癜風(でんぷう)とは?原因、症状、薬、再発可能性まで解説
- 作成:2016/02/23
癜風は、脂漏性皮膚炎などと同じ「マラセチア」と呼ばれる菌が原因で発症する皮膚の病気です。治療や再発可能性について、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
癜風(でんぷう)って何?原因は?
「癜風(でんぷう)」とは皮膚表面に表れる皮膚病です。春から夏にかけて多く発症し、小児から高齢者にまで広く見られますが、特に20歳前後の若い人がかかりやすい病気です。高温、多湿の地域での発症者が多く、汗かきの人は発症しやすいようです。
癜風の原因となるのは「マラセチア(Malassezia)」という種類の真菌(カビ)で、健康な状態でも日ごろから皮膚に住みついている菌です。マラセチアは皮脂を好み、頭部や顔面、上半身などの皮脂が過剰に出ている「脂漏(しろう)」部位で増殖します。マラセチアは現在のところ14種類が見つかっていて、癜風だけでなく脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、毛包炎にも関与しています。
癜風の症状はどんなもの?
癜風は主に首や背中、胸、腕や腋(わき)に症状が現れます。発症すると、境界のはっきりとした、周りの皮膚の色と異なる米粒大から爪の大きさくらいの斑模様ができます。褐色から薄い赤色、または白色になることもあり、周りの皮膚よりも色素が薄くなるものを「白色癜風」、周りより濃くなる場合を「黒色癜風」と呼びます。症状の出た部分には、うろこ状の細かい皮膚片がともない、かさつきます。ほとんど自覚症状はありませんが、放っておくと広がってしまうことが多いので、早めに皮膚科を受診しましょう。
癜風の薬はケトコナゾールなど
癜風は、皮膚科を受診すると、癜風は皮膚の角質をこすりとって、顕微鏡で菌を確認して簡単に診断できます。治療はたいていの場合は塗り薬で、ケトコナゾールなどの「イミダゾール系」と呼ばれる抗真菌薬が処方されます。イミダゾール系抗真菌剤が効かないマラセチアはなく、通常2週間ほどで治癒します。マラセチアが増殖していたために起こった、色素沈着または色素減弱などの皮膚の色の異常はしばらく残りますが、自然に目立たなくなります。
半数が再発する
癜風の原因となるマラセチアは「常在菌」で、日ごろから私たちの体に住みついている菌です。温度や湿度などの変化によって条件がそろうと、菌は再び増殖し始めます。そのため癜風は一度完治してからも、再発することが多く、2年以内に50%が再発すると言われています。再発の予防には、抗真菌剤(ミコナゾールなど)の配合されたボディソープやシャンプーが市販されていますから利用すると良いでしょう。また汗に含まれる皮脂がマラセチアの養分となりますから、汗をかいたら衣類を早めに取り替えるようにしましょう。
癜風について症状や薬などをご紹介しました。もしかして癜風かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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