ご存じですか?病院でもらえる処方箋の期限【医師監修】
- 作成:2021/08/01
病院を受診した際に受けとる「処方箋」、薬局で薬をもらうのに必要な書類ですが、実はこれには期限があります。今回は、意外と知られていない処方箋の期限について解説します。
この記事の目安時間は3分です
Q.処方箋に有効期限はない?
A.発行日を含めて「4日間」という期限があります。
期限の切れた処方箋では、薬局で薬をもらうことはできません。病院で処方箋を再発行してもらう必要があります(これにかかる費用は基本的に全額自費となります)。
処方箋の有効期限は、発行日を含めて4日間
薬をもらう際に必要な「処方箋」ですが、処方箋の使用期限は原則、発行された日を含めて4日以内、と定められています1)。この期限を過ぎた処方箋では、薬を受けとることはできません。また、薬局で期限切れの処方箋に対して疑義照会をして「期限延長」をすることも、法律上できません。そのため、改めて病院を受診し、処方箋を再発行してもらう必要があります。
この期限は処方箋にも明記されてはいるのですが、文字が小さく目立たないため、多くの人は意識して見たことがないかもしれません。もし次回、処方箋をゆっくりと見る機会があったら、「処方箋の使用期限」と書かれた欄を探してみてください。ほとんどの場合は「空欄」になっていると思いますが、その場合は原則で定められた、発行された日を含めて4日以内、が期限になります。
日曜日や祝日も含めた「4日以内」なので、期限切れは意外と起こしてしまう
この処方箋の期限は、4営業日以内ではなく、日曜日や祝日も含めた4日以内です。医療機関は、日曜日や祝日、木曜日、土曜日の午後などがお休みのところが多いため、うっかりと期限切れを起こしてしまうことが少なくありません。
たとえば、金曜日の夜にもらった処方箋を「今日はもう遅いから」といってその日(1日目)は薬局に寄らずに帰ったとします。翌日の土曜日(2日目)、午前中はバタバタしていて薬局に行くのを忘れてしまうと、土曜の午後、日曜日(3日目)は薬局が開いていません。週明けの月曜日(4日目)が祝日だと、もう次の営業日である火曜日は「5日目」になるため、期限を過ぎていることになります。こうした祝日、あるいはお盆・年末年始のお休みを挟むときは、医療機関と薬を貰う予定の薬局の営業日・時間をしっかりと確認しておくようにしましょう。
なお、薬の内容に変更がなく、手元にまだ薬も残っていて余裕があるという場合には、その日のうちに薬局へ処方箋を提出するだけしておいて、薬を受け取るのは後日にする、という方法をとることもできます。このとき注意してもらいたいのは、「処方箋のFAXを送っておく」のは「処方箋の提出」の代わりにはならない、ということです。薬局には必ず、処方箋の原本を期限内に提出するようにしてください。
特別な事情がある場合は、期限を延長できる
長期的な旅行や出張、やむを得ない事情などによって4日以内に処方箋を薬局に提出できない場合は、医師が予め処方箋の期限を延長しておく、という対応をとることができます1)。ただしこれは、期限が切れてからの延長ではなく、処方箋が発行される際に予め延長しておく、という対応です。期限が切れてしまった処方箋は、その時点で法律上は”ただの紙切れ”という扱いになります。そのため、”ただの紙切れ”になってしまったものに対して、医師や薬剤師が後付けで何かを記入して期限を延長し、処方箋としての法的な有効性を復活させる・・・ということは不可能です。
そのため、4日以内に薬局へ行けない可能性がある場合には、病院を受診した時点でその旨を医師に伝え、期限を延長した処方箋を発行してもらう必要があります。凄く手間のかかるようなものではありませんので、ぜひ気軽に相談をしていただければと思います。
(参考文献)
1) 保険医療機関及び保険医療養担当規則 第20条の3 イ
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