胃がんの発症確率、なりやすい年齢・部位、再発率 10代、20代でも?再発に備える検診の重要性も解説

  • 作成:2016/07/12

胃がんは、現在でも男性で最も多く、女性は3番目に多いため、非常になる確率の高いがんといえます。発症しやすい年齢や部位、再発する確率を含めて、医師監修記事で、わかりやすく解説します。

アスクドクターズ監修医師 アスクドクターズ監修医師

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胃がんの発症確率
胃がんの発症年齢 よくなる年齢がある?10代、20代でもなる?
胃がんの好発部位はどこ?
胃がんの予後 再発率はどれくらい?
再発に備えた検診の重要性

胃がんの発症確率

1年間に新たにがんと診断される「罹患率」はがん全体で増加傾向にありますが、胃がんの罹患率は減少傾向であり、がん全体に占める割合は1980年代に男性37%、女性25%であったものが2006年には男性20%、女性13%まで減少しています。しかし、減少傾向とはいえ、現在でも男性で一番多く診断されているがんは胃がんであり、女性においても3番目であることも事実です。

また、国立がん研究センターによると、生涯でがんに罹患する確率は男性で62%、女性で46%とされています。つまり生まれて死ぬまでに2人に1人はがんになるということです。このうち胃がんに罹患する確率は、男性で11%(9人1人)、女性で6%(18人1人)と報告されています。

胃がんの発症年齢 よくなる年齢がある?10代、20代でもなる?

男性では、40歳以上で胃、大腸、肝臓などの消化器系のがんが多くを占めますが、70歳以上では消化器系のがんは減少し、肺がんや前立腺がんが増加します。女性では40歳代で乳がん、子宮がん、卵巣がんが目立ちますが、高齢になるほど消化器系のがんと肺がんが増加傾向となります。したがって、男女ともに、胃がんの好発年齢(よくなる年齢)は40歳代以降で増加傾向となり、逆に40歳以下の若年者では胃がんの罹患率は低くなります。

2011年のデータでは、60歳代の男性で人口10万人当たりの胃がんの罹患数が300人程度なのに対し、10歳代では0人、20歳代でも10万人当たり1人ほどと非常に少ないことが分かります。女性に関しては全体の罹患数は男性に比べて少ないため、60歳代で人口10万人当たりの罹患数は100人程度なりますが、10歳代、20歳代での胃がんの罹患数は男性同様に極めて少なくなっています。10代や20代でならないわけではありませんが、極めて確率が低いといえます。

胃がんの好発部位はどこ?

胃は、左上腹部(みぞおちの部分)から右の季肋部(きろくぶ、肋骨の下)にかけて横たわるように存在しています。胃の解剖学的構造は大きく3つの部位に分けることができ、胃の入り口である「噴門(ふんもん)」から始まり、上から「上部(胃底部)」、「中部(胃体部)」、「下部(幽門部)」となって、出口である「幽門(ゆうもん)」で終わります。また、胃の上側の弯曲している部分を「小弯(しょうわん)」、胃の下側の大きな弯曲を「大弯(たいわん)」と呼んでいます。

胃がんのうち、およそ80%は胃の中部から下部に発生し、さらに小弯側が好発部位となります。言い換えると、胃の幽門側2/3の小弯側が好発部位となります。ただし、胃がんのすべてがここから発生しているわけではなく、胃のどこからでも胃がんが発生する可能性はあります。

胃がんの予後 再発率はどれくらい?

がんの予後は5年生存率で評価していきますが、他のがん同様に胃がんに関してもステージが進むにつれて5年生存率は低下し、ステージⅣでは16%程度となってしまいます。ステージや予後を決める因子として重要なのが転移の有無です。早期がんであれば、転移があったとしてもほとんどがリンパ節に限られ、その頻度も10%程度となります。進行がんのように肺や肝臓などの臓器や腹膜播種をきたすことは稀であり、早期がんでは手術後の再発率も1%程度に過ぎません。したがって、早期がんであれば十分完治が見込め、リンパ節転移があったとしてもリンパ節郭清によって再発のリスクを大きく低下させることができます。

再発に備えた検診の重要性

胃がんの治療(手術)を受けた後は、再発などに備えて、定期的に検診を受けることがとても大切になります。特に再発の可能性が高いとされている2年間は、3カ月ごとに通院し、血液検査で腫瘍マーカーを検査したり、CT検査で再発がないかチェックします。一般的には5年間再発が無ければ完治と考えられています。

また、胃がんの手術を終えた後は徐々にもとの生活に戻っていくわけですが、術後は体力も落ちています。食事や排便のペースを掴みつつ、身体を動かして体力の回復を促すことも大切です。


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胃がんについて、発症確率、好発部位、年齢、再発確率などをご紹介しました。胃の痛みに不安を感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。

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