狭心症の検査と診断 心電図、血液検査、CT、カテーテルの意義を解説
- 作成:2016/02/15
狭心症は、発作が起きていない状態において、普通の心電図をとってもわかりません。そのため、体にあえて負荷をかけて動きを見るタイプの心電図検査などがありますその他に、カテーテルを差し込んで、心臓に栄養を送っている結果がどれくらい狭くなっているかを見る検査などがあります。血液検査をするかどうかも含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
狭心症の診断のための検査の種類
狭心症かどうか診断するには、発作が起きたときにどんな状態であったか問診で聞かれるほか、一般的な検査である心電図、胸部レントゲン、血液検査などを行います。
狭心症や心筋梗塞が疑われる場合には精密検査として、「運動負荷心電図」「冠動脈CT検査」「核医学検査」「心臓カテーテル検査」「心エコー検査」などと呼ばれる検査をして、診断を行っていきます。
普通の心電図ではわからない狭心症 どう対応?
心電図は、心筋梗塞や狭心症の診断に非常に有用な検査ですが、狭心症では胸が痛む発作が出ている時以外に、異常は見られません。したがって、発作が出ていない状態で、病院に行ったとしても、狭心症であるかどうかを心電図からは判断することはできません。
狭心症が疑われる場合には、「運動負荷心電図」という検査を行います。「労作性狭心症」と呼ばれるタイプの狭心症は運動によって、心臓の負荷が増えた際に発症する性質を利用したものです。「トレッドミル(ベルト上を歩くランニングマシン)」や、「エルゴメーター(自転車のペダルを踏み込む運動器具)」を使用して、狭心症の発作が起こるか確認する方法です。
体に負荷をかけた状態で心電図を記録し、労作性狭心症であれば、心電図上の波の形にで「STの下降」というものが認められます。かなり専門的な話ですが、労作性狭心症では、心電図の波形がS波とT波の間が下降するということになります。
運動負荷心電図に加え、心臓の筋肉の血流を状態を把握する「核医学検査」もあります。
ただ、発作が最近急に悪くなってきた「不安定狭心症」と呼ばれるタイプや、心筋梗塞が疑われる場合には行うことはできません。
「冠動脈CT」とは?
「冠動脈CT検査」とは、注射にて造影剤(体内の画像がうまくとれるようにする薬)をいれ、冠動脈の状態を確認する検査です。入院せずとも、外来で実施でき、比較的簡単に、わかりやすく評価できる有用な方法です。しかし、動いている心臓を撮影するため、脈拍がかなり早い場合や不整脈の場合にはできない場合もあります。
カテーテルを使うことも
「冠動脈造影検査」というものもあり、こちらは、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から挿入し、カテーテルの先端から冠動脈に造影剤を流すことで、直接、詰まったり狭くなった冠動脈を撮影して評価するものです。
心臓カテーテル検査では狭くなった程度を正確に把握できるため、治療方針を決める上でとても重要で、不可欠な検査となっています。
カテーテル検査は診断だけでなく、狭くなった冠動脈を、カテーテルを使って広げるカテーテル治療(経皮的冠動脈インターベンション)にも使用されます。
血液検査の意味は?
このほか、心臓の働きを調べる目的で心エコー(超音波)検査や血液検査などをします。狭心症の場合、血液検査では異常が見られませんが、心筋梗塞では心筋の細胞が壊れて「クレアチニンキナーゼ(CK-MB)」や「トロポニンT」などと呼ばれる値が血液検査で上昇してくるため、より致命的な心筋梗塞を早期診断する意味で役に立ちます。
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狭心症の検査や診断などについてご紹介しました。もしかして狭心症かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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