気管支炎の種類と症状のセルフチェック項目  大人と子供で違う?

  • 作成:2016/10/13

気管支炎には、子供がなりやすいもの、大人がなりやすいものがあり、慢性疾患としての気管支炎もあります。どのような症状をチェックしたら、自分で気づくことができるのかを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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気管支炎のメカニズムと種類

気管支炎とは何らかの原因で気管支に炎症を起こしていて、咳(せき)や痰(たん)などの症状を引きおこす病気の総称です。急性のものと慢性のものに分けられます。症状の起こり方はもちろん原因もそれぞれ異なります。主な気管支炎の種類は以下のようになっています。

1. 急性の気管支炎;
(1)ウイルス感染による気管支炎:風邪に伴って起きることが多く、ライノウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなど。風邪と同じウイルスが原因となります。気管支炎の中で最も多いのがこのウイルス感染によるものです。
(2)マイコプラズマ気管支炎:ウイルスと細菌の中間の病原体「マイコプラズマ」が原因です。
(3)細気管支(さいきかんし)炎:気管支よりも奥(口から遠い方)にある、細気管支の炎症。2 歳未満の乳幼児に多く、風邪のウイルスでもあるRSウイルスが原因となります。
(4)喘息様気管支炎: 気管支炎の中でも喘息のような症状が出るものです。
(5)アレルギー性気管支炎:ダニやハウスダストなどのアレルゲンによるアレルギー反応として起こるものです。

2. 慢性の気管支炎;
(1)慢性気管支炎:タバコが原因で発症することが多い肺の炎症性の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重要な症状の1つです。ウイルスなどの感染は伴うことも伴わないこともあります。
(2)びまん性汎(はん)細気管支炎:細気管支に起こる原因不明の慢性の炎症です。「びまん性」とは肺の一部ではなく肺全体に炎症を起こすことを意味しています。「汎」とは気管支のそのものに加え、内側も外側もあらゆるところに炎症を起こす、という意味です。「副鼻腔気管支症候群」と呼ばれる症状の1種類です。

大人の症状と、セルフチェック項目

大人の気管支炎では、主な症状は、咳と痰です。発熱もありますが、あまり高熱にはなりません。

・ウイルス性の気管支炎の可能性があるもの;
「風邪は良くなったのに咳がとまらない」、「痰(たん)のからんだ咳がいつまでも続く」、「夜間、寝ている間も咳が止まらない」

・2次的な細菌の感染を起こした気管支炎や肺炎(ある感染症にかかり、それが原因となって気管支炎などを引き起こしたケース)が疑われるもの;
「38℃以上の高熱が続く」、「3日から4日経っても咳がむしろひどくなり、黄色や緑色で膿んだ(うんだ)ような痰がでる」、「全身倦怠感が強く、食欲もない」

子どもの症状とセルフチェック項目

一般に鼻水や鼻づまりなどの風邪の症状に引き続いて起こり、熱と咳が出ます。しだいに、ゴロゴロと痰のからんだひどい咳に変わります。痰を飲み込んでしまう乳幼児では、吐いたものの中に膿んだ痰が含まれていることがあります。大人と同じように、「高熱が続く」、「呼吸が苦しそう」、「顔色が悪い」などの時は、気管支炎に2次的な細菌の感染を起こした可能性や、肺炎の可能性が疑われます。速やかに小児科を受診しましょう。

・ 細気管支炎の可能性があるもの;
「2歳以下、特に6ヶ月未満の赤ちゃん」「冬の時期である」「風邪症状が2、3日続いた後」「呼吸の回数が多い(1分間に50回以上)」「顔色が悪い」

・喘息様気管支炎の可能性があるもの;
「乳幼児である」「喘息のようにゼーゼーと苦しそうな呼吸をする」「アレルギー体質である」

・ アレルギー性気管支炎の可能性があるもの;
「アトピー性皮膚炎がある」「家族や親せきに喘息の人がいる」

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状とチェック項目

体を動かした時に感じる息切れ(「労作時呼吸困難(ろうさじこきゅうこんなん)」と言います)、慢性の咳や痰が特徴的な症状です。しかしCOPDの症状は老化によるものや風邪などと思われていることも多いようです。また自覚症状はあるものの進行がゆっくりで、病気と考えられることが少ないのも特徴です。

COPDである可能性が高くなる項目は次のようなものです。

(1)40歳以上である(高齢になるほど可能性が高くなります)。
(2)喫煙歴がある(本数が多いほど、喫煙期間は長いほどリスクが上がります)。
(3)やせ気味である(BMIで25以下)。
(4)天候により、咳がひどくなることがある。
(5)風邪をひいていないのに痰がからむことがある。
(6)朝起きて、すぐに痰がからむことはない。
(7)呼吸をしている時にゼイゼイ、ヒューヒューと鳴る音(喘鳴;ぜんめい)がよくある、または時々ある。
(8)現在もしくは今までにアレルギーの症状はない。

多様な気管支炎の症状についてチェック項目をご紹介しました。もしかして気管支炎かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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