いすに座っているのもつらかった…重い月経(生理)痛が、5種類の治療を経て改善するまで

  • 作成:2024/09/11

月経困難症は、症状が重くなると学業や仕事など、日常生活に大きな影響を与えます。20代前半のAさんも初経以降ずっと腹痛や吐き気などに悩まされてきました。しかし、婦人科に通院し、医師と相談しながら自分に合った治療法にたどり着いた結果、現在はだいぶ落ち着いてきたそうです。

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いすに座っているのもつらかった…重い月経(生理)痛が、5種類の治療を経て改善するまで

母の勧めで婦人科受診。腹部エコーと問診だけで済んだ

婦人科を受診される前、月経にともなう症状はどのようなものでしたか?

おなかや腰の痛みは、小学校5年生で初経を迎えてからずっとありました。重くてにぶい痛みはずっとありながら、時折キーンというするどい痛みも感じて、けっこう波がありました。痛みに加えて、全身の倦怠感や吐き気、嘔吐もあり、月経(生理)期間中はいすに座っているのもつらかったです。うずくまったり、横たわったりしていないと耐え難くて、学校を休むこともありました。

病院はどのような経緯で受診されたのでしょうか?

私の様子を見ていた母が、「大変だね」と気づいてくれました。初めて婦人科を受診したのは12歳、中学校1年生のときです。母が通っている婦人科に、いっしょに行きました。子どもながらに、待合室で周りの人の目が気になったことを、今でも覚えています。

ただ、医師はとても親切で、わかりやすく説明してくれました。まだ中学生だったので、内診も経腟エコーもせず、おなかの上からのエコーと問診だけでした。この時点では、はっきり「月経困難症」と診断されたわけではないのですが、鎮痛剤(痛み止め)と胃薬で様子をみることになりました。胃薬は、鎮痛剤の副作用で胃が荒れるのを防ぐためです。

卵巣の異常が見つかり、使用する薬を変更

治療の効果はいかがでしたか?

病院で処方された鎮痛剤は、市販のものより少し効果が高かったような気がします。痛みは、ある程度抑えられました。ただ、吐き気などの症状は続いていたので、通院を継続している中で、吐き気止めの薬を追加してもらいました。

通院を始めて何年かたったころに「月経困難症」と診断され、鎮痛剤や吐き気止めのほかにもいくつかの薬を試しました。高校生のころに鎮痙薬(ちんけいやく)※や漢方薬を使用し、しばらく続けていましたが、あまり効果が得られなかったのでやめました。

社会人になってからは、保険適用の低用量ピルを始めました。しかし、こちらも体に合わず中断し、現在は黄体ホルモン製剤を使用しています。黄体ホルモン製剤になったのは、卵巣に良性腫瘍が見つかったからという理由もあります。悪いものではないので、このまま黄体ホルモン製剤で治療を進めましょうと、医師から聞いています。

※……痙攣を抑える薬。子宮の過度な収縮を抑え、月経困難症に有効な場合もある。

月経の悩みから解放され、温泉を楽しめるように!

定期的に婦人科を受診していたからこそ、卵巣の異常が見つかったのですね。現在はどのような症状ですか?

今は薬で排卵を止めているので、基本的には月経がなく、月経困難症のつらさからはほぼ解放されました。月経痛などで仕事を休むこともありません。

ただ、年に1回、薬を休む周期があり、そのときは月経のような出血と、月経痛のような痛みがあります。それはやはりつらく、婦人科で処方してもらっている鎮痛剤でしのいでいます。それでも、がまんできる程度にまでは改善しているので、治療に対して満足しています。

これから受診を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。

なるべくがまんをしないことが大切だと思っています。鎮痛剤でやり過ごすこともできるかもしれませんが、卵巣の腫瘍などは自分ではなかなか気づけません。おなかの痛みや張りなども、治療が必要なのかどうかは受診してみないとわからないと思います。

まずは1回受診してみると、今よりもっと生活が楽になるかもしれません。実際、私は効果を実感しています。月経に関する悩みがほぼなくなったので、最近は温泉なども楽しめるようになりました。

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