突発性発疹はかからない、無症状の場合あり?大人がなると危険な理由も解説
- 作成:2016/02/10
突発性発疹に「かからない」子はいませんが、無症状や症状に気付かないケースは少なくありません。一方で大人になってから、突発性発疹を発症した場合は、注意が必要です。無症状で済むメカニズムなどを、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
突発性発疹に「かからない」ことがありえる?
突発性発疹は40度近い熱が出て、体中に発疹ができるのが特徴ですが、37度ぐらいの微熱ですんだり、発疹が見えるところに出なかったり、発疹が小さかったりすると気づかないまま、回復することもあります。したがって、感染した時に症状がほとんど出なかった場合には、「突発性発疹にかからないまま大人になった」と思い込んでしまうことがあると考えられます。
突発性発疹というのは主にヒトヘルペスウイルス6B型に感染することで発症する病気ですが、実際のところ、ほとんどの人は4歳までにヒトヘルペスウイルス6B型に免疫がついた状態になっています。突発性発疹にならなかったのではなく、「かかったことに気づかなかった」というのが正しいでしょう。
「無症状」も珍しくない どれくらい無症状の人がいる?
なったことに気づかなかったというケース以外にも、本当に無症状のまま感染して免疫がつくケースもあります。ヒトヘルペスウイルス6B型の感染では、症状が出ないままとなる「不顕性感染」の場合がかなりあることがわかっています。 子供であっても、弱い免疫能力(体に入ったウイルスなどと戦う機能)が備わっていて、雑菌や弱いウイルスを常に体内で撃退しています。微量のウイルスが体内に入り、増殖して広がる前に撃退されてしまうということがありえます。
突発性発疹は、原因となるウイルスが体内で大量に増殖して起こるものですが、ウイルスが体内で増殖できなければ発症しません。
免疫は大量に同じウイルスや細菌に対応しているうちにつくものですが、「増殖する前に撃退」というプロセスが繰り返されているうちに、免疫がつくのに充分なウイルスが退治できてしまい、発症しないまま免疫がついてしまうことがあるのです。
無症状のまま大人になるのは、決して珍しいケースではなく、少なくとも2割程度は無症状のまま、免疫がつくようです。
大人まで突発性発疹の免疫がつかないケースとは?
全く免疫がついていないまま大人になってしまうというケースは非常にまれですが、可能性がないわけではありません。突発性発疹の主な原因となるヒトヘルペスウイルス6B型は、周囲の健常な人の唾液中に出ているウイルスですから、これに感染することがないまま、生活していくのはとても難しいためです。
免疫の病気などがあるために、細心の注意を払って細菌やウイルスの少ない環境でのみ育ってきた方などは、大人になるまでにウイルスに感染せず、大人になって突発性発疹にかかってしまうということがあるかもしれませんが、非常にまれなケースです。
大人の発症が要注意のわけ?免疫の病気が隠れている?
一方、免疫がついていても、エイズなどの後天的な免疫の病気(免疫疾患)にかかると、今まで持っていた免疫機能が正常に働かず、突発性発疹にかかってしまうことがあります。また、免疫を強く抑える薬剤の投与を受けると、体内で潜んでいたウイルスが再び活動してくることもあります。
大人になってから突発性発疹のような症状が出ても、症状が似ているだけの別の病気であることが多いのですが、もし突発性発疹になった場合は、後天的な免疫疾患の可能性があるので精密検査を受けたほうが良いでしょう。
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無症状のままで終わる突発性発疹などについて、ご紹介しました。「子供が突発性発疹かどうかわからない」と不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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