息ができない、、、処置が遅れると命に関わるHAEの発作とは

  • 作成:2022/06/16

急に、皮膚や粘膜に「腫れ」や「むくみ」が発生する希少疾患「遺伝性血管性浮腫(HAE)」。精神的ストレスや過労などの肉体的ストレスが発作のきっかけになることがあります。この記事では、命に関わる重篤な発作が起こったケースについて漫画を通して解説します。

堀内 孝彦 監修
九州大学病院別府病院 病院長
堀内 孝彦 先生

この記事の目安時間は3分です

処置が遅れると命に関わるHAEの発作とは
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HAEって?

 HAE(エイチ・エイ・イー)はむくみ(腫れ)が発作的に現れる、遺伝性の病気です。遺伝性血管性浮腫とも呼ばれます。主な症状として顔(くちびる、まぶた、など)や手足をはじめとした部位に起こる「むくみ」や、胃腸など消化器に発作が現れる場合の「腹痛」があります。HAEのむくみ発作は、前触れなく突然起こる事が多いですが、肉体的なストレスや精神的なストレスがきっかけとなる場合もあるとされています。

致死的な事態につながる前に、早期診断が重要  

中でも注意が必要なのはマンガのように突然の発作がのどに起こってしまう場合です。ごくまれではありますが、うまく息ができなくなり、場合によっては窒息したりして命に関わることもあります。HAEと診断されていない状況でのどに発作が起こった場合は適切な処置が取れず、痛ましい事態に繋がりかねないため、HAEの場合、なるべく早く診断されていることが非常に重要と言えます。  HAEに限らず、むくみ発作をはじめとする「気になる兆候」に気づいた時点で、なるべく早く治療につなげていくことが、その後の重篤な結果を防ぐことにもつながります。気になる症状があればぜひ医療機関を受診しましょう。

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九州大学医学部卒。国立がんセンター研究所研究員、米アラバマ大学医学部フェローなどを経て、2008年九州大学大学院医学研究院准教授、2013年九州大学病院別府病院教授、2016年4月から同病院長を併任。専門は臨床免疫学、リウマチ学。「血管性浮腫」の実態を解明してその成果を社会に役立てることを目的として設立したNPO法人「血管性浮腫情報センター」(略称:CREATE)の代表として活動するとともに、「HAE患者会 くみーむ」にて患者とその家族のサポート活動に精力的に従事。また、日本補体学会が作成する我が国の「HAE診療ガイドライン2010年初版、改訂2014年版」の作成に責任者としてかかわった。「改訂2019年版」では再び責任者として厚生労働省研究班と連携・協力し、我が国のHAE診療ガイドラインを作成。アジアで初めてHAE3型の原因遺伝子を同定した。

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