形成外科とは?皮膚科との違いは?傷跡やほくろも扱う?

  • 作成:2016/01/22

形成外科とは、体の傷や変形を「きれに治す」ことを目的とした外科系の診療科です。「皮膚科」のように、特定の部位の病気などを専門的にみるわけではありません。傷跡やほくろの問題がある場合は、一度形成外科を受診してみることをお勧めします。

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形成外科の領域の考え方 皮膚科とはどう違う?

形成外科は眼科、耳鼻科、皮膚科などのような体の部位や臓器別の診療科ではありませんから、「どんな病気を治すのかよくわからない」という方も多いと思います。形成外科は顔、手足などの体表面の傷や変形などを「きれいに治す」ことを主な目的とした外科系の診療科なのです。

一方、皮膚科は「皮膚における病気を治す」診療科ですから、皮膚の腫瘍の手術やレーザー治療、やけどの治療などは、皮膚科の対応範囲でもあります。しかしすべての皮膚科医が手術やレーザー治療に対応しているわけではありません。

現状では、形成外科も皮膚科も一つの病院に多数の医師が配置されていることは少ないという事情があるため、形成外科と皮膚科の対応範囲は病院によって異なることがあります。形成外科と皮膚科の両方がある病院では受診前に問い合わせてみるのが良いでしょう。

形成外科で扱う疾患は?

形成外科ではケガ、顔面骨折、やけど、アザ、皮膚と皮下の腫瘍、先天異常、皮膚潰瘍、皮膚のガンの切除と再建(体の部分を部位を復元すること)、乳房再建、美容医療などが対応範囲となります。

傷跡を目立たなくする手術をする

皮膚の手術では、傷跡をできるだけ目立たなくするために切開線(体を切り開くときのライン)の方向を考え、必要な場合は表面だけではなく、「真皮縫合」といって皮膚の深い部分でも縫合します。皮膚が不足している場合は、皮膚の移植手術や、皮膚を工夫して移動させることにより傷跡が目立たず、機能的にも優れたでき上がりを目指した「皮弁」という手術も行います。アザや色素斑などでは手術ではなくレーザー治療を選択することもあります。

外傷などにより切断された神経、血管自体をつなぎ合わせる手術では、顕微鏡やルーペを用いた「マイクロサージャリー」と呼ばれる手術を行います。また顔や頭部の先天異常などでは骨を延長する手術にも対応ます。

傷跡とほくろの問題は形成外科にかかればよい?

形成外科というと「手術で治すところ」であると考えて、受診をためらってしまう方もあるかもしれません。しかし形成外科では手術だけではなく、ケロイド(体の組織の異常な増殖)や傷跡では、飲み薬や圧迫固定具による治療、テープ治療、ステロイド剤の注射による治療なども考慮して、最適な治療方法を勧めてもらえます。 ほくろでは主に手術となりますが、明らかに良性と診断できればレーザー治療などを行うこともあります。形成外科ではほくろの手術では「きれいに治す」ために切開方向や皮弁のデザインを十分考慮して手術します。したがって傷跡とほくろの問題では、形成外科が身近にある場合は一度受診してみるのが良いでしょう。

形成外科について手術などの概要をご紹介しました。形成外科にかかる病気かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、ご活用ください。

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