医師が思う「かかりつけ医の探し方」vol.2
- 作成:2021/04/06
患者の理解も不可欠?セカンドオピニオンの注意点。日本医師会も国民に持つことを勧めている「かかりつけ医」。日頃の健康状態を把握してくれ、健康について何でも相談できるかかりつけ医は、いざという時にも頼れる存在です。 Ask Doctorsでは医師が思う、ご自身の診療領域における「かかりつけ医の探し方」についてお伺いしました。前回は医師の皆様がかかりつけ医探しにおいて重視するポイントをご紹介しましたが、本記事ではセカンドオピニオンを取る際の注意点などをお伝えします。
この記事の目安時間は3分です
【調査概要】
かかりつけ医探し、重視すべきポイントは?
回答期間: 2021年2月11日 (木)~17日 (水)
回答人数: m3.com医師会員443人
どうする?かかりつけ医との相性が悪いと感じたとき
医師と患者とはいえ人との相性ですから、かかりつけ医と合わないということもあるはず。そんなとき、医師の皆様が勧める対処法を聞きました。
基本的にはやはり主治医や病院を変えるという意見に集約した形となりました。ただ、まずは問題点を主張し話し合うという意見も。
- 患者が相性悪いと感じている時は、医師の方も大抵感じているので、かかりつけを変えた方がいい。方法は、仕事や介護などの都合で、通うのが大変になったから等が使いやすい。(開業医、腎泌尿器科系、男性、50代)
- 転勤転居など、差し障りのない理由を挙げ、紹介状を書いてもらい転院する。受診するたびにストレスになるような医師を自分のかかりつけ医にすべきではない。(勤務医、精神科系、男性、50代)
- 主治医をかえてもらうか、病院をかわる。病院をかわるなら紹介状を作ってもらうのは最低限のマナー。(勤務医、外科系、男性、30代)
- 都市部であれば他院を勧める、過疎部であれば致し方無し。通い易さが優先されると思うので。(勤務医、循環器科系、男性、40代)
- 一応意思の疎通を図って改善しなければ変更(開業医、小児科系、男性、50代)
- 他のメリットが凌駕していれば話し合う(勤務医、消化器科系、男性、60代)
- 多いに問題点を主張すること。(開業医、内科その他、男性、60代)
「セカンドオピニオンを取りたい」そのとき医師は?
セカンドオピニオンを検討しているものの、かかりつけ医に伝えることを遠慮してしまう患者さんも多いのではないでしょうか。
そこで医師がセカンドオピニオンについてどう思っているのかについて伺いました。
Q.ご自身の患者さんがセカンドオピニオンを取ることについて、率直にどのように感じられますか。
結果として患者さんがセカンドオピニオンを取ることについては「気にしない」という意見が多くを占めました。回答者数が少なく割合が多い科もありますが、おしなべて7割以上の医師は気にしないと思われているようです。 根本に患者さんにとってより良い医療を、と考えていらっしゃる医師が多いのではないでしょうか。
- セカンドオピニオンは積極的にお薦めしています。それでこちらを受診しなくなっても患者さんにとって良ければ良いと判断しています。(外科系、男性、50代)
大半の医師において患者さんがセカンドオピニオンを取ることを気にしない中、困った事例はあるのでしょうか。約4分の1の医師がセカンドオピニオンに関して困った経験が「ある」と回答しています。
Q.セカンドオピニオンに関連して、これまで困った経験はありますか
医師がセカンドオピニオンで困ったと感じた経験はどのようなものだったのでしょうか?
- 他院の紹介状なく、患者さんの医師で直接受診される場合。どういうアセスメントなのかも分からず、同じ検査を無駄に繰り返すのも医療費の観点から望ましくないので、対応に苦慮する。(勤務医、脳神経系、男性、30代)
- 患者や医師が前医に相談無く、データなどを持参する。(勤務医、産婦人科系、男性、50代)
- 紹介と勘違いしてる医師、患者が多い(勤務医、循環器科系、男性、40代)
- 有料と思っていない(開業医、眼科、男性、60代)
Q.患者さんがセカンドオピニオンを取るうえで注意すべきだと思うことがあれば教えてください。
- セカンドオピニオンと紹介は違うことをきちんと理解しておくことです。時々、セカンドオピニオンを紹介と勘違いして希望される患者さんがおられ、当方が説明をし直す場合があります。(勤務医、脳神経系、男性、60代)
- 診療に必要な十分な情報を正しく伝える事が肝要。 (勤務医、眼科、男性、60代)
- セカンドオピニオンでの説明が、必ずしも自分に最も良い選択ではない可能性に留意すること(開業医、腎泌尿器科系、男性、50代)
- なぜセカンドオピニオンしたいのかを明確にしておく事。保険診療と費用が異なる事。(勤務医、循環器科系、男性、40代)
- なかなか言い出しにくいかもしれませんが、遠慮せずご相談下さい。(勤務医、外科系、男性、50代)
- 患者さんが積極的な治療を受け入れる気持ちを有していること。(勤務医、整形外科系、男性、60代)
- 聞きたいことは最初から全てノートにまとめておく必要がある(勤務医、内科その他、男性、50代)
- セカンド・オピニオンの意味を十分理解してからかかること(勤務医、整形外科系、男性、40代)
- 主治医にそれを伝えて情報をしっかりと持参すること。(勤務医、脳神経系、男性、30代)
- 自費であること 新たな検査はできないこと(勤務医、内科その他、男性、60代)
- 冷静にご自分の利益だけを考えること。(開業医、内科その他、男性、60代)
- あまり狭い了見で話さない方がいいかと(勤務医、耳鼻咽喉科、男性、40代)
- 前医に対する敬意を失わないこと(勤務医、小児科系、男性、60代)
ご自身の健康管理の上でも大切なかかりつけ医の存在。患者さんにとって最善の医療を提供したいと考えていらっしゃる医師が多いため、医師との相性が合わないと感じたときは一度相談してみてはいかがでしょうか。
ただ、スムーズに治療を移行させるためには、セカンドオピニオンがどういうものかを理解すること、病院を変わる際は紹介状を作成してもらい正しい情報を次の病院に持参することなど患者側の理解と行動も重要です。本記事の医師の皆様のご意見が参考になりましたら幸いです。
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