麻疹(はしか)の原因、感染経路、流行時期、予防方法 感染力強い?ウイルスの特徴は?
- 作成:2016/03/23
麻疹(はしか)は、予防接種で感染を防ぐことができますが、体内の防御反応が不十分な場合など、発症する可能性もあります。どのような感染経路があるのかや流行時期も含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
麻疹(はしか)の原因となるウイルスはどんなもの?
麻疹の原因は、そのまま「麻疹ウイルス」です。大きさは直径100nmから250nm(ナノメートル:10億分の1メートル)です。「エンベロープ」という脂肪やたんぱく質でできた膜を持っています。遺伝子の違いによって24の型に分類され、地域によって異なった型が流行します。
専門的な話になりますが、日本で2007年から2008年にかけて流行した麻疹は「D5型」でした。その後D5型は日本でみられなくなり、2014年にはB3型が増えています。
麻疹の感染力は強い?
麻疹の感染力は極めて強く、麻疹の抗体が無い人は容易に感染します。麻疹に対する抗体が無い人は、ウイルスに接触すると90%の確率で麻疹を発症するといわれています。
麻疹の感染経路とは?
感染経路は飛沫感染(ひまつかんせん)・空気感染・接触感染の3通りです。
飛沫感染とは麻疹ウイルスを発症している人が咳やくしゃみをして、その飛沫が近くの人に吸い込まれて感染することです。
空気感染は空気中にフワフワと浮いているウイルスを吸い込んで感染することです。麻疹ウイルスは小さいため、空気中に浮くことができます。
接触感染は麻疹ウイルスが付着した部分に触れて、その手で鼻や口を触ることで感染します。
麻疹には流行時期がある?
麻疹の流行時期は春から初夏ですが、そのほかの時期でも発症する可能性はあります。これまでの報告では2007年に、麻疹の予防接種が1回しか行われなかった時期に育った学生の間で流行したこともありました。
現在では、国が麻疹の予防接種を2回打つことを標準とし、その後大きな流行は見られません。麻疹は予防接種をしなかった子供や予防接種したにもかかわらず抗体がつくられなかった数%の人を中心に発症すると考えられます。
麻疹に感染しないために気をつけることはある?
感染予防で最も重要なのは、予防接種しかありません。それを上回る予防方法はありません。
しかし、予防接種はしたものの、抗体が今もきちんと残っているかわからない場合や、特別な事情で予防接種ができない場合は、まず麻疹の患者と接しないことが重要となります。
それでもやむを得ない事情がある場合は、可能な限りの予防手段をとりましょう。麻疹ウイルスはエンベロープを持つウイルスであり、エンベロープを破壊することができるアルコールにより消毒が可能です。そのため持ち歩きできるエタノールで手を消毒することや、患者が触ったと思われる部分を拭くことも有効です。
また熱湯消毒も有効です。麻疹ウイルスは空気中では、2時間程度しか生存できないと考えられています。患者がいた部屋はよく換気をしましょう。
マスクは感染を完全に防ぐことはできません。ウイルスは大きさ的に普通のマスクを素通りしてしまうためです。それでも、飛沫感染を防げる可能性があるため、マスクをしないよりは、した方がよいです。接触感染を防ぐためには手洗いも重要です。
病院や施設に麻疹患者が発生した場合は、他の患者と接しないように別室に隔離します。患者と接した人で、麻疹の抗体が無い人は早急に麻疹ワクチンの接種が勧められます。原則、麻疹患者と接触した3日以内にワクチンを接種すれば、発症を予防できると考えられています。
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麻疹(はしか)の感染経路や流行時期についてご紹介しました。もしかして○かもしれないと不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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