接触性皮膚炎の薬と注意点 ステロイド?市販薬、漢方薬はある?
- 作成:2016/05/10
接触性皮膚炎の場合、原因となっている物質との接触を絶ったあと、ステロイド剤が有効になります。ただ、ステロイド剤は、水虫などの感染症を悪化させrます。漢方薬の可否も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
接触性皮膚炎の処方薬
軽い刺激性の接触性皮膚炎は皮膚を保護しているうちに治ることがあります。しかし接触性皮膚炎の多くはアレルギー性です。アレルギー性の接触性皮膚炎の治療で最も大切なことは、アレルギーの原因となっている物質との接触を断つことですが、その次のステップは、アレルギー反応を起こしている白血球の「暴走」を抑えていくことです。それに最も適した薬剤はステロイド剤です。「タクロリムス(プロトピック)軟膏」というものも炎症を抑える働きがありますが、塗った時に刺激感があります。また、健康保険の適応はアトピー性皮膚炎のみとなっていますので、保険が使えませんので、自己負担が増えます。
非常に激しい炎症が起こっている時にはステロイド剤を内服する(飲む)ことが必要なこともありますが、通常は皮膚にステロイド剤を塗ることによって治療します。ステロイド剤の使用をためらっていると炎症が長引いて、治った後に炎症後の色素沈着が目立つという結果になりがちです。
ステロイドの副作用
ステロイド剤をしっかり塗るにはその副作用について知っておくことが必要です。接触性皮膚炎の治療では原因となる物質との接触を断つことができた場合は、ステロイド剤の使用は短期間となりますから、短期使用での副作用について考えればよいこととなります。まず、ステロイド剤は感染症を悪化させるということに気をつけてください。じくじくしている時には、接触性皮膚炎に加えて、細菌感染を併発していることがあります。ステロイド剤を塗ると細菌感染は悪化します。
他にも、単純ヘルペスや白癬(みずむし)などの併発もありえますので、ステロイド剤を塗って数日様子を見るなかで、症状が悪化した場合は使用を中止して、早めに医療機関を受診しましょう。
ステロイドは市販薬?
ステロイド剤は市販されており薬局で購入することが可能です。強い炎症がある場合は、効果の弱い薬を塗っても改善は見込めないので、強力なステロイド剤を用いるべきと考えられます。しかし、診断が間違っていて、接触性皮膚炎ではなくて、別の感染症であった場合、強いステロイド剤ほど悪化の程度が大きくなりますので、注意が必要です。
接触性皮膚炎に効く漢方薬がある?
炎症を起こしている皮膚はそこにつくものにアレルギーを起こしやすい状態になっています。したがって接触性皮膚炎に保湿クリームや漢方薬の塗り薬などを塗っていると炎症が治まらないだけではなく、かえって接触性皮膚炎をおこして症状が悪化することがあります。症状が悪化する場合や、自分で原因が思い当たらない場合などは、医療機関に相談するようにしましょう。
接触性皮膚炎の薬についてご紹介しました。皮膚の症状に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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