管理職必見!「心理的安全性」を高める方法とは
- 作成:2022/09/14
社員のモチベーションの低下に悩む経営者の方は多く、メンタルケアは仕事に直結する問題です。この問題を解決するには、コミュニケーションの改善が必要となってきます。 チーム運営におけるマネジメントには、このコミュニケーションの改善問題がつきものです。 そこで今回、AskDoctorsでは、産業医の平野井啓一先生に、「現役産業医の成功マネジメント」というタイトルでセミナーにご登壇いただきました。 働く方の健康に対して医学的なアプローチだけではなく、コミュニケーションの改善問題など、非常に多方面からマネジメント問題について切り込んで深掘りした内容になっております。 そのセミナーの模様を全3回に分けた本シリーズ第3回は、心理的安全性を高める方法についてお伝えします。
この記事の目安時間は3分です
心理的安全性の高い職場のメリット
できることを当たり前にするのではなく、認めてあげることで、社員が「頑張ったことを見てもらえている」と安心して働くことができるようになります。
職場の心理的安全性が高まると、社員の積極性が高くなり、生産性があがるのもメリットの1つですが、さらにもう1つ大きなメリットがあります。
それは、悪い情報でも報告がちゃんとあがってくるということです。
心理的安全性が低い職場では、「言ったら罰せられるかも」と思ってしまうことから、悪い情報がきちんと報告されにくくなります。
悪い情報が報告されないということは、本来改善しなければならないポイントを改善できないことになり、組織の弱体化に繋がっていきます。
心理的安全性が高い職場は報・連・相がスムーズで、何か問題が生じても早く手を打つことができるので、組織はさらに強くなっていくのです。
貢献の実感を伝える
心理的安全性は、「自分がなぜこの仕事をしているのか」を伝えることでもあげていくことができます。
40代や50代の方はお金を稼ぐために仕事をするという価値観を持つ人が多いですが、若い世代では自分が働く意味を仕事に求めるという人が多いのです。
「何のためにあなたがそこにいて、その仕事をすることでどんな風に役立つのか」等、貢献の実感を伝えていくことが今後のマネジメント業務には必要になってきます。
ただ単純に仕事が与えられて、それをやったらまた次、と作業的に伝えてしまうと代わりのきく歯車のような働き方に感じてしまいます。
何のためにその歯車が必要なのか、それによって全体がこんな風に動いていくから必要なのだと、その歯車の必要性を理解して納得しないと動きにくくなってしまうのです。
その人自身を認めてあげることで、代わりが効く仕事ではないと伝わり、貢献を実感することに繋がっていくのです。
成長の実感を伝えよう
さらに成長の実感も大切です。
仕事で成果を出すことは大切ですが、誰でも最初は失敗するものです。成功か失敗かという結果論で自己肯定感を決めてしまうと、失敗したときに自己肯定感も失ってしまうことに繋がります。
成功よりも成長が大切です。
成功失敗問わず、過去の自分を比較して今の自分はこれくらいできていると自覚すること。
隣にいる優れた人と横で比較するのではなく、過去の自分という本人を基軸に縦で比較することで、成長の実感を伝えることができます。
繰り返し伝えることで、心理的安全性はあがる(まとめ)
成長の実感を伝えるためにも、フィードバックをしていくことは大切です。今の若い世代は結果をすぐに求める傾向があり、こまめなフィードバックが重要になってきます。
例えば2,3日に1回。こまめに伝える代わりにフィードバックの時間は5分以内。
短いフィードバックを刻んで入れていくことで、短期間で何度も成長を実感することができ、離職を防ぐことになるのです。
成長を伝えることは、相手のことを認めることになり、結果的に職場の心理的安全性の向上に繋がっていきます。
株式会社メディカル・マジック・ジャパン 代表取締役
平野井労働衛生コンサルタント事務所 代表
日本産業衛生学会指導医/社会医学系指導医労働衛生コンサルタント(一社)/日本アンガーマネジメント協会ファシリテーター/叱り方トレーナー/ハラスメント防止アドバイザー(一社)/日本ほめる達人協会特別認定講師温泉ソムリエ/SBS東芝ロジスティックス株式会社本社統括産業医
上記ほか、アマゾンジャパン、損保ジャパン等約20社の嘱託産業医を務める。また実践的なパワハラ対策として、感情のコントロール手法としてのアンガーマネジメント研修や褒める管理職研修と数多く開催。
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