金属アレルギー対策と注意点 食べ物、汗にどう対応?アクセサリー、化粧品、歯科治療の考え方も解説
- 作成:2016/10/07
金属アレルギーは、一度発症すると、完治しませんので、原因となる物質を可能な限り避けることが重要となります。食べ物や汗、アクセサリー、化粧品、歯科治療の考え方について、専門医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
金属アレルギー対策 食べ物は効果ある?
まず、金属アレルギーを治す食事というものはないということを念頭においてください。食べ物で効果のある金属アレルギー対策とは、食事性の全身型金属アレルギーに対して、原因金属を多く含む食品の制限指導のことを指します。食事性の全身型金属アレルギーは非常にまれなものですから、他の金属アレルギーと混同しないようにしてください。食品の制限は、歯科金属による金属アレルギーや日常的によくある金属による接触皮膚炎には効果は見込めません。
食事制限による金属アレルギー対策は簡単ではありません。まず通常のパッチテストだけでは、症状と因果関係があるかどうかの判断が難しく、原因物質の特定が難しいという理由があります。原因物質が特定できた場合も、どの食品にどのくらい含まれているかは品種・産地・栽培条件の環境や分析方法によって変動しやすいため、適切な摂取量を測ることは難しいです。
さらに、卵・牛乳・小麦等の食物アレルギーを合併している場合、幅広い食事制限が必要となり、栄養の偏りが心配されます。金属アレルギーの原因となる金属には亜鉛など人体に必須な元素もあるので、むやみに制限すればよいというものでもない点も、難しい点です。
生活の質の妨げや栄養失調にならないように、食事制限は最小限にすべきとの考えが医師の間では一般的です。自己判断で食事制限を行わないようにしましょう。
金属アレルギー対策 汗にはどう気をつけるべき?
金属接触アレルギーも全身性金属アレルギーも、汗をかくことで症状が悪化しやすいことが分かっています。適切な汗対策をすることは金属アレルギーの症状をやわらげることに役立ちます。
汗をかく季節には肌に直接触れるアクセサリーの装着は極力避けます。また、汗をかいたらこまめに清潔なハンカチやタオルでふき取ります。特に手のひらや足の裏、背中や首筋は症状が出やすいので注意しましょう。
金属アレルギー対策 ピアスカバーや市販のコーティング剤は効果ある?
ピアスは、皮膚に穴をあける時に傷のある部位に金属が密着することになるため、金属アレルギーが成立してしまいやすいという特徴があります。ピアスによるアレルギー反応を避けるためには、一度でもアレルギー症状を起こしたピアスは避けておくのが良いでしょう。また、樹脂やアクリル、チタン、ステンレス、プラチナといったアレルギーを起こしにくい素材を選ぶか、カバーやコーティング剤を使う方法もあります。
ピアスカバーとは、ピアスの軸とキャッチにカバーを付けて、金属部分が皮膚に触れないようにするものです。手持ちのピアスがそのまま使えて、手間もそれほどありません。ただし軸が太いピアスや、フックタイプのピアスには使えないなどの制約があります。
コーティング剤とは、透明マニキュアのようなものをピアスの金属部分に塗ることで肌との接触を防ぐものです。ピアスの形やタイプを選ばずに使えます。乾くのに時間がかかり、長時間経つとはがれてくることが難点です。
金属アレルギー対策 アクセサリー、化粧品、歯科治療などの考え方と気をつけるべきポイント
金属アレルギー対策は、何よりも原因物質に触れないことが大切です。アクセサリーは、接触した部分がかぶれやかゆみを起こした場合、すぐに使用を中止しましょう。特に汗をかく季節は注意が必要です。金属だけでなく、革製品でもアレルギー反応を起こすことがあります。
化粧品の場合は、金属アレルギーによる肌荒れなのかその他の理由なのか見分けるのが難しいのですが、特定の部位に炎症が起こる場合はその化粧品を疑ってみてください。特に、目の周りの場合はアイシャドウやビューラーによる金属アレルギーが疑われます。化粧品はなるべく長時間使用せず丁寧に落とすようにしましょう。皮膚炎のある時には化粧品を使わないようにすることも、アレルギーを避けるポイントです。
歯科治療の場合、セラミックなど金属アレルギーを引き起こさない素材で治療が可能かどうか医師に確認してみてください。ただし保険外診療のため費用が高額になる可能性があります。また、治療前から金属アレルギーだと分かっているケースはまれで、治療の結果症状が出ることがほとんどです。歯科医の間では金属アレルギーの理解が高まってきているので、金属アレルギーのある方は事前に相談しましょう。
金属アレルギーは一度発症してしまうと原因物質を避けながら、対症療法をするしか方法がありません。金属アレルギーが疑われる場合は皮膚科を受診して必要な場合はパッチテストで確認しましょう。
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金属アレルギーの対策や注意点についてご紹介しました。「金属アレルギーかもしれない」と不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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