「もしも大病が見つかったら…」恐怖心から、健康診断を受ける勇気が出ません

  • 作成:2022/02/27

AskDoctorsに寄せられたお悩みをマンガで紹介し、医師からの回答を紹介する本シリーズ。今回ご紹介するのは、健康診断を受ける勇気が出ないというご相談です。

この記事の目安時間は3分です

「もしも大病が見つかったら…」恐怖心から、健康診断を受ける勇気が出ません 「もしも大病が見つかったら…」恐怖心から、健康診断を受ける勇気が出ません

【今回のお悩み】
初めまして、私は30歳です。子供が2人います。
30歳までほとんどまともに健康診断を受けていません。
専業主婦であったことや、精神的な病気になってしまい、病気に対する恐怖心から健康診断を受ける勇気がありません。受けて安心したい反面、恐怖心からなかなか受けることを躊躇ってしまいます。お医者さんよりアドバイスを頂けたらと思います…。
血液検査、心電図、血圧だけは受けております。(30代・女性)

医師の回答

まずは「健診」「検診」の違いを理解する

ご質問ありがとうございます。
まだまだ長い人生が待っている方ですので、ご自身のためにも、ご家族のためにも、健康や生活を見直す機会として、健康診断を活用される意義は大きいと思います。でも、健康診断を受けて重篤な病気が発覚するのではないかと、心配されているのですね。
まずは、健康診断がどういうものなのか、正しく理解するところから始めてはいかがでしょうか。

ひとくちに「けんしん」と言ったときに、実は「健診」と「検診」の二種類があります。
同じ音ですので混同されがちですが、「健診(健康診断)」はご自分の身体の健康度合いをはかり、生活習慣を見直すことを目的としています。一方で「検診」は、がんなどの特定の病気がないかを検査する目的で行われます。

一般的な健康診断での検査項目は、身長、体重、腹囲、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図検査、胸部エックス線検査、聴力検査、視力検査などが挙げられます。
血液検査の項目内容を確認する必要はありますが、すでにおおむねの検査は受けておられ、特に心配がいらないことが分かっているのではないでしょうか。

健康保険協会や組合によっては、加入者家族の健診(「主婦健診」ともいいます)を割安で受けられることがありますし、お住まいの自治体が無料で実施している健康診断(自治体健診)を受けられることもありますので、ぜひ調べてみてください。

「がん検診」は選りすぐりの検査。ぜひ受診を

健康診断の項目で特に問題がなかったのであれば、今度は「検診」を活用していきましょう。検診の種類としては、歯周疾患検診、骨粗しょう症検診、肝炎ウイルス検診、がん検診などがあります。特にがん検診は、やみくもに実施されているわけではなく、がんによる死亡率が減少することがわかっている、選りすぐりの検査です。

お住まいの市区町村から、検診の無料(または低額)のクーポン券(受診券)が送られてきていると思います。もし、お手元に届いていないようでしたら、役所などにご確認ください。

健診にしても検診にしても、全ての病気がわかる魔法の手段ではありません。
「自分の健康は自分で守る」が鉄則ですので、定期的な健康状態の確認を行うこと、体調が悪い時には受診をすること、この二点でご自身とご家族の健康を守っていきましょう。

林 安奈(はやし・あんな)

VISION PARTNERメンタルクリニック四谷 パートナー医師/精神科医・産業医

東京女子医科大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学病院にて臨床初期研修修了後、東京女子医科大学精神医学講座に所属し、同大学の緩和ケアチームや吉祥寺病院等で精神科医として研鑽を積みつつ、医学博士号取得。現在は多くの企業で産業医としても活動している。

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