子宮筋腫の大きさ 2キロ超の場合も 大きさと症状は比例?
- 作成:2016/02/01
子宮筋腫は2キロ以上になることもある良性腫瘍です。良性腫瘍のため、治療しないケースもありますが、、まれに「子宮肉腫」と呼ばれるがんの1種もあります。子宮筋腫の大きさについて、サイズと症状の関係も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
重さ2キロに達する子宮筋腫もある
子宮筋腫は良性腫瘍なので命に関わるものではありませんが、筋腫ができる場所や大きさによって現れる症状も様々です。子宮筋腫は小さなものではわずか数ミリから数センチですが、大きなものでは10センチを軽く超え、重さも10キロに達するものもあり、一様にこれが子宮筋腫だと言える形はありません。
また、大きなものほど症状が大きく現れそうなものですが、子宮筋腫の場合、大きくても症状が出ないこともあれば、小さいのに顕著な症状が出るよケースもあり、大きさで症状の重さを判断する事ができないのも特徴の1つです。この子宮筋腫を考える際に重要なのは、その大きさよりも腫瘍ができる場所です。
子宮筋腫は筋腫ができる場所によって、大きく3種類あります。まず、子宮を形作る筋肉の層の外側にできる「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」、次に筋肉の内側で大きくなる「筋層内筋腫」、そして子宮の内側に向かってできる「粘膜下筋腫」です。子宮の外・中・内側でわけられていると理解していれば良いでしょう。
最も大きくなりやすいのが外側にできる漿膜下筋腫で、症状が出ないまま気づかれずに肥大化します。逆に、小さくても症状が出やすいためにすぐ気付かれるのが子宮の内側にできる粘膜下筋腫です。どれも生死に関わることのない良性腫瘍なので、大きくなっていても危険がなければ治療をしないケースもあります。
長引く月経などがサイン
子宮筋腫の症状として最も多いのが、月経時の違和感です。例えば、月経がいつもより長く続くようになったり、痛みがいつもよりひどかったり、出血が多くて貧血になったりすると子宮筋腫の可能性があります。また、腫瘍が大きくなってくると月経異常以外にも、尿が出にくいとか、逆に尿の出る回数が多いとか、便秘や腰痛などが起こります。
これらの症状が出ても他の病気の可能性もあり、明らかに子宮筋腫だと分かる症状はないため、病院に行って診断を受けるまでは原因はわかりませんので、早めに検査してもらいましょう。
手術を選ぶか、薬を選ぶか。治療法は?
子宮筋腫だと分かった場合、治療するかどうかを考えることになります。子宮筋腫は閉経後に小さくなることがあるため、大した症状がない場合は経過観察で様子を見ることもあるでしょう。しかし、症状が無視できず、治療することになった場合は、手術や薬物療法かを選ぶことになります。
手術の場合は、腫瘍のみの摘出か子宮全摘出。薬物療法の場合は、女性ホルモンを抑える薬で腫瘍を小さくしたり、ピルを飲んで症状を抑えることになります。
子宮筋腫は複数できたり、再発しやすいなどの特徴があるため、最も確実なのは子宮の全摘出です。しかし、子宮筋腫は良性腫瘍で命に関わることがないということもあり、本人の年齢や希望を踏まえてその人に合った治療を行うことになるでしょう。
筋腫と間違えやすい子宮肉腫には要注意
肉腫とは、主にガン以外の悪性腫瘍の事を指します。つまり、子宮肉腫というのは子宮の筋肉組織にできるガンのようなものです。この子宮肉腫は筋腫と症状や発生箇所が似ているため、簡単には判別できないのですが脅威度は別物です。
発生原因はガンと同じように分かっておらず、確立した治療法もありません。筋腫と違って恐ろしい点は、転移することです。子宮筋腫は転移せずに子宮だけで肥大化するため命に別状はありませんが、子宮肉腫は体の各部に転移していくので命に関わります。
40代女性の4人に1人はかかると言われる子宮筋腫に対して、子宮肉腫はかなり稀な病気なため良性腫瘍である子宮筋腫と間違われて対処が遅れることも多く、注意が必要な病気だといえるでしょう。
若い女性と関係の深い子宮筋腫の大きさの問題について、ご紹介しました。もしかして子宮筋腫かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?
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