頭皮の脂漏性皮膚炎(発疹) どんな薬?シャンプーの選び方は?
- 作成:2016/02/16
頭は脂漏性皮膚炎が起きやすいところとされています。シャンプーにも一定の効果がありますが、洗いすぎや、すすぎ残しがあると、悪化につながる可能性があるので、注意が必要です。頭の脂漏性皮膚炎について、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
頭皮は症状が出やすい
「脂漏」とは皮脂が過剰に出ている状態で、そのために炎症を起こすのが「脂漏性皮膚炎」です。脂漏性皮膚炎が起こりやすいのは皮脂の分泌の多い場所で、中でも頭皮は症状の出やすいところです。
頭皮の中でも特に額から髪の生えぎわに生じることが多く、炎症を起こすと皮膚が赤くなり、油っぽい黄色い皮膚片が落ちるようになります。頭皮では炎症の症状はあまり目立ちませんが、皮膚片が落ちる、いわゆる「フケ症」の症状が出ます。このため周りに不快感を与えるのではないかと気にしがちになり、精神的にもよくありません。脂漏性皮膚炎は、女性より男性のほうがやや多く、60歳代後半から70歳代で最も多く見られます。
脂漏性皮膚炎には「マラセチア」と呼ばれる菌が関わっているとされています。この菌は日ごろから私たちの体に住みついていますが、皮脂を好み、体質やストレス、寝不足などが原因で免疫力が低下すると増殖し、炎症を悪化させるとされます。またスキンケアや生活習慣、空気の乾燥なども関わっていると考えられます。
清潔が第一、塗り薬が一般的
脂漏性皮膚炎は体質が関わっていることも多いため、一度症状が治まっても再発しやすい疾患です。したがって日常的に良い状態を保てるようにケアする必要があります。まずは頭皮を清潔に保つことが第一です。これには皮膚炎に関与しているマラセチア菌の増殖を抑える成分を配合したシャンプーが有効なことがあります。また病院では「ケトコナゾール」と呼ばれる抗菌薬を含む塗り薬が処方されます。しかし炎症がひどい場合には、シャンプーや治療薬に含まれる抗菌剤の成分が皮膚への刺激となって、皮膚炎が悪化してしまうことがあるということに注意してください。
したがって皮膚の状態が悪い場合には、まずステロイド薬で治療を開始することになります。その場合ステロイド外用剤は長期間にわたって毎日塗ると、塗った部分に副作用が出ることがありますから、様子を見ながら、治療方法を切り替えていくことになります。
抗菌剤を含む市販シャンプーもある
脂漏性皮膚炎は完治しにくい病気ですから、良くなった時にはなるべく再発させないよう日ごろから自分でケアする必要があります。一番大切なのは頭皮を清潔に保つことです。頭皮は皮脂の分泌が多いこともありシャンプーは欠かせません。きちんとシャンプーをしているのに症状に改善が見られないという方は、洗髪剤を見直してみましょう。
脂漏性皮膚炎は、マラセチアと呼ばれる菌が過剰に増殖することが関係しているとされています。菌の増殖を抑えるための抗菌剤を含むシャンプーが市販されています。有効成分は「ミコナゾール硝酸塩」「ピロクトンオラミン」「ジンクピリチオン」と呼ばれるものですので、これらの成分を含むシャンプー液を使うと良いでしょう。また、抗菌剤を含む洗顔料や石鹸も市販されていますので、顔にも症状が出ている場合は合わせて使うとよいでしょう。
シャンプーの使い過ぎには注意
頭皮は体の中でも皮脂の分泌が多い場所で、そのため皮脂を好む菌が増殖しやすい場所です。清潔に保つためにはシャンプーが欠かせませんが、シャンプー液は皮脂の洗浄力が強く、使いすぎたりすると皮膚炎を悪化させる恐れがあります。洗髪後は丁寧に洗い流すようにして、シャンプー液が頭皮に残らないようにしましょう。
シャンプーの後、リンスやコンディショナーをされる方も多いかと思います。リンスやコンディショナーはもともと頭皮につけるものではなく、毛髪につけて毛髪を健やかに保つための製品です。リンスなどの液は毛髪に残留するように設計されているため、頭皮に付着して残ったままになった場合、皮膚を刺激することがあります。リンスやコンディショナーを使う方は、髪の毛先にだけ付けるようにして、頭皮に直接付けないようにしましょう。またリンスやコンディショナーの液が皮膚についたところは十分に洗い流すように気を付けましょう。
シャンプー後に保湿が必要?
洗髪後は髪の毛をドライヤーでよく乾かし、頭皮に処方された塗り薬をつけます。頭皮は水分量が多く比較的うるおっていますので、特にそれ以上の保湿は必要ありません。またワックスやムースなどの整髪剤は皮膚炎を悪化させやすいので、皮膚炎のある間は使わないようにしましょう。
頭の脂漏性皮膚炎についてご紹介しました。もしかして頭の脂漏性皮膚炎かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。
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