些細なことでふさぎ込む夫、どう対応したら?
- 作成:2022/02/05
AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、些細なことでふさぎ込む夫にどう対応したらいいか、というご相談です。
この記事の目安時間は3分です
【今回のお悩み】
主人は38歳営業職、車で営業を回っています。6年くらい前に、仕事やプライベートのゴタゴタで心身に支障が出て、統合失調症の疑いとなり投薬を続けています。その後、私と結婚して家を建てる計画など、責任が増えて最近考えすぎることが増えたようです。私の給料と比べたり(私は公務員です)、些細なことで怒ったり塞ぎ込んだりすることが少し見られるようになりました。意欲や自尊心低下で考えすぎているようですが、いい声掛けや対応の仕方があれば教えてください。(30代・女性)
医師の回答
ストレスで視野が狭くなっている可能性がある
ご質問ありがとうございます。
まずは病気にかかわらず、些細なことで怒ったりふさぎ込んだりするよう方への接し方についてお話しましょう。
こういった場合、責任が増えてストレスを感じていたり、自尊心などが低下したりしている場合が考えられます。ちょうど今のご主人のような状態ですね。自分ではいいところに目が向かず、悪いところにばかり目が向いてしまっていることがあります。
周囲の接し方としては、できていないところよりもできているところを伝えるようにしましょう。例えば、ご主人の場合は毎日きちんと仕事に行けていること、そのおかげで助かっているということを明確に伝えましょう 。ポイントとしては、上から目線にならないように感謝と共に伝えることです。
今のままの治療でいい? 見直しを検討することも重要
次に、ご主人のご病気についても考えていきましょう。
ご主人は統合失調症の疑いということで、通院投薬をなさっているのですね。
統合失調症の場合、一般的にストレスに弱くなってしまい、些細な刺激で不眠やイライラ等が出てしまうことがあります。また、意欲がなくなったり、感情とくにポジティブな感情が出にくくなったりする「陰性症状」というものがあります。
統合失調症では薬の治療が非常に大事になります。お薬の調整がうまく行くと気になっている症状が緩和されることも多いです。
まずは上記のような様子があることを、奥様同伴で主治医の先生にお話しいただくといいと思います。急に行くと時間が取れないかもしれないので、予めご主人から「次回は妻が同行して詳しく話をしたい」などと伝えておいてもらうとよいでしょう。
一方で、少し気になるのは6年間も「疑い」という病名のまま治療が続いていることです。もちろん確定診断には至らなくとも、かなり疑わしいということで統合失調症の治療を続けていくケースもあります。
いずれにしろ6年間の経過を改めて確認して治療方針を再確認するのもいいと思います。
主治医の先生に相談、必要に応じてセカンドオピニオンという形を取るのもよいでしょう。
ご参考になれば幸いです。
弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。
note: https://note.com/music_takahiro
Twitter: https://twitter.com/djbboytt
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