手足口病で仕事はOK?大人はどう予防する?子供や職場に要注意?
- 作成:2015/09/28
大人でも手足口病になることがありますが、仕事へいってよいのか疑問を持つ方も多いと思います。まったく休まなくてよいとは言えませんが、症状がおさまれば可能といえます。手足口病の大人向けの予防方法も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
大人の手足口病 「仕事は可能」だが
大人が手足口病にかかってしまったときに、職場などで最も注意するべき点は、周囲の人への感染を防ぐということです。手足口病はウイルスによって引き起こされる感染症で、くしゃみや咳などを介して他の人にうつります(飛沫感染)。他にも、ウイルスのついた物を触ることでも感染してしまいます(接触感染)ので、無意識にウイルスを拡散してしまう危険性は多分にあります。
しかし、手足口病の原因となるウイルスは感染力が弱いため、手洗いうがいや咳のマナー、マスクの着用、咳・くしゃみの時も口元をハンカチなどで覆うなどを徹底していれば感染のリスクを大幅に減らすことができます。そのため、このような標準的な予防策をとっていれば、手足口病を発症しても、基本的には出勤することが可能です。
仕事ができるからといって、まったく休まなくて良いというわけでもありません。重症化を避けるために、出勤するのは少なくとも熱が下がって動けるようになってからにしましょう。発症により身体全体が弱っている状態ですので、無理のない範囲に留めてください。できることならば、出勤の可否は、事前に会社や医師らと相談したほうが無難です。
飲食業、営業の方は要注意
基本的には症状が治まって、感染防止の対策をとれば「出勤可能」といえますが、飲食業などの食品を扱う仕事や、多くの人と直に接する受付業務、営業などの場合は特に気を付けなければいけません。抵抗力の弱っている人や、妊婦、年配の方などは、手足口病の原因となるウイルスに感染する可能性が高くなります。大規模な感染拡大を防ぐため、二次感染の予防には細心の注意を払いましょう。
また、自分が感染したと判明したら、会社だけでなく、家族も含めて、周囲の人と可能な限り接触しないようにすることも必要です。手足口病は基本的に軽症とされていますが、同居する子供や、胎児への影響の可能性が心配されている妊婦などへの感染には十分に配慮しましょう。
「症状がなくても他人にうつす」点も注意
大人の場合、手足口病のウイルスに感染しても、症状がでない「不顕性感染」となる可能性もあります。「発症していないから自分は大丈夫」という考えでいると、周囲に感染させる結果を招きかねません。「子供が感染した」「知り合いが発症した」という話があった場合は、自分が不顕性感染を起こしている可能性も考えて、日ごろちょっとした心がけを実行することが感染拡大の予防につながります。
大人の手足口病の予防方法
手足口病にかからないにこしたことはありません。手足口病は、感染しても症状が出にくい大人が日ごろから注意する点は、石けんを使った手洗い、うがい、マスク着用、消毒、感染者が触れたドアノブ、おもちゃ、食器などを消毒するといった習慣を身につけておくことです。なお手足口病のワクチンは、2016年の時点で、開発されていませんので、ワクチンによる感染予防は期待できません。
子供、家族、職場で患者が出た際の予防方法
子供が手足口病になった場合は、おむつ交換のときは、ビニール手袋を使うなどして排泄物に触れないようにしましょう。また、おむつ交換後は、早めに石けんと流水で十分手を洗いましょう。おむつを捨てるときはウイルスが飛び散らないようにビニール袋などで密封してから捨てましょう。衣類についた便は素早く取り除き、熱湯で消毒し、他の衣類とは分けて洗濯するなどの方法があります。
子供を含めて、家族がかかった時の予防方法としては、手足口病にかかった人と同じタオルを使わない、食事のときに同じ食器や箸を使わないなどの対策も必要です。手足口病の症状が消滅した後でも、体内にウイルスが残っている場合が多くあり、呼吸器からは1週間から3週間、便からは2週間から4週間、ウイルスが排出され続けていることは覚えておきましょう。
職場で手足口病の患者が出たら、マスクの使用で咳やくしゃみで飛び散るウイルスを吸い込まないようにしたり、こまめなうがいと手洗いでウイルスを洗い落とすように心がけ、ウイルスを体の中に入れないことが大切です。
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手足口病の際の仕事の可否や注意点、大人の予防法をご紹介しました。子供が手足口病になり、不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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