遠方に住む両親でも安心 薬局が薬を配達してくれるサービス
- 作成:2021/12/14
介護保険を利用して、保険薬局の薬剤師が自宅へ薬を配達するとともに、飲み合わせの確認や服用がしやすいように薬の管理などを行ってくれます。こちらは、介護保険の申請をしていなくても、医療保険で同様のサービスを受けることもできます。
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薬局による在宅医療のサービス
日本の高齢化が進み、医薬分業も進展しているため薬局や薬剤師のあり方も変化しています。平成27年に厚生労働省が「患者のための薬局ビジョン」を策定しました。”かかりつけ薬剤師”や”かかりつけ薬局”を持つことで、薬による副作用や重複投与を防止するために服薬情報の一元的に管理することや、患者さんへの24時間の対応などを薬局や薬剤師に求めました。そしてその中に、「在宅患者への薬学的管理・服薬指導」も含まれています。
具体的には、複数の医療機関でもらっている薬を飲みやすいようにまとめて調剤、副作用などの管理、定期的な訪問による他職種への情報共有などがあります。自宅にいながらも薬剤師が訪問することで、薬局に処方箋を持参して薬をもらうのと変わらないサービスを受けることができます。
薬局の在宅医療サービスにかかる費用
介護保険を申請している患者さんの家を、薬剤師が訪問して在宅医療サービスを受けた場合、1回の訪問につき517点の算定となります。それぞれの患者さんごとで介護保険の負担割合が異なりますが、1割の負担の場合は517円を薬局に支払います。そして、こちらの金額とは別に薬剤費などが必要になります。
介護保険の申請をしておらず、医療保険を利用してサービスを受ける場合は、1回の訪問につき650点の算定となるので、1割負担の場合は650円を薬局に支払います。
その他に、処方薬に麻薬が含まれる場合や、臨時の処方で訪問してもらった場合などはその都度料金が必要になります。詳しくは、ケアマネージャーや訪問してくれる薬局や薬剤師に問い合わせてみてください。
薬局による在宅医療の始め方
薬局から在宅医療のサービスを受けるためには、医師による薬局への”訪問指示”が必要になります。そのために、患者さま本人やご家族が直接医師に在宅医療を受けたい旨を伝える、担当のケアマネージャーや看護師など身近な介護サービスに関わる人に伝える、かかりつけの薬局や薬剤師に伝えるなど様々な方法があるので、相談しやすい人を探しましょう。
在宅医療を受けたい旨を医師が聞いて、訪問の必要があると判断すると、医師から薬局に処方箋とともに訪問の指示を出してくれます。医師からの訪問指示を薬局が受けると、患者さんごとの訪問計画を策定し、処方箋の薬を用意して患者さんの自宅を薬剤師が訪問します。
薬局の介護保険による在宅医療サービスを始める場合は、薬局と患者さんでサービスの契約を結ぶ必要があります(契約書の記入は家族など代理人も可)。初回の訪問時は、契約とあわせて、具体的なサービスの説明や訪問頻度などの話をする必要があります。
ケアマネージャーや身近な医療者に相談しましょう
高齢の家族が遠方に住んでいる場合には様子を見に行くことが難しく、しっかりと薬が飲めているかや副作用などが起きていないかなど心配になることがあると思います。そのような場合に、薬局の在宅医療サービスを利用して、より良い治療を受けることができます。
高齢の両親が、薬局による在宅医療を受けられるかどうかを知りたい場合、介護保険を申請している方は担当のケアマネージャーに、介護保険の申請をしていない方はかかりつけの医師や薬剤師にまずは相談してみましょう。
執筆:薬剤師K 調剤薬局勤務、薬剤師10年目
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