献血についての疑問!薬を飲んでいたら献血できないって本当ですか?

  • 作成:2022/04/20

「なんらかの薬を飲んでいる人は献血できない」……そう思っている人は多いですが、実は飲んでいる薬の種類によっては問題なく献血できることも多くあります。コロナ禍で大規模イベントが開催されない状況が続いていることで、血液の供給が追い付かず常に血液不足が続いています。“献血をやってみようかな”と感じた方は、ぜひ一度検討してみましょう。

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献血についての疑問!薬を飲んでいたら献血できないって本当ですか?

(画像素材:ピクスタ)

薬を飲んでいる人が血液を提供できない理由

基本的に、飲んだ薬はまず胃で溶けた後、小腸から血液中に吸収され、全身を巡ってその効果を発揮します。そのため、薬を飲んでいる人の血液中には、その薬の成分がそれなりの濃度で存在していることになります。この血液をそのまま輸血すると、献血をしてくれた人が飲んでいた薬の作用が、血液を受け取った人にまで現れる可能性があります。

このことから、血液を受け取った人に大きな影響を与えかねないような薬を飲んでいる人の場合は、献血を控えていただく仕組みになっています。

しかし、使っている薬が血液を受け取る側にとってそれほど大きな影響を与える恐れのないものの場合や、あるいは薬を使ってから時間が経過していて既に血液中には薬の成分がほとんどなくなっているような場合には、薬を飲んでいても200mLや400mLの献血ができるケースもあります。

服用していても献血できる薬、献血できない薬

ビタミン剤や漢方薬、花粉症の薬(抗ヒスタミン薬)、胃薬、便秘薬、高血圧や脂質異常症の薬などは、薬を飲んだ当日でも献血することができます。こうした薬であれば、血液中に成分があったとしても、それが大きな副作用や健康被害に繋がるようなものではないと考えられるからです。また、目薬や点鼻薬・吸入薬なども、基本的には薬が血液中にほとんど吸収されない設計のため、同様に献血に参加することができます(※貼り薬の場合は献血できないものがあります)。

一方、血液中に成分が残っていると、それが思わぬ副作用や健康被害に繋がる恐れのある薬の場合は、献血に参加できない場合があります。たとえば、けいれんの薬、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬/抗血小板薬)、不整脈の薬、ステロイド、免疫抑制薬、抗がん剤などが該当します。

服用から時間をおけば献血可能になる薬も

しかし薬の中には、しばらく時間をあけて血液中の薬の濃度が十分に低くなれば、献血に参加できるものもたくさんあります。たとえば、睡眠薬や総合感冒薬などの場合は薬を飲んだ当日、痛み止めや抗生物質(抗菌薬)、向精神薬、抗ウイルス薬、喘息治療薬などは薬を飲んだ当日を含めて3日間は、それぞれ献血に参加することができませんが、その期間が過ぎれば献血できるようになっています。

献血の際には忘れずに「お薬手帳」を持参しよう

このように、献血できるかどうかは使っている薬の種類やその量、それをいつ飲んだのかによって変わります。また、そもそも薬を飲んでいるということは、何かしらの病気や体調不良を抱えていることを意味するため、薬の内容ではなく、その人の体調や状態によっては採血をしないほうがいい、ということもよくあります。

そのため、献血を考える際には「お薬手帳」や「薬剤情報提供書(※薬局でもらう薬の説明書)」を持参して、自分が使っている薬の内容や服用のタイミングを正確に伝えるだけでなく、当日の体調や病気の状態なども検診医としっかり相談の上で、「今の自分が献血に適しているかどうか」を判断してもらうようにしましょう。

献血可能な薬剤についての正確な情報はこちら▼
日本赤十字社:山梨県赤十字血液センター「献血可能な薬について」

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