脂漏性皮膚炎(湿疹)に市販薬、漢方薬は効く?ケトコナゾールが良い?

  • 作成:2016/01/04

脂漏性皮膚炎では、市販のシャンプーや石鹸などで、効果が出る場合があります。脂漏性皮膚炎に効く、ステロイドを含む薬は市販されており、薬局などで入手可能です。ケトコナゾールが売っているか、具体的にどのような商品を選んだら良いのかや、漢方薬の扱い方などについて、医師の監修記事でわかりやすく解説します。

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市販薬が効く場合もあるが

市販薬として、頭皮のフケやかゆみを抑える効果のあるシャンプーが市販されています。現在、脂漏性皮膚炎に効果を発揮することが証明されている抗真菌剤は、「イミダゾール」という系統の抗真菌剤であるニゾラール(ケトコナゾールとも言います)ですが、市販薬ではなく処方が必要となっています。

市販薬はどんなもの?

市販されているのは抗菌効果のある成分が配合された製品で、シャンプーであれば薬用シャンプー、洗顔料であれば薬用石鹸などが該当します。シャンプーは抗真菌成分である「ミコナゾール硫酸塩」が配合されているものが多く出ています。イミダゾール系統の抗真菌剤であるケトコナゾールやミコナゾールは真菌(カビ)の細胞膜を構成するエルゴステロールの合成を抑制し、真菌の増殖を抑える働きを持っています。

ミコナゾールという成分は、皮膚真菌症の治療薬として30年以上の歴史があり、「カンジダ症」「白癬」「タムシ」「水虫」などといった病気に対して、効果を発揮します。一般に、脂漏性皮膚炎の方が市販のミコナゾール成分配合のシャンプーを使用した場合、症状が改善する場合が多いとされています。

現在、抗菌薬の塗り薬やミコナゾール成分配合のシャンプーは、薬局、ドラッグストアあるいはインターネットで購入することができます。ただし、抗菌薬といっても種類は多く、成分が効果を発揮する菌の種類も様々ですので、「抗菌と書かれているならどれでもよい」と自己判断せず、まずは使用前に医師あるいは薬剤師に相談してください。

皮膚のかゆみを抑える抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤(どちらも飲み薬)も薬局で市販されていますが、脂漏性皮膚炎専用の薬ではありません。炎症を抑えるステロイド系の塗り薬も市販されており脂漏性皮膚炎の炎症を和らげますが、塗ると悪化する皮膚の病気もありますので注意が必要です。また、皮脂分泌を抑える効果があるとされるビタミンB群そしてビタミンCを補うためのサプリメントは補助的なものと考えてください。

漢方薬利用は医師に相談を

漢方薬は、個人に合わせて調合され、継続的な体質改善や体調を整えることを目的とするもので、すべての方に漢方薬が効くというわけではありません。脂漏性皮膚炎が漢方薬で改善したという症例報告はありますが、実際に薬に効果があることを証明する「臨床試験」はなされていません。したがって漢方薬利用については信頼できる医師や漢方薬局の専門家に相談し、自分の症状と期待される効果を確認してから、使用するかどうか判断してください。

脂漏性皮膚炎の市販薬と漢方薬についてご紹介しました。もしかして脂漏性皮膚炎かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?

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