生理中、妊娠中、風邪で健康診断はOK?乳癌検診はダメ?
- 作成:2016/01/20
生理中の健康診断については、ほぼ問題ありませんが、尿検査で「尿に血が混じっている」という結果が出てしまうことがありますので、注意しましょう。それでは、妊娠中や風邪の際も、健康診断をどうしたら良いのでしょうか。生理中の乳癌検診の是非を含めて、専門の医師の監修記事で、わかりやすく解説します。
この記事の目安時間は3分です
生理中の健康診断、ほぼ問題ないが
生理中の健康診断は大部分、問題なく検査ができます。しかし検査そのものが無意味であったり、結局再検査が必要であったり、結果の解釈が変わるものもあります。
よく問題になるのは尿検査です。尿を採取するときに生理の血液が混入すると「尿潜血で陽性(尿に血が混じっている)」と結果が出てしまいます。尿潜血陽性は腎臓疾患や尿管結石などを疑うときの症状ですので、再検査や精密検査を勧められてしまいます。
その他に貧血の検査でも、生理中は値が低く出がちです。生理中であっても貧血があるといわれた時には、普段から赤血球が少ない可能性があるので、経過をみたり貧血として治療を開始することもあります。
生理中は、乳がん検診も控えるべき
乳がん検診でも生理中の受診は控えるように言われています。女性ホルモンの影響で乳腺(母乳の出る皮膚の組織)が増えるので、触診でも乳腺が腫れているように感じられます。エコーやレントゲン検査でも病気が見つけにくいので、生理後に検査をうけるようスケジュール調整しましょう。
妊娠中は検査項目の検討を
妊娠中でも健康診断を受けるようにいわれることがあります。その場合は可能であればかかりつけの産婦人科で検査項目をみてもらい、どれを受けたらよいか相談しましょう。一般的にはレントゲンを使う検査(胸部X線、胃透視(バリウムを飲む検査)、CT)は放射線への被爆の可能性があるので避けるよう指導されます。そのほかに産婦人科で定期的に行っている尿検査や血液検査はしなくて良いといわれるかもしれません。
ただ産婦人科で全身を見ているわけではないので、検診そのものをすべて受けないというのは問題があります。会社にも妊娠中であることや産婦人科で受けた検査結果を見せて、検査項目をどこまで減らしてよいか相談しましょう。また検査結果も妊娠中は基準値が変わるものもありますので、必ず問診(医師が体調などを質問する行為)の際に、妊娠中であることを伝えましょう。
風邪の際は日程変更が望ましい
風邪を引いた時の健康診断は可能であれば日にちを変更するのがよいのですが、難しい場合はどのような検査に影響が出るのでしょうか。
よく異常値になるのは白血球数です。白血球は、体に風邪のウイルスが入ってきたときに増加して、ウイルスと闘っています。そのため白血球数が多いといわれることがあります。白血球数が増加するほかの病気としては、細菌などの感染症や白血病がありますので、再検査を勧められますが、風邪が治ってから再検査をして基準値内に戻っていれば、まず問題ありません。
また、尿検査では尿たんぱくが陽性になることがあります。尿たんぱくが陽性になるときは、通常の場合、腎臓疾患が考えられるため、こちらも風邪が治ってから再検査が必要です。
風邪の場合も、問診では正直に体調を申告しましょう。また、ほかの人に風邪をうつさないようにマスクをして検診を受けましょう。
生理中、妊娠中、風邪の際の健康診断についご紹介しました体調不良などがあり、健康診断を受けてよいか不安に感じている方や、この病気に関する疑問が解決されない場合は、医師に気軽に相談してみませんか?「病院に行くまでもない」と考えるような、ささいなことでも結構ですので、活用してください。
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