突発性発疹の原因、感染経路、潜伏期間 お風呂は危険?キスや口移しはダメ?
- 作成:2016/02/09
生後3歳までの赤ちゃんに発症する突発性発疹の原因となるウイルスは、大人はだれでも持っているため、両親が原因となる場合が多いです。潜伏期間は10日から14日程度です。お風呂がきっかけにならないかどうかを含めて、突発性発疹の感染経路などを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
大人の持つウイルスが原因に
突発性発疹はウイルスによる感染症で、38度以上の高熱が3日間続くことと、熱が下がった後に、発疹が出ることが特徴となっています。
突発性発疹の原因ウイルスの多くはヒトヘルペスウイルス「6B型」という型です。ほとんどの人は、生後6カ月から3歳までの間にこのウイルスに感染しますが、感染しても無症状のことがあります。基本的には二度かかることはありませんが、ヒトヘルペスウイルス「7型」という別の型 による突発性発疹が、二度目の突発性発疹として起こることがあります。
大部分の大人は ヒトヘルペスウイルス6B型に小児期に感染していることがわかっています。さらに、病気自体が治ってもヒトヘルペスウイルス6B型は唾液腺(唾液が分泌される部分)で増殖をつづけて、唾液の中にそのウイルスがずっと出ています。
したがって、周囲の大人が持っているウイルスが、免疫を持たない幼児に感染して、突発性発疹を引き起こすということになります。
なお、「ヘルペス」と名前が付きますが、突発性発疹の原因となる口唇ヘルペスや外陰部ヘルペスを起こす「単純ヘルペスウイルス」とは全く別のウイルスです。
感染経路は?キスや口移し?
幼児が発症する突発性発疹の感染源の大半は幼児の親で、生後6カ月を過ぎた頃に感染します。ウイルスを保有する別の幼児が感染源となるケースはあまり多くありません。
大部分の大人は 、前述のようにヒトヘルペスウイルス6B型が潜伏した状態で無症状で生活しています。ウイルスは周囲の大人の唾液に含まれているため、キスや食べ物の口移しが、赤ちゃんにウイルスのうつる原因となっています。
子供は生後しばらく、「移行抗体」と呼ばれる母親由来の免疫(体に入った菌などと戦う機能)をもっています。移行抗体は、生後半年くらいで力がなくなるため、生後6カ月を過ぎたころに、それまで問題がなかったウイルスに突然感染してしまうのです。
「お風呂やシャワーで感染」の可能性は低い
前述のように、突発性発疹のウイルスはキスや口移しでうつります。子供と一緒にお風呂に入ることでウイルスを感染させてしまうのではないかと心配する方もあるかも知れません。しかし、ヒトヘルペスウイルス6B型や7型の感染力はそれほど強くなく、一度に大量のウイルスが入り込まないと感染しません。そのため、お風呂やシャワーの水にウイルスが混入してしまったとしても、実際に子供の口の中に入るウイルスは微量であり、それで子供にウイルスをうつしてしまうことは考えなくても良いでしょう。
潜伏期間は10日から14日
常に赤ちゃんの身近にいる親や兄弟の唾液の中にヒトヘルペスウイルス6B型が出ているのですから、どんなに注意していても子供への感染を防ぐことは難しいでしょう。
突発性発疹の潜伏期間(感染後、症状が出るまでの期間)は10日から14日なので、発症の2週間前ごろにウイルスに感染しているのです。生後6カ月を過ぎた子供が高熱をだして、なかなか熱が下がらない時は、突発性発疹かもしれません。熱が下がって発疹が出るところまで経過をみないと診断はつけにくいのですが、「38度以上の高熱が続く」という理由で、医師の診察を受けるのが良いでしょう。
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突発性発疹について感染経路などをご紹介しました。「子供が突発性発疹かどうかわからない」と不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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