2歳で便秘 市販薬が効かなければ病院に行くべき?
- 作成:2022/01/21
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、子どもの便秘に悩むお母さんからのご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
2歳11ヶ月の子どもが、便が出なくて今日で4日経ちました。
ここのところ便秘がちでしたが、それでも4日目には出ていました。
(ただ、前回も3日ぶりくらいに出た便だったので、出にくく固そうでした。)
本人の機嫌は良く、普段通り食べています。
市販のマルツエキスや宇津こども整腸剤というものを飲ませても今のところまだ出ていません。
明日土曜日の午前の受診を逃すと月曜日になってしまうので、病院に行くべきか迷っています。
病院に行くと、やはり浣腸した方がいいと言うものでしょうか?何か内服薬で様子見ということもありえますか?
とても慎重で繊細な子なので、浣腸とかすると排便がトラウマになりそうで怖いです。
受診をすべきか、また、受診をした場合にどのような感じになるのか分からず相談させて頂きたいです。
医師の回答
便秘症は子どもの日常診療でよく見かける病気ですね。日本での調査はありませんが、海外の調査では 発症率は29.6%という報告もあり、子ども達の生活の質に関わりますよね。
便秘症の治療は「便秘でない状態」が続く事を目標に行うことが原則です。「便秘でない状態」とは、苦痛を伴わない排便が週3回以上認められ、腹痛など便秘症に伴う症状が認められず、患者や家族の生活の質 (Quality of life)が損なわれてない状態を指します。
便秘症の治療は主に次の流れで行われます。まずは生活習慣の指導が大切です。便が詰まった状態であれば、便のかたまりを除去することが最優先です。
日本小児栄養消化器肝臓学会が出している小児慢性機能性便秘症ガイドラインでも、治療の目安となる日数の規定はありません。目安としては3日以上便がでなければ浣腸をしてあげて、スッキリさせてあげるのが良いでしょう。よく「浣腸はしすぎると癖になる」ということを言うひとがいますが、科学的根拠のないデマです。癖になるというエビデンスはありません。
治療は浣腸など便を出す薬の次に、内服薬も効果があります。便に水分を呼び込んで柔らかくする作用のある浸透圧性下剤も有効です。実際には酸化マグネシウムは一番多く使われています。また腸の蠕動運動を促す下剤であるピコスルファートナトリウムもよく使われています。
子どもの便秘を慢性化させない為には、子どもの排便を親がチェックしてあげる事は大切です。毎日便が出ているかどうか、トイレで気張っている時間が長すぎないかどうかなどを把握しておくのは親にできることです。便秘は苦しいものなので、浣腸や薬を使ってその苦痛を和らげてあげるのは子どもの毎日の生活において重要です。
参考文献)
#1. 日本小児栄養消化器肝臓学会. 小児慢性機能性便秘症ガイドライン 2013
今西 洋介
小児科医/新生児科医
日本小児科学会専門医、日本周産期新生児専門医。日本小児科学会健やか親子21委員。大阪大学公衆衛生学博士課程在籍。講談社モーニング連載コウノドリの漫画・ドラマの医療監修を務めた。m3(エムスリー)、Askdoctors、yahoo外部執筆者として公衆衛生学の視点から周産期医療の現状について発信。
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