悪影響がある薬の飲み合わせ お茶、コーヒー、牛乳はダメ?グレープフルーツなどの食品も要注意?
- 作成:2015/12/24
薬は、薬同士、もしくは飲み物や食べ物との組み合わせによって、効果が強くなったり、弱くなったりすることがあります。基本的には薬は水で飲むようにするほか、服用している薬があって、また病院にかかる時には、何の薬を飲んでいるか、医師に伝えるようにしましょう。まれに、重大な問題が起こることもあります。
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薬同士の飲み合わせが悪い、相互作用
薬同士の飲み合わせが悪いと作用を強めてしまうことも弱めてしまうこともあります。薬の作用が強いと副作用が強く出る可能性があり、逆に弱いと病気が治りづらくなることがあります。相互作用が起きる仕組みにはいくつかあり、薬が吸収される過程、薬が運ばれる過程、薬が分解される過程、薬が排泄される過程それぞれで相互作用が起きる可能性があります。
薬は内服した後に、食道から胃、腸を通って吸収されていきます。吸収が悪いと薬の効果が減って弱くなり、吸収が良いと副作用や中毒症状が出ます。薬が運ばれる過程とは、血管の中を「アルブミン」と呼ばれるタンパク質と結合したり離れたりしながら、目的の場所や部位へ薬が移動する過程のことです。アルブミンとの結合率の違いが薬の効果に影響します。また、薬は効果を発揮した後、肝臓で代謝(体の安価で起こる化学変化などのこと)され、腎臓から排泄されるのでこれらの過程で異常が起きても薬の効果が増強または減弱する可能性があります。
どの過程でも問題なく通過できるように、すでに分かっている飲み合わせの悪い組み合わせは処方しないように決められており、薬剤師によってチェックされています。ただし、医師の処方が不要なドラッグストアなどで購入できる市販薬と、病院から処方される薬の飲み合わせが悪いこともあるので、医師には事前に内服しているものがあれば提示するようにしましょう。
代表的な相互作用とその影響
先ほど挙げたように薬の相互作用は、大きく分けて4つの過程で起きる可能性があります。代表的なものをそれぞれ挙げると、尿路感染症などに使われる「ニューキノロン系」と呼ばれる抗菌薬と胃の制酸薬(胃酸を中和する効果があります)を同時に内服すると、抗菌薬の吸収が悪くなることがわかっています。
また血管内のアルブミンと結合しやすい「ワーファリン」(血液が固まらないようにする薬)は、同じようにアルブミンと結合しやすい消炎鎮痛薬の「アスピリン」と内服すると効果が増強され、出血しやすくなる可能性があります。抗がん剤と抗ウィルス剤を同時に内服すると、肝臓での薬の代謝が低下し、抗がん剤の効果が過剰に発現してしまい、がん以外の細胞も攻撃してしまい副作用が出てしまいます。糖尿病治療薬である「クロルプロパミド」は、痛風治療薬の「プロベネシド」と内服するとクロルプロパミドが尿中へ排泄されづらくなり、低血糖を起こす可能性があります。このように薬の相互作用は多様ですので、医師に飲んでいる薬を伝えることが重要になってきます。
お茶、コーヒー、牛乳で飲んでよい?
薬は決められた量を決められた時に飲まなければ、期待する効果が得られません。また、飲むときにはお茶やコーヒー、アルコール、牛乳などではなく、コップ1杯の水が最も適していると考えられています。その理由は、水以外の飲み物に含まれている特定の成分のために効果が増大または減弱し、期待している薬の効果が出ない可能性があるからです。具体的には抗うつ薬(センタクテキセロトニン再取り込み阻害剤)や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系薬)などと、カフェインが含まれるお茶やコーヒーを飲むと、神経過敏やいらいら、不眠などの症状を強くすると言われています。また、牛乳にはカルシウムが含まれているためニューキノロン系や「テトラサイクリン系」と呼ばれるなどの一部の抗菌薬と結合してしまい薬の効果を十分に発揮できなくなる可能性があります。睡眠薬とアルコールも一緒に飲んでしまうと睡眠薬の効果が増強されるので注意しましょう。
グレープフルーツがだめな場合も、代表的な飲み合わせの悪い食品
薬同士だけでなく、薬と一緒に食べると薬の効果が増強、または減弱する食品もあります。代表的なものは、一部の降圧薬(血圧の薬)とグレープフルーツ、抗結核薬とマグロやチーズ、血液をさらさらにするワーファリンと納豆や青汁、抗生物質とヨーグルトなどです。グレープフルーツやグレープフルーツジュースに含まれている成分が肝臓での薬の代謝を阻害するので、薬が分解されないため血液中の濃度が過度に上昇し副作用が出ることがあります。主にカルシウム拮抗薬と呼ばれる降圧薬や脂質異常症治療薬、抗てんかん薬などが、グレープフルーツと一緒に内服してはいけない薬剤になります。納豆や青汁にはビタミンKが豊富に含まれているので、抗血栓薬であるワーファリンを内服している時に食べると、薬の効果が減弱し、血液凝固が起こりやすくなるので要注意です。
薬の飲み合わせについて、ご紹介しました。薬の飲み合わせに不安を感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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