狭心症の原因 ストレス、加齢、喫煙が危険?心筋梗塞との違いも解説

  • 作成:2016/02/15

狭心症の原因として考えられているのは、動脈硬化です。動脈硬化はストレスや加齢でも進展しますが、高血圧や喫煙のほうが、危険性が高いとされています。狭心症は心臓に栄養を送る血管が狭くなった状態ですが、血管が完全につまり、致命的になりかねない心筋梗塞につながる可能性がありますので、注意が必要です。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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心臓はなぜ重要か

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。送り出された血液によって全身に酸素や栄養が供給されることで、私たちの身体は機能しています。

当然ですが、同時にポンプとしての働きを持つ心臓自身にも、酸素や栄養の供給が当然必要であり、その役割を担っているのが心臓の周りを取り巻く「冠動脈」と呼ばれる血管です。

冠動脈は心臓から出る大動脈の根元から分岐していて、「左冠動脈」と「右冠動脈」の2本が出ています。左冠動脈はさらに「左前下行枝」と「左回旋枝」と呼ばれる血管に分かれ、右冠動脈と合わせて、3本の血管が心臓を取り巻いています。

心筋梗塞と狭心症の違い

冠動脈が詰まったり、細くなることで心臓に行く血流が低下する病気をまとめて、「虚血性心疾患」と言います。虚血性心疾患には「心筋梗塞」と「狭心症」が含まれます。

冠動脈の血管がつまって完全に流れなくなってしまう状態を「心筋梗塞」と言い、放置すれば心臓を作っている筋肉が破壊されたり、不整脈が生じて命に関わる状態になります。

一方で、血管が狭くなって血流が低下して状態のことを狭心症と言い、一般的には数分で症状は改善がしますが、少しずつ病状が悪い方向に進み、心筋梗塞に至ることがあるので、早めに対応することが望ましいです。

狭心症最大の原因は動脈硬化

狭心症や心筋梗塞の最大の原因は動脈硬化であると考えられています。動脈硬化とは簡単に言えば、動脈の壁が厚く硬くなり、血管としての機能が悪くなる状態です。専門的な話になりますが、一般に動脈硬化と言われる場合には、「粥状(じゅくじょう)動脈硬化」のことを指しています。

血管は血液が流れている内側から「内膜」、「中膜」、「外膜」の3層構造になっています。「中膜」は弾力のある層であり、心臓から送り出された圧力の高い血流を受け止める役割があり、動脈でよく発達しています。しかし、高血圧などで圧力の高い状態が続くと、中膜が分厚くなり、弾力が失われて硬くなっていきます。

さらに、高血圧や糖尿病の刺激によって、血液と直接触れている内膜に傷がつくと、血管の壁の中にコレステロールが溜まるようになり、粥状(おかゆのような状態)となって血管壁が厚くなっていきます。この結果、冠動脈の狭くなり、狭心症となります。

さらに進展して、粥状のかたまりが壊れて、完全に血管を詰まらせてしまうと心筋梗塞に発展してしまうということになります。

高血圧、高脂血症、喫煙は危険

動脈硬化を促進させる原因としては加齢や高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、ストレスなどが挙げられますが、特に高血圧、高脂血症、喫煙は危険性が高いとされています。

血圧については、収縮期血圧(上の血圧)「140mmHg以上」、拡張期血圧(下の血圧)「90mmHg以上」で虚血性心疾患のリスクが高まるとされています。

高脂血症に関しては、総コレステロール「220mg/dl以上」、LDL(悪玉)コレステロール値が「140mg/dl以上」、HDL(善玉)コレステロール値が「40mg/dl以下」でリスクが高まるとされています。

また、喫煙は癌や肺の病気だけでなく、心臓病のリスクにもなります。血を固まりやすくしたり、血管を収縮させる作用もあるため、動脈硬化の予防や治療に、禁煙は非常に大切な要素です。



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狭心症の原因などについてご紹介しました。もしかして狭心症かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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