赤ちゃんの便秘の原因 離乳食?母乳?病気?「ディスケジア」とは?
- 作成:2016/05/06
赤ちゃんの便秘の原因は、離乳食や母乳が原因となっている場合があります。それぞれ対応する方法がありますが、病気が隠れている場合もありますので注意しましょう。赤ちゃんの便秘の原因について、医師監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
赤ちゃんの便秘の原因 母乳編
離乳食前の赤ちゃんの便秘の原因として、母乳またはミルクを取る量が少ないことが考えられます。特に母乳や混合栄養の場合は、赤ちゃんがどれだけ飲んでいるのかわからないので、注意して見守る必要があります。お母さんのおっぱいの張りが少なかったり、赤ちゃんが乳首を離そうとしなかったり、授乳間隔が短い場合は、母乳が足りていないのかもしれません。母乳が足りているかどうかは定期的に体重を測ることでわかります。体重が順調に増えていないようであれば、ミルクを足す必要があるかもしれません。ただしミルクでは、母乳だけで育てている場合よりも排便数は少なくなります。
赤ちゃんの便秘の原因 離乳食編
すでに離乳食が進んでいる中で便秘の症状がある場合は、食事の量と内容に気を配る必要があります。まず食事の量が少なすぎると便意を感じにくくなります。離乳食の量が少ないようなら、母乳やミルクで補ってみてください。水分補給は大切ですが、白湯(さゆ、何も入っていないお湯)を飲ませても便秘の改善はわずかです。糖分を含んでいると便が柔らかくなり、硬い便が原因の便秘であれば改善することがありますが、虫歯には注意しましょう。
また食事の内容も見直してみましょう。大人の便秘予防と同様に、離乳食にも食物繊維が豊富な食品をとりいれましょう。例えばゴボウやサツマイモなどの根菜類には食物繊維が豊富に含まれています。
豆類やイモ類は、腸でのガスが発生しやすくなります。果物やヨーグルトは排便を促し、腸を正常な状態に保つのに効果的です。オリゴ糖は正常腸内細菌が増える助けをしますから、毎日少しずつ与えるとよいでしょう。
赤ちゃんの便秘の原因 病気編
赤ちゃんの便秘は、生まれつきの病気が原因になっていることがあります。
生まれつき肛門が開いていなかったり、小さかったり、ずれていたりする場合があります。このような肛門の奇形を「鎖肛(さこう)」と呼び、1000人に一人くらいの割合で見られます。たいていは生まれてすぐに体温を測る際に、直腸に体温計が入らないことから見つかり、治療には手術が必要です。肛門の位置によって手術やその後の治療方針は変わりますが、赤ちゃんのうちは人工肛門で代用し、筋肉の発達が進んでから肛門を作る手術を行う場合もあります。
「ヒルシュスプルング病」という病気の場合もあります。この病気は、肛門は正常ですが、生まれつき腸の神経細胞に異常がある病気です。そのため腸の蠕動運動(ぜんどううんどう、腸が動いて食べ物などを運ぶ動き)ができずに収縮せず便を押し出すことができないため便が出なくなります。症状がひどくない例もあり、1歳を過ぎてからようやく見つかることもあります。しかしこの病気では便秘の症状がひどいことが多く、お腹が異常に張ったり、嘔吐を繰り返したりします。重い腸炎を起こして危険な状態になる場合もあります。手術では異常の見られる部分の腸を切り取って、正常な部分と肛門をつなぐ手術が行われます。傷口を小さくするために、最近では腹腔鏡手術、または肛門から器具を入れて手術を行います。
いずれの場合も専門医による詳細な診断が必要になりますので、たかが便秘だからと軽く考えずに、少しでも気になる場合はかかりつけの小児科を受診するようにしてください。
「ディスケジア」って何?
6カ月くらいまでの赤ちゃんの中には排便そのものが上手にできない子がいます。便を出そうと思うのに。出すタイミングで肛門をゆるめることができず便が出せないのです。そのため便が硬くなくても、排便がスムーズにできないことがあります。これを「ディスケジア」といいます。便が硬くなっている便秘とは異なりますので特に治療は必要ではありません。腸のマッサージや綿棒で肛門刺激をすることで、排便が促されます。
赤ちゃんの便秘の原因についてご紹介しました。赤ちゃんの便秘に不安に感じている方や、疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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