医師が思う「かかりつけ医の探し方」vol.1
- 作成:2021/03/23
日本医師会も国民に持つことを勧めている「かかりつけ医」。日頃の健康状態を把握してくれ、健康について何でも相談できるかかりつけ医は、いざという時にも頼れる存在です。 AskDoctorsでは今回、医師が思う、ご自身の診療領域における「かかりつけ医の探し方」について意識調査を実施。医師の皆様がかかりつけ医探しにおいて重視するポイントをご紹介します。
この記事の目安時間は3分です
【調査概要】
かかりつけ医探し、重視すべきポイントは?
回答期間: 2021年2月11日 (木)~17日 (水)
回答人数: m3.com医師会員443人
近所やネットの評判よりも重視すべきポイントは?
まずはかかりつけ医を選ぶ際に医師の皆様が重要だと思われる点を複数選択でお伺いしました。
Q.ご自身の専門とされている診療領域において「かかりつけ医」を探す際に、重要だと思われることをお選びください。(複数選択)
一般の患者さんが医院選びをする際に参考にすることが多そうな「近所での評判」や「ネットでの評判」は医師の方々にとってはそれほど重視しない項目になっているようです。実際に事実とは異なる誹謗中傷の口コミをネット上で書かれてしまうという経験をされている医師もおり、必ずしも当てになるわけではないと思われているのかもしれません。
では、医師の皆様はかかりつけ医を探すにあたり、実際にはどのような点を重視されているのでしょうか。
具体的なポイントを見てみましょう。
【医師の人間性、勉強熱心さ】
医師の人間性を挙げる意見が多く見られました。また、新しい治療方法などが常にアップデートされる医療の世界ですから、やはり勉強熱心で最新の知識を得る努力をされているかどうかを重要視する声も多く挙がりました。
- 研鑽を積まれている先生をお薦めしています。地域の勉強会や病院の勉強会に積極的に参加して実際にお会いしてそれなりに人柄等わかっている先生にお願いしています。(勤務医、外科系、男性、50代)
- 最新の知識があり的確な治療を施してくれること。そして患者への共感性が高く、治療方針に関して患者のライフスタイルに合わせた希望を取り入れてくれる。そのようなかかりつけ医がいてほしい。(勤務医、精神科系、男性、50代)"
- 開業のクリニックでかかりつけ医を選ぶうえでは、あまり医師の専門性や特別なスキルは影響しにくいと考える。最寄りの立地で、相性がよければいいと思う。(勤務医、耳鼻咽喉科、男性、40代)
- きちんと患者が納得できるように説明できるかどうか(勤務医、内科その他、男性、20代)
- 勉強熱心かつ患者への対応に問題を起こさない性格(勤務医、腎泌尿器科系、男性、40代)
- まず人間性、そして臨床経験だと思います。(勤務医、消化器科系、男性、50代)
- 適切な疾患フォロー、患者への対応の良さ(勤務医、外科系、男性、30代)
- 人間性が一番大事だと思います(勤務医、精神科系、男性、60代)
【他院との連携】
患者さんがかかりつけ医の専門外の病気だった場合、適切な医療機関への紹介が重要となります。日頃から総合病院や近隣の医療機関との連携があるかどうかは、かかりつけ医探しにおいて大切な要素となるでしょう。
- 総合病院への紹介やセカンドオピニオンを適切に行なってくれる(勤務医、外科系、男性、30代)
- 病診連携が充分に行えるかどうか。(勤務医、整形外科系、男性、60代)
- 周囲の医療機関との良好な関係性(開業医、腎泌尿器科系、男性、50代)
- 普段から連携があるか(勤務医、内科その他、男性、20代)
- きちんと説明ができる。また優秀な専門家とのルートを持っている医師が望ましい。(開業医、眼科、男性、70代)
【診療科によって重視したい項目も】
診療科によって重視したいポイントも多少異なるようです。それぞれのコメントを一部ご紹介します。
- 整形外科なので、足腰が悪い方、高齢者が多い。そのため自宅からの通いやすさは重視しています(勤務医、内科その他、男性、30代)
- 患者の疾患の経験があるかどうか、とくに呼吸不全が多いので、そのあたりの調整ができるかどうか(勤務医、脳神経系、男性、30代)
- どこまでの治療を実施できるのか?例えば、強化インスリン療法まで、SAPまで、など。(勤務医、内科その他、男性、40代)
- 専門医的な管理(利尿剤の調整/ 術後など)が多少なりとも必要かそうでないか(勤務医、循環器科系、男性、40代)
- すぐに検査ができる(勤務医、循環器科系、男性、60代)
信頼できるのは “専門医資格”
次に医師の皆様にかかりつけ医の専門性の評価に役立つものをお伺いしました。
Q.ご自身の専門とされている診療領域において「かかりつけ医」を探す際、専門性の評価に役立つと思うものをお選びください。(複数選択)
どの科を見ても圧倒的に「専門医資格の有無」という意見が多い結果となりました。専門性という点ではやはり資格を持っているかどうかが重要視されるのは納得です。
次に多いのは「所属学会」ですが、精神科を見ると「所属学会」の割合が他科より低く、「医学博士の有無」を重視する傾向があるようです。精神系に関しては、臨床心理士や心理カウンセラーなど、一般人から見たら似ているものと思われてしまう危険性があるからかもしれません。
「その他」を選んだ方も多いため、具体的な内容をいくつかご紹介します。
- 地域の勉強会や病院での勉強会にご参加頂いて研鑽されている先生にご紹介しています。(勤務医、外科系、男性、50代)
- その方の治療成績や、外科医なので手術のビデオ閲覧など。(勤務医、消化器科系、男性、50代)
- 病状悪化の際、入院先を確保できているかどうか。(勤務医、整形外科系、男性、60代)
- 手術経験数など数字で評価できるもの(勤務医、内科その他、男性、30代)
- 地域連携の会、患者さんからの情報(勤務医、循環器科系、男性、40代)
- 患者層や、対象疾患の記載。(勤務医、脳神経系、男性、30代)
- 周囲の医療機関の評判(開業医、腎泌尿器科系、男性、50代)
かかりつけ医の探し方においては診療科によって多少差はあるものの、全体的には勉強熱心であるかどうかや患者さんへの対応の仕方を含む「医師の人間性」を最も重要視する意見が多い結果となりました。
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