2種類ある毛虫皮膚炎の症状、治療、対処法 激痛の場合も
- 作成:2016/02/26
虫の幼虫である毛虫によって皮膚炎が起きる可能性のあることは、多くの方がご存じかと思いますが、毛虫による皮膚炎は、2種類あります。それぞれ原因となる毛虫が違います。対応方法を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
毛虫皮膚炎の2種類 「痛い」と「かゆい」
毛虫による皮膚炎は2種類あります。いずれも毒を持つ毛虫が原因となる皮膚炎ですが、症状が全く異なり、とても痛いタイプととてもかゆいタイプに分かれます。どちらも治療は市販薬でも対処可能ですが、症状が激しいのできっちり診断を受けて納得できないと心配になってくることが多いようです。いずれのタイプでも皮膚科を受診するのが良いでしょう。
激痛があるタイプはどんなもの
激痛があるタイプの毛虫皮膚炎は「イラガ」と「ヒロヘリアオイラガ」の幼虫(毛虫)で起こります。どちらも毛虫の色は黄緑色系統です。体の表面に毒のある棘(とげ)を持っており、毛虫に触ると皮膚に激痛が生じて、毛虫に触れた部分がすぐに赤く腫はれてきます。痛みが和らぐまで患部を冷やすようにしましょう。早めに強力なステロイド外用剤を塗るのが適切です。
1日から2日後に痒くなるタイプも
痒くなるタイプの毛虫皮膚炎は、「チャドクガ」「ドクガ」という虫の幼虫(毛虫)の毛が皮膚について起こる皮膚炎です。毛虫の毛の先に毒がついていますが、毛虫の時だけではなく、卵、さなぎ、蛾(成虫)でも、そこに毛虫の毛が付着しているので、被害をうけることがあります。チャドクガはお茶の木の他、ツバキやサザンカなどの庭木につきます。ドクガはサクラ、ウメ、ツツジ、キイチゴなどの様々な木や草の葉についています。どちらも毛虫の色は茶褐色系統で、集団発生すると葉にびっしりと多数付いていることがあります。
毛虫の細い毛に毒がついており、毛虫のいる木の下を通った時や、毛虫のいる葉に触れた時などに毛が皮膚に付着します。毛虫に直接触らなくても、毛が風に乗って飛んできて皮膚につくことがあります。ほとんどの場合、1本ではなく多数の毛が皮膚についてしまいます。付着した時にはほとんど症状はないのですが、時間が経つうちに毛のついた点に炎症が起こってきて赤いぶつぶつが多くできて、とてもかゆくなります。症状がピークになるのに1日から2日かかります。このタイプでは毛虫と接触した時には自覚がなく、症状が出てくるのに時間がかかるため、毛虫との関連性に思い当たらず、なぜこんな皮膚炎が出てくるのかと心配になってしまうことがあります。
「かゆくなる」タイプは対処で結果が違う
チャドクガ、ドクガの毛虫皮膚炎では、対処の仕方により結果が大きく変わります。毛虫の毛は目に見えないほど細く、皮膚に付いても気が付かないことが多いのです。このため毛虫がたくさんいるところに近づいてしまったら、特に症状はなくても、まずシャワーをして、皮膚についた毛をこすらないようにしてそっと洗い流してください。衣服にも毛がついていますから、衣服は着替えましょう。なお衣服は洗濯するべきですが、1回の洗濯では完全に毛を除去できないことがあります。チャドクガ、ドクガの毛虫皮膚炎では半日以上経ってから赤いぶつぶつが多発して強いかゆみが出てきます。皮膚炎が出てきたら早めに強い効果のあるステロイド外用剤を塗ることが最も重要な治療となりますが、痒みが強い時には抗ヒスタミン剤を飲むことも有効ですい。
毛虫で起きる皮膚炎についてご紹介しました。皮膚炎の原因がわからず不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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