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家の中の困りごとを何とかしたい ~ ものを無くす ~

  • 作成:2022/08/04

この記事では、「家の中にあるはずのものが、どこに置いたかわからない」という困りごとの対処方法を解説します。

堤 多可弘 監修
VISION PARTNERメンタルクリニック四谷  副院長/精神科医・産業医
堤 多可弘 先生

この記事の目安時間は3分です

家の中の困りごとを何とかしたい ~ ものを無くす ~

ADHD特性から見る原因

  • 一度に覚えていられる記憶の容量が少ない
  • 新しいことに意識が向くと前のことはすぐ忘れてしまう

対策

これらはよく ADHD の方から相談されます。

ADHD の特性として、「新しい興味に意識が移りやすい」ということがあります。 重要さよりも目新しさに意識が向いてしまうのです。
また、「1度に覚えておける記憶の容量が少ない」という特徴もあります。
そのため、何か作業していても、別の作業に切り替わると、前のことをふっと忘れてしまうことが多いのです。

上記の悩みでは、インターネットで買い物をした後に喉が渇いて飲み物を取りに行ったところ、片付けようと握りしめていたクレジットカードのことはすっかり頭から抜けてしまい、無意識に棚に置いてしまったのでしょう。

対策としては次のようなことが考えられます。
① 置き場所を決める習慣をつける
② 使い終わる場所の近くに置き場所を作る
③ 一時ボックスを作る
④ 一緒に使うものはまとめておく

置き場所を決める習慣をつける

当たり前のことと思うかもしれませんが、置き場所を決めていなかったり曖昧だったりするケースが非常に多いです。そのため、いつも置き場所が変わり、しかもその場所を忘れてしまうので、探し物をする羽目になります。

まずは置き場所を決める習慣をつけるのが重要です。
これは鞄やポケットの使い方でも同様です。
鞄の中でも、財布の場所、ハンカチの場所、定期券の場所などは必ず決めておき、そこに戻す習慣をつけます。
また、ズボンのポケットも、右のポケットはスマホだけ、左のポケットはハンカチだけ、などと決めておきます。そうすることで探す手間を省けますし、なくしてしまってもすぐ気がつくことができます。

使い終わる場所の近くに置き場所を作る

置き場所を決めるためには、使い終わる場所の近くに置き場所を作るのが大事です。 ADHDの特性が強いと、関心がすぐ移ってしまうので、使い終わった場所に物を置いてしまう傾向があります。それを逆手に取るのです。
例えばクレジットカードは、家で使うとしたらパソコンの近くです。そして、出かける時には財布に入れるはずです。それならば、必ずパソコンの近くに財布を置いておき、クレジットカードを使ったら財布に戻すと決めるわけです。

一時ボックスを作る

リビングや仕事場など、長く時間を過ごし、物をたくさん使う場所には、ひとつだけ一時ボックスを作りましょう。 そこで使い終わったものは一旦一時ボックスに入れておき、定期的に正式な置き場所に戻すのです。
一時ボックスは必ずひとつだけにしてください。そうすることで、正式な置き場所と一時ボックスだけを探せばよくなります。一時ボックスを複数作ってしまうと、結局どこに入れたかがわからなくなります。

一緒に使うものはまとめておく

一緒に使うものや関連性の高いものはまとめて置いておくのが重要です。例えば、はさみとのりは机の中、財布と通帳とクレジットカードは金庫の中、といったように、一緒に使う頻度や関連性の高いものは同じ場所に置くのが重要です。
また、見えやすいように透明なボックスやかごを使ったり、インデックスシールを貼ったりしておくのも有効です。

まとめ

  • 使い終わる場所の近くに置き場所を決めておく。
  • 一時ボックスを作っておき、定期的に整理する。
  • 一緒に使うものはまとめておき、わかりやすいようにする
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弘前大学医学部卒業後、東京女子医科大学精神科で助教、非常勤講師を歴任。 現在はVISION PARTNERメンタルクリニック四谷の副院長とスタートアップへのアドバイザー業務を務めるとともに、企業や行政機関の産業医を10か所以上担当。ブログや著作、研修などを通じて、メンタルヘルスや健康経営、産業保健の情報発信も行っている。 共著に「企業はメンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医 」(祥伝社新書)がある。

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