風疹の原因、感染経路、潜伏期間、流行時期 他人にうつる可能性がある期間、患者増の背景も解説
- 作成:2016/02/24
風疹の原因は、「風疹ウイルス」です。感染経路としては、咳などを通じてなされますが、妊婦さんの場合は特に注意が必要です。また、症状が明確になる前から、他人にうつす可能性もあります。注意点も含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
風疹の原因はウイルス?概要は?
風疹は、「三日ばしか」ともいわれ、その名の通り、「風疹ウイルス」が原因で起きる感染症です。風疹ウイルスが体内で増えると、リンパ節が腫れたり、熱を出したり、赤い発疹が体中に出たりします。
風疹はかかったとしても、多くは軽い症状ですみます。しかし、大人がかかると症状が重くなることがあります。まれに「血小板減少症」や「急性脳炎」などといわれる重大な病気が引き起こされ、入院が必要になることがあります。また、妊婦が風疹にかかると、胎児が難聴や心臓の病気になる「先天性風疹症候群」になる可能性もありますので、感染には注意が必要な病気です。
なお、風疹に効く薬はなく、熱などの辛い症状を和らげる対症療法を行いながら、自然に治るのを待ちます。ただし、予防接種がありますので、流行させないようにするためにも必ず受けるようにしましょう。
風疹の感染経路とは?
「感染経路」とは、ウイルスなどの病原体が人の体内に侵入する方法のことを言います。
風疹の感染経路には、以下の3つがあります。
・風疹にかかっている人の咳、鼻汁などの分泌物に触れたりする「接触感染」
・風疹にかかっている人の咳、鼻汁などを他の人が吸い込む「飛沫感染」
・妊娠中にお母さんが風疹にかかると、お腹の赤ちゃんも感染する「母子感染」
風疹の潜伏期間は?
ウイルスや細菌などの病原体が体に入り、病原体が体の中で増えて、症状が出るまでの期間を「潜伏期間」といいます。ウイルスによって潜伏期間は違いますが、風疹ウイルスの潜伏期間は2週間から3週間です。ウイルスが体内に入ってから、2週間から3週間経過すると、耳の後ろのリンパ節がはれたり、熱や小さな赤い発疹がでたりします。
風疹が他人にうつる期間は?
大抵の場合、症状が出てくると「もしかしたら風疹かな」と気づきます。逆に言うと、週間から3週間の間は、風疹ウイルスが体内に侵入し増殖したとしても症状がないため、風疹にかかっていることに気づきません。 風疹は発疹のでる2日から3日前から、発疹がでた後5日くらいまでは、人に風疹をうつす力(感染力)があると考えられています。知らないうちに他の人に風疹をうつされたり、うつしたりしていることが、ありえます。
風疹の感染力は、麻疹(はしか)や水痘(水ぼうそう)ほどは強くはなく、熱が下がると、感染力は激減します。
風疹に流行時期がある?
風疹は春から初夏にかけて最も多くみられます。
再び増える風疹患者 なぜ?
日本では、10年ごとに風疹の大流行が見られていましたが、風疹の予防接種が広まり、昔に比べ、風疹にかかる人が減っていました。しかし、2010年代に入って、風疹にかかる人が再び増えています。特に20代から40代、中でも男性が多く風疹にかかっています。
現在、風疹ワクチンの予防接種は、幼児期に2回打つこと(定期予防接種)が国に推奨されています。しかし、現在20代から40代の人は風疹の予防接種を受ける回数や機会が少なく、特に男性は予防接種の機会が女性より少なかったのです。また、風疹に自然にかかる機会も少なかったと考えられます。そのため、現在20代から40代の人では、風疹にかかる人が多いと考えられ、赤ちゃんへの感染を起こすリスクとなっています。風疹は、大人がかかると症状が重くなりやすいため、しっかり予防接種を行い、流行させないことが重要です。
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風疹について原因や感染経路などをご紹介しました。もしかして風疹かもしれないと不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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