを防ぐ
  • 職場についたら手洗い、うがいをする
  • 上着は玄関で脱ぎ、花粉を払い落す
  • 粘着クリーナーで服の花粉をとる
  • 何度も鼻をかむ時は、鼻が荒れるのを防止するために白色ワセリンなどで保湿する
  • パソコン業務を行っている時は、 1時間ごとに休憩を入れてドライアイ対策をする
  • 職場にいる時間に薬を飲む必要があれば忘れずに持っていく

もし職場で相談ができるようなら、

  • 花粉症のシーズン中はリモートワークにする
  • 空気清浄機や加湿器の近くで仕事をする
  • できるだけ窓は開けず、換気が必要な場合は午前中に短時間で済ませる

といったことも花粉症の対策になります。

自分で取り入れられる対策は積極的に行い、抑えられない症状は医師に相談し、花粉症シーズン中も楽しく過ごしていきましょう!

参考文献:
政府の花粉症対策3本柱
令和6年度スギ雄花花芽調査の結果等について
環境省花粉情報サイト
花粉問題対策事業者協議会
花粉症環境保健マニュアル2022

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