食べ物、化粧品、銀歯で金属アレルギーになる?ブラジャー、ベルト、カミソリとの関係も解説
- 作成:2016/10/07
金属アレルギーは、金属に接触するだけでなく、食べ物で体に取り込んだり、化粧品の現在量にまざった金属で発症することもあります。銀歯や日用品で金属アレルギーになる可能性を含めて、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は6分です
目次
- 食べ物でも金属アレルギーが出ることがある?
- 化粧品(ファンデーション、アイシャドウ、マニキュア)でも金属アレルギーが出ることがある?
- ブラジャーのホック、ベルトのバックル、カミソリでも金属アレルギーが出ることがある?
- 銀歯でも金属アレルギーが出ることがある?
食べ物でも金属アレルギーが出ることがある?
食べ物の中には天然成分として非常にわずかですが金属が含まれており、それが原因で金属アレルギーを引き起こすことがまれにあります。アレルギーがあるとわかっている金属を多く含んだ食品を毎日食べ続けるというライフスタイルは考え直してみても良いかもしれません。
しかし一方ではヒトが生きていく上で、「鉄」「亜鉛」「クロム(3価)」「マンガン」「コバルト」「セレン」「モリブデン」などの金属が必須であることはよく知られており、特に症状がない時に食品に含まれる金属に神経質になる必要はありません。【ニッケルを含む食品】
玄米・胚芽米・小麦麦芽・ソバ・オートミール、ピーナツ・枝豆など豆類すべて、ワカメ・ヒジキ・海苔・昆布など海藻類すべて、牡蠣(かき)・鮭・ニシン、ホウレン草・カボチャ・レタス・キャベツ、ベーキングパウダー、たばこ・ワイン・紅茶・ココア・チョコレート、ステンレスの缶詰食品
【コバルトを含む食品】
ナッツ・大豆・小豆、ワカメ・ヒジキ・昆布、ハマグリ・アサリ・ホタテ貝・いりこ、牛乳・チーズ・卵・レバー、キャベツ・キクラゲ、ビール・コーヒー・紅茶・ココア・チョコレート
【クロムを含む食品】
じゃがいも・玉ねぎ・マッシュルーム・リンゴ、香辛料、紅茶・ココア、ステンレスの缶詰食品
金属アレルギーの症状がある方は、アレルゲン(アレルギーの原因物質)がどの金属なのか特定し、その元素を多く含む食品が何なのかを知っておいても良いでしょう。しかし、特定の金属を含む食品を完全に除去することは事実上不可能であり、ごく少量の物質を摂取することが症状に影響するかどうかも不明です。また金属によっては生きていく上で必須のものもありますので、食べ物の制限が必要であるかどうかは、担当医によく相談して指示を受けるようにしましょう。
化粧品(ファンデーション、アイシャドウ、マニキュア)でも金属アレルギーが出ることがある?
化粧品にもさまざまな金属が含まれていることがあります。特に有名なのが「酸化鉄」です。酸化鉄には黒色・赤色・黄色の3種類があり、色調を整えるためには欠かせません。ファンデーション・アイシャドウ・チーク・マニキュアなど、色合いが重視される化粧品に広く使われています。また、紫外線をカットするためのUV化粧品にも含まれています。
酸化鉄には、不純物としてニッケル・クロム・コバルトが使われている場合があり、これらは汗と反応して金属アレルギーを引き起こしやすい性質があります。成分表には、金属名は表示されていないことがほとんどですので、注意が必要です。
酸化鉄以外にも、日焼け止めやファンデーションには、「酸化チタン」や「酸化亜鉛」が含まれていることがあります。酸化チタンはアレルギーを起こしにくいのですが、酸化亜鉛については体質によっては金属アレルギーの原因となる可能性があります。また、金や銀、プラチナ(白金)など、比較的アレルギーを起こしにくい成分を使用している化粧品もありますが、まったく起こらないわけではありません。皮膚炎が治りにくい時は、化粧品そのもののパッチテストを行ってアレルギー反応を起こしているかどうか確認するのが良いでしょう。
化粧品そのものだけでなく、化粧道具にも目を向ける必要があります。一例をあげると、まぶたの「治りにくい湿疹」の正体がビューラーの金属アレルギーということは日常的によく見られ、セラミックのビューラーに変更することで解決します。
ブラジャーのホック、ベルトのバックル、カミソリでも金属アレルギーが出ることがある?
接触型の金属アレルギーは、貴金属のアクセサリーだけでなく、ブラジャーのホックでも反応することがあります。下着類は、肌に直接触れるので、汗が金属成分を溶かして体内に入りやすくなるわけです。ホックだけでなく、ワイヤーやストラップ部分が原因となることもあります。対策としては、ホックは一番奥で留める、スポーツタイプのものを選ぶ、絆創膏などでカバーするなどの方法があります。
同様に、ベルトのバックルでも金属アレルギーを発症します。ベルトのバックル部分は、メッキ加工されていることが多く、メッキにはニッケルが使用されています。ニッケルは金属アレルギーを引き起こす代表的な成分です。また、ベルトが革製品である場合、なめしに使用するクロムが使われている可能性が高いです。クロムもニッケル同様、アレルゲンになりやすい金属です。
カミソリで肌が荒れやすい人は、刃部分に含まれるニッケルにアレルギー反応を起こしている可能性があります。最近ではチタン製のカミソリも開発されていますので、カミソリが疑わしい場合には、肌に合うものを選ぶのが良いでしょう。
銀歯でも金属アレルギーが出ることがある?
歯の治療の際、詰め物やかぶせ物、ブリッジなどに使われる金属を「歯科金属」といいます。歯科金属の当たる0・iほほ)や舌の粘膜に白色の変化がある場合は、歯科金属のアレルギーである可能性が高くなります。また、歯科金属が原因の全身性アレルギーの原因であったという事例もあります。そのような全身性アレルギーでは、金属と接触していない箇所にかゆみや湿疹などの症状が現れるため、関連性を確認することが大切です。本当に皮膚に出ている症状が歯科金属によるものであるかどうかを判断することは難しく、関連性がなかった場合では歯科金属を全て除去しても皮膚炎は改善しないということになりますから、慎重な判断が必要です。
以下は歯科治療に使われる主な金属です。
・金銀パラジウム合金(一般的な銀歯・詰め物・かぶせ物に使われます)
・ニッケルクロム合金(近年では使用は制限、一部個人輸入歯科で使われています)
・銀合金(神経を取った歯の土台などに使われます)
・アマルガム(20年以上前に、歯の治療によく使われていました)
これらにはコバルト、ニッケル、クロム、パラジウム、亜鉛、銅、水銀が使われています。非常にまれではありますが、唾液で溶けて摂取してしまうことにより、手や足、背中などの全身に現れるアレルギー症状を引き起こすことがあります。
保険が適用されるのは、金属を使用した歯科治療法のみとなっています。最近ではレジンやハイブリッドセラミックなど非金属性の素材が開発されていますが、いずれも保険適用外のため、費用が高額になります。金属アレルギーの原因となる物質がわかっている場合は、歯科医師に相談するとよいでしょう。
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金属アレルギーと食べ物・化粧品などの関係についてご紹介しました。「金属アレルギーかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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