子宮外妊娠のその後の妊娠、生理への影響 避妊が必要?
- 作成:2016/05/06
子宮外妊娠のになった場合、卵管を摘出するケースがあり、その後の妊娠に影響します。また、生理が再開する時期についても目安があります。子宮外妊娠に対応してから、次の妊娠まで、どれくらい期間をあけるべきかや避妊の必要性を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
「子宮外妊娠」から、通常の出産にいたることはある?
卵管(らんかん)や卵巣(らんそう)などの子宮以外の場所に着床した受精卵が、自然に子宮の中に移動して通常の妊娠にいたることはありません。また、人工的に受精卵を子宮に移す手段も今のところ開発されておらず、子宮外妊娠を通常の妊娠に戻すことは現状不可能です。そのため、残念ですが子宮外妊娠となった場合、お腹の赤ちゃんが生まれてくることはできません。
子宮外妊娠を放置すると、腹痛や出血といった症状が起こり、最悪の場合卵管が破裂するなどの深刻な事態に陥ります。そのため、子宮外妊娠と診断された場合は早急に治療を受けなくてはいけません。
子宮外妊娠は、後の妊娠に影響する?
子宮外妊娠が以降の妊娠に与える影響は、子宮外妊娠をどのような方法で治療するかによって大きく異なります。
最大のポイントは、卵管を残せるかどうかという点です。子宮外妊娠の大半は、左右どちらかの卵管に受精卵が着床します。この場合の確実な治療法は受精卵ごと卵管を切除することですが、本来受精卵を子宮へ運ぶ役割を担っている卵管がなくなるため、のちに妊娠しにくくなります。
とはいえ、卵管を片方切除しても、もう片方が残っていれば、妊娠は可能です。また、卵管が半分になるから妊娠の可能性も半分になるということはなく、残っている方の卵管が健康であれば20%から30%ほど妊娠成功率が下がるだけだと考えられています。しかし、両方の卵管を切除した場合は、自然妊娠は難しくなります。
妊娠を希望していて卵管を切除したくない場合は、受精卵が自然に流産するのを待つ待機療法や、投薬によって妊娠組織を消滅させる薬物療法などを行います。
子宮外妊娠の手術後は妊娠をひかえたほうがよい?
子宮外妊娠の手術を受けた直後は、子宮の疲労やホルモンバランスの乱れなどにより体のコンディションが万全ではありません。そのため子宮外妊娠を経てからの妊娠は、生理が通常状態に戻ってから最短でも3カ月ほど間を空けて計画するようにしましょう。
また、場合によっては半年以上待つよう指導されることもあります。子宮の回復時期には個人差があるため、新たな妊娠の時期はかかりつけの医師と相談のうえ決めるのが、安全と言えます。
子宮外妊娠を経ると、生理に影響がでる?来ない?
子宮外妊娠であっても、体は通常妊娠とおおむね同じ反応を示すため、生理は停止します。生理が再開するのは、子宮外妊娠の治療を受けて妊娠状態が終わり、ホルモンの数値が、妊娠していない通常の時と同じ程度にまで戻ってから以降となります。時折、手術の数日後に出血が見られるケースがありますが、この出血は生理とは異なります。
一般的には、治療を受けてから2カ月から3カ月ほどで生理が再開します。早ければ1カ月程度で始まることもあります。4カ月を過ぎても生理が再開しない場合は、治療を受けた医療機関を再度受診し、医師に相談して下さい。
子宮外妊娠について、生理やその後の妊娠との関係をご紹介しました。妊娠に不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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