溶連菌感染症の際の登園(登校)、風呂、食事の考え方と入院可能性 仕事は休むべき?

  • 作成:2016/03/10

溶連菌感染症になった際は、学校は一定期間出席停止になります。幼稚園や保育園も、同様の考え方です。お風呂や食事の考え方も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

この記事の目安時間は3分です

溶連菌感染症だと、学校は出席停止?

感染が判明すると一定期間、出席停止となるように、法律で決められている病気があります。溶連菌感染症もその一つで、「学校保健安全法」という法律により定められています。学校保健安全法の対象は小学生、中学生、高校生、大学生です。保育園や幼稚園のお子さんは対象になりません。

学校保健安全法によると溶連菌感染症は「第3種」という区分に入っており、「抗生剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能、長くても初診日と翌日を出席停止にすればよい」と決められています。

保育園や幼稚園は登園できない?

保育園や幼稚園の場合、厚生労働省の管轄になっています。厚労省では、「保育所における感染症対策ガイドライン」という決まりを作って指導しています。このガイドラインによると「抗生剤治療開始後24~48時間を経過していること」とあり、乳幼児の場合はだいたい2日から3日の出席停止が目安と考えられています。

ただ、幼稚園や保育園の場合は、独自の決まりがあったり、病院を受診して小児科の医師から登園の許可をもらう必要がある場合もありますので、通っている幼稚園や保育園にしっかりと確認することが大切です。

お風呂は入ってよい?

昔は熱があったり体調が悪いとお風呂に入らない方が良いという習慣がありましたが、近年はそのようなことはあまりないと言われています。熱が出ると汗をかく場合もあり、短時間、お風呂に入り汗を流すことは悪いことではありません。ただし長湯をすると体力を消耗する可能性もあるため、短時間にとどめ、湯冷めしないように気をつけましょう。家族間でのタオルの共有も避けた方が安全です。

仕事は休まないとだめ?

出勤については、共通の明確な決まりはありません。しかし抗生剤を内服して24時間たつとほぼ熱が下がり、周囲への感染力もかなり低下するということが分かっているため、一般的には抗生剤を内服してから1日休めば良いと考えられています。ただし会社や職場によって就業規則等に違いがあるため、病院と職場の両方にしっかりと確認することが大切です。

望ましい食事と、食事の注意点

溶連菌感染症では強いのどの痛みや嘔吐、下痢などの症状が出る場合があり、食事に注意が必要です。喉が痛い場合はすっぱいもの、辛いもの、熱いものなどの刺激物を避けましょう。また硬いものは飲み込む時に痛い場合があるため、なるべく柔らかいものを食べると良いでしょう。

嘔吐、下痢がある場合は一度に食べると症状が悪くなる事があるため、柔らかく消化の良いものを少量ずつ様子をみながら食べましょう。おかゆや軟らかく煮たうどん、葛湯、豆腐などが適しています。ゼリーやプリンなども良いでしょう。アイスクリーム等も食べて構いませんが、乳脂肪分の少ないものが適しています。

また嘔吐や下痢、発熱により水分が失われやすくなっています。水分を補給することが大切ですが、水分も一気にたくさん飲むと嘔吐や下痢をおこす可能性があるためスプーン1杯ずつ程度の少量とし、少しずつ様子をみながら飲みましょう。

溶連菌感染症で入院することがある?

溶連菌感染症では、高熱による脱水や全身の症状で全身状態が悪化した場合や合併症の症状が重い場合などに入院し治療を行う場合があります。

点滴で抗生物質や水分などを投与して治療を行いますが、合併症の重症度などにより数週間の入院になる場合もあります。


【医師による医療ページ評価 - Doctors Review】


【溶連菌感染症関連の他の記事】


溶連菌感染症に感染した際の対応についご紹介しました。溶連菌感染症への対応方法に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

病気・症状名から記事を探す

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行

協力医師紹介

アスクドクターズの記事やセミナー、Q&Aでの協力医師は、国内医師の約9割、33万人以上が利用する医師向けサイト「m3.com」の会員です。

記事・セミナーの協力医師

Q&Aの協力医師

内科、外科、産婦人科、小児科、婦人科、皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、精神科、循環器科、消化器科、呼吸器科をはじめ、55以上の診療科より、のべ8,000人以上の医師が回答しています。

Q&A協力医師一覧へ

今すぐ医師に相談できます

  • 最短5分で回答

  • 平均5人が回答

  • 50以上の診療科の医師