白髪染めで起きるアレルギー かぶれ?痛み?はげる?頻度に注意?病院に行くべき症状とは?
- 作成:2016/05/11
白髪染めには2種類のタイプがあり、どちらもアレルギーが起こることもあります。大変まれなケースではありますが、「アナフィラキシー」という重篤な症状が出ることもあります。症状や原因、注意点などを、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
白髪染めでアレルギーが起きる?
見た目に若々しい印象を与えるためにも欠かせないのが白髪染めですが、長年使い続けた製品なのに突然アレルギー症状を起こすことも珍しくありません。むしろ低年齢で毛染めを開始して回数が増えていくと、かぶれを起こす危険性は高まると考えられています。白髪染めは、「酸化染毛剤」と「非酸化染毛剤」の2種類に分けられますが、「酸化染毛剤」が主流となっています。ところがこの「酸化染毛剤」に含まれている「パラフェニレンジアミン」などの酸化染料がアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)を起こしやすいので注意が必要なのです。なお酸化染料が含まれていない白髪染めであっても、まれにかぶれを起こすことがあります。
酸化染毛剤は、毛髪内のメラニン色素を脱色すると同時に毛髪を染色するという2つの働きがあり、明るい色に染められる特徴があります。一方、非酸化染毛剤は、メラニン色素を脱色する作用がないため、黒または黒に近い色にしか染めることができません。
したがって白髪染めとしてよく使われる製品がかぶれを起こしやすいのです。白髪染めの前には必ず使用上の注意を読み、事前にパッチテストを行ってから毛髪を染めましょう。
白髪染めでかぶれや痛みが起きる?
白髪染めで皮膚にかぶれや痛みが起こることは珍しくありません。白髪染めで皮膚のかぶれや痛みなどが起こるのは、成分の刺激による皮膚炎である場合と、成分に対するアレルギーが原因である場合があります。なお、一度アレルギー皮膚炎を起こしたことがある場合、アレルゲン物質と似た成分を含む白髪染めを使用したときも、アレルギー症状が起こることがあります。酸化染毛剤で皮膚トラブルを起こした後は、酸化染毛剤以外の白髪染めを使用しましょう。また色持ちは短いですが、ヘアマニキュアは染毛剤とは異なるもので、アレルギーの頻度が低い多え、ヘアマニキュアを試してみるのも良い考えでしょう。
白髪染めで、はげることもある?
なお、白髪染め自体は、毛髪が抜ける成分は含まれていないため、直接はげる原因にならないという考えが一般的です。ただ、酸化染毛剤は、毛髪のメラニン色素を脱色して染料が髪の内部まで浸透するため、毛髪が傷みやすくなります。さらに白髪染めには、酸化染毛剤以外にも毛髪や頭皮に刺激を与える成分が含まれるため、白髪染めを使い続けると、抜け毛や薄毛につながる可能性が考えられます。白髪染めを使うときは、ヘアトリートメントなどで十分な毛髪ケアを心がけましょう。
どのような時に病院にいけばよい?
白髪染めを使用してから30分以内に、息切れ、咳、動悸、血圧低下、めまい、腹痛、嘔吐などが現れた場合は、アナフィラキシーを起こしている可能性があります。アナフィラキシーは生命の危険性がある重度のアレルギー反応です。これらの症状が現れた場合は、ただちに救急車で医療機関を受診しましょう。
かゆみ、発疹、腫れ、赤みなど皮膚に異常がみられた場合は、軽度の症状であっても一度皮膚科を受診することが望ましいとされています。医療機関で症状を抑える治療を行うだけでなく、今後トラブルが起きないように原因物質を考えることが必要ですから、使用した白髪染めのパッケージを持っていくのが良いでしょう。
なお、酸化染毛剤で一度でも皮膚トラブルを起こした場合、酸化染毛剤タイプの白髪染めは二度と使用することができません。白髪染めを使用するときは、成分を確認して毎回必ずパッチテストを行いましょう。
どれくらいの頻度で白髪染めをすべき?
酸化染毛剤タイプは、2カ月に1度、非酸化染毛剤タイプは1カ月に1度の頻度で使用するとされていますが、ある消費者向けのアンケートの結果では、「3カ月に1度以上」程度の方は8割程度という結果、つまり他の方は高頻度に使っている結果でした。また、年齢が上がるほど毛染めの頻度は増す傾向がありました。繰り返しますが、毛染めの頻度が高くなるほど、かぶれるリスクは高くなると考えられています。
毛髪の染まり方は、毛髪の太さや傷み方などにより個人差があります。製品に記載されている目安時間より長く処理して染めると、毛髪や頭皮に過度な刺激を与え、皮膚アレルギーだけでなく、アナフィラキシーを起こす危険性が高くなるため注意しましょう。
なお、白髪に黒髪用ヘアカラー使用すると、白髪が十分染まらなかったり、不自然な色に仕上がったりすることがあります。これは、白髪染めとヘアカラーは各目的に合った染料を配合しているためです。白髪を染めるときは、黒髪用のヘアカラーではなく白髪染め用の製品を選びましょう。
白髪染めの問題についてご紹介しました。白髪染め使用後の頭皮の状況などに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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